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黒∵BLACK×EDGE∵刄

1 :名無しになりきれ:2006/09/05(火) 00:00:20
 2006年5月末 地球に彗星が接近――誰も予期しなかった悪夢をその尾からばら撒きながら

 7月 暴行、猟奇殺人、建設物の損壊など、異常犯罪の発生件数が
 例年の9倍に達するとの報告が政府諸機関に寄せられる

 8月 政府は相次ぐ異常犯罪を、彗星から飛来した未知のウイルスに感染した生物、
 EX-evolution Mutant、略称 ≪EXeM≫ によるものと断定した

 同月中 政府はEXeM対策室を設置、 ≪対感染生物用特殊兵装≫ の開発を命じる。
 しかし、特殊兵装の開発を成功させるまでの間に、感染生物の猛威によって東京は死の都と化した
 政府機能は関西へ移転、開発も放棄された東京は完全に外界より遮断され、
 『隔離』された死の都に取り残された人々は、いつ降りかかるとも知れぬ理不尽に脅えながらも
 かすかな希望に縋って日々を生き抜いていた



            そんな中、東京に現れた謎の人物…

            感染生物を倒す『力』を身に纏う者達…

     漆黒の仮面に素顔を隠し、手にした黒い刄で敵を切り裂く…

               人々は彼らをこう呼んだ…

                  その姿に因んで


                ≪BLACK・EDGE≫と……



 ――――そして2008年

 BEたちの活躍により街としての機能をいくばくか取り戻し始めた東京を舞台に
 
 黒き刃と、彗星からもたらされた悪夢の闘いは激化の様相を見せる――


前スレ、用語解説などは>>2-5

2 :2様:2006/09/05(火) 00:03:02
・2・

3 :名無しになりきれ:2006/09/05(火) 00:05:05
∵前スレ
http://etc3.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1148411318/

∵基本概要
∵ジャンル:変身ヒーロー
∵舞台:隔離都市TOKYO
∵目的:人々を守る
∵スレッド形式:自由投下型
∵名無し参加:有
∵レス順番:無
∵後手キャンセル:有
∵決定リール:有
∵レス投下期限:6日

∵世界観・設定
∵BLACK EDGE(BE):日本政府の直轄機関『TSUKUYOMI』により開発された、対感染生物用特殊兵装。
  外見はベルト状だが、装着者の意思で瞬時に強化装甲服へと変形展開する。BEはそれぞれに個別の武器を持つ。
  BEの持つ武器こそ、BEの名の由来であり、感染生物を倒す唯一の手段である。
  形状は各BEごとに異なり、現在TOKYOで確認されているのは『日本刀』『長槍』『戦斧』『苦無』『鎖鎌』の5種類。

∵感染生物(EXeM):2006年の彗星接近の際、地球に飛来した謎のウィルス。
  EX-evolution Mutant通称EXeM(エグゼム)はウィルスに感染した生物全般を指す名称である。
  感染の対象には当然ながら人間も含まれる。というよりも、圧倒的に人間への感染率が高い事が特徴である。
  EXeM化した生物は2種類に大別できる。Class-Aと呼ばれる上級種と、Class-Bと呼ばれる劣等種である。
  TOKYOで一般的に目撃されるのがClass-Bで、個体の戦闘能力はBEに遠く及ばないが
  自身が保有するウイルスを散布することにより数を急激に増やす。
  一方でClass-Aは高い知性と(状況によっては)BE以上の戦闘力を持ち、感染した生物の原形を留めているため
  人間に紛れ込み生活する個体も存在する。また、EW(エクストラウェポン)と呼ばれる特殊武装を有する者もいる。

∵特務機関TSUKUYOMI:日本政府直轄の特務機関、それがTSUKUYOMIである。
  建前上は2006年8月に設立されたEXeM対策室を前身としているが、
  実際にほとんど繋がりが無く、母体となった組織は謎に包まれている。
  オーバーテクノロジーとも言えるBEの開発等、謎が多い組織で構成員の数も一切不明。
  唯一判明しているのはBEの監視と戦闘データの採取で、BEの近くには必ずTSUKUYOMIの監査官が確認されている。

4 :名無しになりきれ:2006/09/05(火) 00:07:08
∵BE開発者ごとの特徴
ユートリアム博士(TYPE-E):初めてBEシステムを考えた工学博士
                  基本的に、使用者の肉体強化を重点的に考えた設計なのでバランスがいい
                  しかし、武装は剣のみで少々火力不足な点が欠点
島村博士(TYPE-S):ユートリアムの元助手だった日本人博士
             TYPE-Eの欠点を克服し、『日本刀』『長槍』『戦斧』『苦無』『鎖鎌』といった日本的な武装を取り入れた。
             しかし、改良したとはいえ、遠、中距離の戦闘は苦手としている。
ファルマ博士(TYPE-F):TSUKUYOMI初の女性博士
               アニマトロニクス技術も取り入れたBEが多く、飛行可能BEまで開発した。
               といった他とは一線を隔したBEが多いが・・・機種などの癖が酷く、
               戦闘行為が支障なく出来るようになるには相当な努力が必要となる
フォーンネット博士(TYPE-V):ユートリアム博士に対抗意識をもっているゲルマン系博士
                  彼のBEも他のとは違うものを開発するがファルマとは違い、実戦主義のBEが多い
                  また、『心』と『BE』のつながりも研究し、感情の高ぶり等で戦闘力がかわるBEも開発した。
                  しかし、いろいろと問題も他より多い・・・テストライダーの死亡率が一番高いのもここだ。

∵参加者は下記に記入の事
名前:
勢力:
武装:
性別:
年齢:
身長:
体重:
性格:
容姿:
特徴:

5 :名無しになりきれ:2006/09/05(火) 00:22:48
刑務所の中から立ち上がる素晴らしい魂
      世間の炎に鍛え抜かれた
        伝説の国会議員
         殺意を糧に
       運命に従って・・・
        男の使命は復讐
         その男とは
        ムネオ・スズキ

   「俺、鈴木宗男が全部見せてやるよぉ!」
     「覚えとけよ!絶対許さねえ!」
     「このムネオ・スズキがよぉ!」

        〜MUNEO・SUZUKI〜

6 :条咲綾子 ◆2TlaRARhhA :2006/09/05(火) 02:26:23
夕暮れも終わり今は暗闇。
新宿中央病院前。
条咲が立っていた。
その表情はいつもの涼しげな表情。
リムジンが前に止まる。
リムジンに近づく条咲。
そしてそこから出てきたのは阿久津と崎島。
条咲は二人を見て笑うとBG達に言った。

「お迎えご苦労様・・・
もう帰って良いわ。」

リムジンが発車される。
新宿の夜はいつもより異常なまでに静かだった。
条咲は二人を見ると言う。

「・・・ごめんなさいね。早く呼び出しちゃって。
・・・静かでしょ?新宿が。
理由は知ってる?
EXeMに感染された生物達がみんなこの病院の中に居るからよ・・・。」

そう言うと病院を指さした。

「・・・最早布津野の手先状態ね。」

愉快そうに冷笑する条咲。
そして阿久津と崎島を見てTSUKUYOMIの無線バッチを渡し言った。

「・・・・さて、覚悟は出来てる?
此処からは血肉に塗れた世界よ。
もしかしたら行った限り二度と此処には戻って来れないかもしれないわ。
・・・」

そう言って脅かす条咲。
二人の表情を見て少し笑うと、
条咲の元にヒラヒラと青と赤の光の蝶がやってくる。
そして条咲の肩に止まり二三回羽を動かすと消えた。
そして真っ直ぐに病院を見る。
太もものフォルダーから拳銃を取り出し弾を入れる。

「・・・新宿中央病院は七階建て。
その最上階に布津野が居るわ。
・・・・絶対に私から離れないようにお願いよ。」

そう言うと条咲は病院のドアを手に掛けた。
そして、
ドアは開かれた。

7 :ストレイルキャット ◆hXvyVozAPo :2006/09/05(火) 09:55:07
他のものが瞳の家で行動している時、我輩は秋葉原にいた
新しいスーツの買出しにである・・決してフィギアを買いに来たのではないぞ

「モエモエェ!」
ふと見てみると元はオタクらしいExemにメイドっぽい格好の少女が襲われている

「偽装解除!!アサシンモード起動」
我輩は身に着けていた明治の文豪に良く似たホログラフを消し
ステルスにより姿をも消して元はオタクらしいExemの背後に回った

「???」
元はオタクらしいExemは目の前のおっさんが猫の着ぐるみに突然変わり
その次の瞬間姿を消したのに驚いたのであろう

「ぬおーー!!」
我輩は気合一線元はオタクらしいExemの首を吹っ飛ばした

「にょにょにょ」
驚いたメイドっぽい少女は妙な声を出した・・・気のせいだろうか頭に猫の耳のようなものが付いているような・・・

「さらばだ・・・」
最近の流行だかなんだか良くわからなかったので我輩はその場を後にした

「しかし今日でもう50匹も首をはねている・・・何故だ?なぜこんなにExemが増えたのだ?」
我輩はまた明治の文豪のような姿になると街中に消えた・・・・


8 :名無しになりきれ:2006/09/05(火) 19:37:57
どの面下げて帰ってきた、ストーカー猫

9 :名無しになりきれ:2006/09/05(火) 20:03:21
秋葉原ぁ

10 :榛原 ◆fAnDqHclsQ :2006/09/05(火) 20:55:02
リムジンを見届けたあとにワイは置かれてる状況に困ってもうた。
「あっ、これからどないしよ、ボーズとの約束もある、そやけど布津野にも呼ばれとるし。
 瞳とも話さなあかん、しまったわ、勢いで何でも引き受けるもんやないなぁっ……」
ワイは外で遊んどるガキ達を順々に見て最後に瞳の家を見上げて溜め息をつく、
しゃあないけど、今度また来るしかないみたいやな。このオッサンにも悪いんやけど、
訳ありみたいやし、手当ては新宿中央病院でしたほうがええやろ。

ワイは男を一回地面において望遠鏡をまだ覗いとるTSUKUYOMIに常人なら見えない
最小限の動きでスーツ下にあるナイフを撃つ、弾丸みたいな速さに反応できるわけもないわ。
ナイフは両方の眼球にクリティカルヒットや!悪いなぁ、そやけどワイのこと注意深く見とるし。
仕方ないんや、堪忍してくれや。

「瞳、ガキ達、今日は渡せず仕舞いやったけど、今度来た時はビックリ仰天なものあげたるわ、
 それまで辛い生活やろうが、辛抱しとくれ。」

そう言ったあと、ワイは右腕の袖をまくり上げる、人間の腕に変な玉みたいなのが付いとる。
そうこれがワイが人間を辞めてしもうた証みたいなもんや、
今は三個しかついておらへんが、全部あるなら五個や。
このグーデリアちう玉はほんまに便利やねんで、

ワイはぽっかり穴のあいとる腕に誰かに話すように言う、傍から見ればかなりイってる男やな。
「えーとやな、ワイと、このオッサン、至急新宿中央病院にあるグーデリアまで頼むわ、
 あ、服と所持品も頼むでぇ、素っ裸じゃどないせいっちゅうしな。」
するとオッサンの体が流砂のようになってワイのぽっかりあいた穴へと入ってく。
まあ、もう見慣れた光景やけどなこれは、何度も使うてるしな。

次にトランク、そんでワイの体が消えはじめる、
「もうドンパチ初めとるんやないやろうな?それだけは勘弁やでぇ。」
口も消えて視界も消える、もうそろそろ全部やな、
そんでワイの頭は無に入った、まあこないな時間は一瞬で終わるって分かっとるんやけど。
やっぱ意識なくなるときは怖いもんやで

++++++++++++++++++++++++++++++++++

体が構成されてくのが分かる、意識が戻って次に目、口、ほんで胴体に手足や。
目を開けると分かっとることやけど二階のワイの部屋に戻ってきとる。
「それじゃ、まずこの男をどうにかせなあかんな。」
グーデリアを右腕にはめなおしたあと、とりあえずワイは隣の部屋に男を寝かせることにした、

それも傷縫ってブドウ糖の点滴ちゅうオマケつきやで、これで死んだら承知せえへんわ、
一通り終わるとなんや自分の格好が汚いないことに目が行く、
外歩いてたせいで砂埃で凄かったせいや、

「ああ、今日のために買うてきたアルマーニのスーツがボロボロやないか。
 ゴッツう高かったのに」
肩を落としながら更衣室に向かう、すると知らないお嬢ちゃんが出てきたやないか。
ワイの方を見るとふと足を止めるお嬢ちゃん、なんや、なんかまた布津野が見つけてきたんかいな、
ワイはお嬢ちゃんに微笑みかけた、サングラスのせいでちと怪しくみえるかもしれへんけど。

「こないな所でどないしたお嬢ちゃん、もしかして、新人かいな?
 ワイは榛原っちゅうもんや、」
こないなところに来るんは新人しかないと分かってはおるけど一応ワイは聞いておく。
そやけど、このお嬢ちゃんかなり心配やわ、なんちゅうたらいいんかな?
このお嬢ちゃん覇気ちゅうもんがないねん。死んだまま生きとるみたいな、
そないな感じやな、あんま暗い子には見えんのやけど、


11 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/09/05(火) 22:14:24
:新宿中央病院前

周囲に渦巻く不穏な空気。それはこの廃院から感じる。
邪悪なる意思が、蠢く場所。部下を連れてこなくて正解だったようだ。
生半可な能力では、生きて帰ることすら出来ないだろう。

「おかしい・・・ここに来るまでにExeMに出会っていない。
クラスAはおろか、クラスBさえ・・・まさか!?」

俺は気付いた。やはり、あの女。
布津野が発する思念が奴等を引き寄せているからなのだろう。
俺の予想通りならこの病院の中には、かなりの数のEXeMがいるだろう。
と、俺の前にゆっくりとした足音が聞こえる。
暗がりの中で、泣く少女。まさか、生存者が・・・?

「うえぇぇぇぇん・・お母さぁん。お父さぁぁん。」

こんなところに、一人で。
俺は病院の中へ入り、少女へ手を差し伸べる。
少女は穏やかな笑顔でそれに応え・・・

「ありがと・・ウォォオオオオオオオオ!!!!!!」

少女、だった化け物を貫く黒き刃。
俺は知っていた。彼女も感染していると。
無言で刃を刺し抜き、俺は変身を完了した。
俺は誰であれ、EXeMを倒す。そう、誰であろうと容赦はしない。
暗闇の中、無数の呻き声と共に現れる感染生物。
それを怒りとも、悲しみともつかない想いで断ち切る。

「・・・変、身!!BLACK・EDGEッッ!! 」

―「STAND BY」 ・・・「CHANGE BLACK EDGE!!」 ―







12 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/09/05(火) 22:17:16
襲い掛かる無数の敵。感染生物、EXeM。
あの女、布津野はこれを「進化」だと呼んだ。
だが、俺にはそうは思えん。
・・・命を弄ぶ進化は、ただの狂気だ。
俺の前に見えるのは、闇と怪物の呻く声だけだ。
俺のBEは音速を誇る脚力と、全てを切り裂くこのクナイ。

「うおぉぉぉぉ!! トォ!!トリャ、トイヤッ!!」

この程度のEXeMなど何度でも戦ってきた。
今はこいつらの相手をしている場合じゃない・・・
俺は全速力で切り裂く一撃を放つ。

「スピード アァァップ!!」― SPEED UP READY!!―

音速の一撃が無数の怪物を貫き、木っ端微塵にした。
俺は粕と貸した元「生物」に慙愧の思いを残しながら向かう。

俺の足元に転がるのは、無数の屍。
布津野がここへ呼んだ怪物の成れの果てだ。
俺は大声で叫ぶ。何もかも、貫くほどの声で。

「ふぅつぅのぉおおおおおお!!!! 人の命を弄ぶ貴様の悪!!
許すわけにはいかない・・・!!出て来い、ふつのぉ!!!」

俺の心が真っ赤に燃える。
やつを倒せと、轟き叫ぶ。

13 :東屋 実咲 ◆AHL7KHofQw :2006/09/05(火) 22:48:07
「ご飯でも食べてこようかな?」
着替えているときにも、何度か腹の虫が鳴っていたのを思い出す。
「確か・・・私って〜人間から進化したから・・・味覚とかも鋭くなってるのかな?」
ふいに涎が垂れてきたのですぐさま拭い、足を進めるとそこには男が立っていた。

見るからにヤクザ・・・だよね。
あれだ!兄貴ぃ!って言われそうな人だ。
組長の仇を討って死にそうな人だ。
>「こないな所でどないしたお嬢ちゃん、もしかして、新人かいな?
 ワイは榛原っちゅうもんや、」
は・・・ひゃあ!話かけてきた。しかも、なんか妖しく笑ってるぅ。

弱気なウルトラマンのような構えをしながら、目の前のヤクザに敵意を向ける。
「お・・・おんしゃあ・・・どこの組の鉄砲玉やぁ!」
よくドラマ等で出てきそうな台詞で相手の反応を見る。
どことなく変な緊迫感が辺りを包む。東屋の中の黒が助け舟を出したのか、わからないが
「ぐるるるぅ〜」
東屋の腹音が廊下に響き渡る。
赤面する東屋、あきれ果てるヤクザ・・・その一瞬の緩みを東屋は見逃さなかった。
瞬時にヤクザの懐に踏み込み、通りすぎる。
長すぎる髪の毛は顔に掛かり丁度よい目くらましになった。
「私まだ未成年だからお風呂屋さんとかで働けないからぁ〜」
そう言い残してその場から食堂へ向かう。

14 :布津野 珠美 ◆0ol//9//Sw :2006/09/05(火) 23:16:17
【新宿中央病院地上部分】
地上七階、地下三階、敷地面積も迷子出ちゃうぞってくらいの巨大病院だった建物。
EXeMや遺伝子操作生物の巣窟となっている新宿区の中心に位置し、廃墟となっています。
現在は布津野の思念によって集められたEXeMや遺伝子操作生物が病院内に蠢いてバトルロイヤル状態です。
とりあえず目に付けば戦闘開始しちゃう感じで。
クラスBばかりでなく、Aや遺伝子異常や操作によって生み出された化け物も多数います。

【新宿中央病院地下部分】
地下シェルターを改造して、布津野の研究機関【AMATERASU】となっている。
病院内八箇所に入り口がある。
大規模なホテルがそのまま埋まっていると思っていただいてOKです。
食堂、フィットネスルーム、訓練室、居住区域のほか、ラボや大規模実験室、その他謎の施設多数。
AMATERASU所属の研究員も多数すんでいますが、当然のように人間を辞めちゃった人たちです。
余り関係ないので、地下施設潜入されると同時にどこかに隠れちゃうってことで。
核攻撃にも大丈夫なシェルターなので隔壁や天井などはとっても丈夫。ぶち破ってショートカットや内部破壊は難しいかと。


15 :虫型EXeM:2006/09/06(水) 19:44:47
虫型EXeM×30が襲ってきた

16 :阿久津 ◆Oa4ipRdfjI :2006/09/06(水) 22:59:11
「くぅ……あぁっ!!」
阿美が苦悶の声を上げる。既に廃病院はEXeMの巣窟と化していた。
しかも唯のEXeMではない(>>15)。淘汰を乗り越え、生存競争に勝ち残った強き者達…
それ故に3人は予想以上の苦戦を強いられているのである。
「キリがない……こんなんじゃ…布津野の所まで…うあああぁ!?」
蟷螂のEXeMに横から串刺しにされて、そのまま放り投げられ壁へと激突する。
装甲の劣化を告げるアラームが鳴り響き、意識が遠退いていく…
∵DAMAGED ERROR!! SYSTEM DOWN∵
変身が強制解除され、装甲が砕け散り黒い粒子となって霧散した。

          ∵ ∴ ∵

『どうしてころさないの?またおにいちゃんとはなればなれになっちゃうよ?』
「あなたは…誰?」
孤児院にもいない、見た事のない女の子。でも…初めて会った気がしない…
『ころしちゃおうよ。おにいちゃんがまたいなくなっちゃう』
「何を言ってるの私に兄なんていないわ」
『あのときも、がまんしなくていいのにがまんして…おにいちゃんはいなくたったもの』
「意味が分からない事言うのはやめて!!」私は耳を塞ぎ、頭を抱え込むようにしてその場に崩れ落ちた。足に力が入らない。
私は1人っ子だったし、両親だって私が9歳の……!?
9歳の時に私は何をしてたの?じゃあ小さい頃、私と手を繋いで歩いたのは誰!?
『おにいちゃんだよ。やくそくしたよね?おにいちゃんをたすけてくれるかわりに、あたしのからだをあげるって』
「…………え?」
『あたしがなんども「たすけて」っておねがいしたのに…うそつき…うそつきうそつきうそつき』
「うぁ……あぁ…!!」
…………そうだった…私は私なんかじゃなかった…私は…化け物だ…

 『最後にどっちになるかはあんた次第』

やっとあの人の言葉の意味が分かった…
人間として生きるか、EXeMとして生きるかという意味じゃなかったんだ…
EXeMであるという事を受け入れるかどうかって意味だったんだ…
私は……私は結局、私にすらなれなかった!!化け物のままで…自分を人間だと思い込んだままで…
偽物の時間を過ごしてただけだ!!!

『やくそくまもってよ。ほら、またおにいちゃんがいなくなるよ?』


17 :阿久津 ◆Oa4ipRdfjI :2006/09/06(水) 22:59:56
阿美に群がったEXeMが細切れになり、臓物をばら撒きながら飛び散っていく。
そこに居たのは、阿美ではなかった。
無数の黒い刄に覆われた兇悪な姿、BEとは明らかに違うその姿は…EXeMである!!

「あなたのお兄さんを守れなくて、ごめんなさい…あみちゃん……」
そう呟くと、背中に生えた一対の大鎌を伸ばして病院の外壁に突き立てた。
「だから、今度こそ守ってみせるから……崎島君!条咲さん!!そこから離れて!!」
叫ぶと同時に、病院の外壁が静物が如く脈動して動き出す!!

《ネメシスの祝福》…布津野の持つ《ルルドの息》と似て非なる能力。
それは有機生命体ではなく、“無機物をEXeM化させる”という災厄級の能力である。

命無き物に祝福を…命有る者に終焉を!!
復讐の女神の声無き叫びが響き渡り、大気を震わせる。

コンクリートは今や黒い刄の一部と化し、そこから更に生み出された数百の刄が周囲のEXeMを切り刻む!!
その凄まじき威力たるや、EXeMはおろか周囲の建物まで広範囲に渡り倒壊させる。
黒より黒き復讐の女神は、16枚の刄羽を折り畳み、静かに告げた。
「布津野のやろうとしてる事を絶対に止めなければ…この星が死んでしまう前に……」

          ∵ ∴ ∵

「ちゃんと伝わったようだな。よかったよかった」
一切の光すら届かぬ闇の中で、赤木は心の底から嬉しそうに笑っていた。

「これで残るは後2人、か…」

18 :榛原 ◆fAnDqHclsQ :2006/09/06(水) 23:29:39
>「お・・・おんしゃあ・・・どこの組の鉄砲玉やぁ!」
……伝説のウルトラマン構えをしよったお嬢ちゃんが
おもっくそ慣れとらん関西弁使うてきたわ、あまりのシュールさに身が凍えたわ、
なにがシュールかってウルトラマン構えの無理しとる関西弁使う女の子やでっ!?
これをシュール言わずしてなんというんや、

「あ、あのなぁお嬢ちゃん、ワイがヤクマルさんに見えるんか?」
こないな女の子には初めて会うわ、初対面でいきなりキめるあたり度量だけは凄いんやろうかなぁ?
どうしたらええか分からずちと黙っとると、向こうから本音があがったわ、

>「ぐるるるぅ〜」
ほら、本音や、しかもなんか赤くなっとるし、ワイがちと呆れ気味に笑っとると、
その隙見つけたんかいきなり距離つめて逃げよったんやわ!つかなんで逃げるんや!?
「ちょっ、ちょっとお嬢ちゃん、うぷっ!ふぁ、ふぁっつくしょんっ!」
髪の毛が顔にかかる、しかもむずむずしてくしゃみしてしもうたわ。
ちゅうか長すぎるやろこれ!トリートメント代ハンパないでぇ!?

>「私まだ未成年だからお風呂屋さんとかで働けないからぁ〜」
「何の話やねん!!もしかてソー○ランドの事言うてるんか!?ちょっとお嬢ちゃんっ!
 ワイはヤクマルさんやないで!ちゅうか組の奴等がこないなとこに居るかいなっ!!」
一体全体なんなんやこのツッコミどころ満載娘は、

ワイは初めて合うタイプの女の子に正直どう対応していいか分からんかったわ。
情けないかもしれへんが、おろおろしとるうちにどっか行ってしもうたわ。

絶対にあの子AB型やな、うん、間違いなしやで……まあ無理して挨拶せんでもええか、
またどっかで会う事もあるやろ、そんときにワイをヤクマルさん呼ばわりしたこと後悔させちゃる、
お尻ぺんぺんの刑やでっ!

「あ〜、なんか疲れたし腹減ったわ、」
とりあえず栄養つけなアカンな、今日は無理して朝も食うとらんし。
そないなことで食堂に向かうことにしたわ。

++++++++++++++++++++++++++++++++++

食堂に入っておばちゃん(つっても人間ですらないんやけど)に山盛りのポテト貰うて
あたりを見回す、だれか知っとる奴居るといいんやけどな、一人で食うとなんや味気ないやねんか。
ん?ちょっとまて、あのシルエットちゅうかあの人物は、さっきの……

  見 つ け た で !


19 :榛原 ◆fAnDqHclsQ :2006/09/06(水) 23:32:31
ワイはダッシュでさっきのお嬢ちゃんの席の隣に座る。
そんでポテトをほおばりながらサングラスを外してニッコリ笑う。
「奇遇やなぁ、お嬢ちゃん、さきほどはどうも、そやそや、
 いきなり不躾やけど、知っとるか?臓器ってゴッツぅ高く売れるんやで?」
いきなり座ったことと突然臓器の話しになってお嬢ちゃんの顔がこわばる。
ヤクマルさんとか言われた礼や、怖がらしたるわっ!!

「肝臓とかは高う売れるんや、まあEXEMのは売れへんけどなぁ、
 でも、お嬢ちゃん人間みたいやねんか?そやから高う売れるでぇ、若いちうのもいいねん」
お嬢ちゃんが怖がっとるのを確認しながらワイは笑いを維持して更に続ける。

「いやぁ、お嬢ちゃんさぞ金になるんやろうねぇ、どや?自分が高い金になると知った感じは?
 嬉しいやろ?なんせこの腐った世の中でお嬢ちゃんは値打ちがあるっちゅうこっちゃ。
そんで最後の閉めにワイはスーツの懐に手ぇいれてナイフを取り出す。
慣れた手つきでちとナイフを遊ばせ、ポテトめがけてナイフを振り下ろす、

―ザシュッ!!

ポテトが刺さっとるナイフを口に運びナイフをぴたりと見つめる、
「お嬢ちゃんの命で、このナイフもポテトも仰山作れるんやろうなぁ。」
どや!この演出力っ!でも、ちとやりすぎた感は否めへんわ。
ちゅうかなんかこの子涙目になっとる、慌ててフォローを入れる。

「……どやっ!怖かったやろワイの臓器取引人の真似は、
 まあモノホンはこないな感じやないやろうけどな、」
泣きそうな目をしとるお嬢ちゃんに笑いかけるが、もう明らかにワイに気を許してくれへんそうやなぁ。

「あーっ、すまんかった!お嬢ちゃんなんやワイのことヤクザと勘違いしとるみたいやったから。
 ついつい悪乗りしてしもうたんや、それにホラ、カワイイ子ほど男はちょっかい出しとうなるって言うやろ。
 それやと思ってチョウダイ!」
手を合わして頭を下げる、正直このまま仲悪くなると今後に色々影響出て来るかもしれへんし。
ちゅうか悪気はなかったんはホンマやで、そやけどいきなり初対面の奴にヤクマルさんと間違えられたら
傷付くやろ、ワイも傷付いたんやで……


20 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/09/07(木) 00:40:33
リムジンに乗り込み少し立ち、ついに僕は此処にやってきた…。
僕はリムジンから出ます。そして目の前に立ちはだかるのは…

新宿中央病院!!

>「・・・お迎えご苦労様・・・もう帰って良いわ。」

条咲さんがリムジンの運転席に近寄りそう言うとリムジンは去っていきます。そしてその後に残ったのは静かな夜です。
>「・・・ごめんなさいね。早く呼び出しちゃって。 ・・・静かでしょ?新宿が。 理由は知ってる?
>EXeMに感染された生物達がみんなこの病院の中に居るからよ・・・。最早布津野の手先状態ね。」
そう言うと条咲さんは微笑みました。その様子を見て僕は思います。…やっぱ条咲さんは大人だって。
僕は無表情で笑う余裕なんて無いのに条咲さんはまるでなんでもないと言った表情をする。
…僕も大人になったらこうなるんでしょうか。…いや、あり得ないかな…?
条咲さんはTSUKUYOMIの無線バッチを渡しました。

>「・・・・さて、覚悟は出来てる? 此処からは血肉に塗れた世界よ。
>もしかしたら行った限り二度と此処には戻って来れないかもしれないわ。」

そう言って条咲さんはそう言うと僕達を見ました。
僕は何も答えず病院を見上げます。…病院にいい思い出なんて一つもなかったなあと思います。
父親と母親を失った時も…兄さんを失ったときも。
いつも病院で僕は自分の非力さに腹立ててばっかで何も出来なかった。
…でも、今は…違う。
力を持ってるからって此処が悲劇の舞台にならないなんて言い切れないけど…。
心臓が高鳴る。一瞬心臓の音が二つに聞こえる。
…僕は取りあえず少しその音を聞いた後、ぐっと胸元を押さえると頷きました。
条咲さんはその様子を見て笑うと拳銃を取り出します。拳銃の中に銃弾を入れています。
>「・・・新宿中央病院は七階建て。 その最上階に布津野が居るわ。
>・・・・絶対に私から離れないようにお願いよ。」
そう言うと条咲さんは拳銃をならしました。
そして病院のドアに手を掛けます。ますます高鳴る心臓音、そしてそのドアは…。

[キィィ…。]

開かれました。

[カツッ…コツッ]

静寂する病院に僕たちは足を踏み入れます。

病院内は一見誰もいませんでした。が、中に入った人なら誰だって外の静けさと病院内の静けさの違いに気付きます。
張り詰めた緊張感に恐ろしいぐらいの視線の数。僕は少し鳥肌が立ちました。
この感覚は前にも確かにあったことがある。そう、昔兄さんとお墓参りに行った時の感覚と同じ…。
条咲さんは先頭に立ち歩き出します。
[カツッ…コツッ…カツッ…コツッ]
ヒールが地面に当たる音が響きます。一階部分は受付らしく、カウンターといくつかの茶色のソファーが置かれています。
僕は条咲さんの後に続きました、一歩、二歩、三歩…。周りを見つつ。

21 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/09/07(木) 00:41:12
[トコッ…コツッ]
僕のスニーカーの音が響き、受付の前に置かれた茶色のソファーの横を通ります。
一列目、二列目、三列目…。ここまでは全く襲ってくる気配がありません。が、視線はまだそこにあります。
茶色のソファーの横をどんどん通り過ぎます。
そして最後のソファーの列の横を通り受付のカウンター前を通りきった、その時です。

[ピュン!!パスン!!]

「……え!?」

変な音が響きました。
そして僕のほに痛みが走ります。…これは…。僕はほを撫で血が出てるのを確かめると前に居た条咲さんと阿久津さんの方を一目見、
がばっと斜め後ろの受付を見ます。静寂の中でいつのまにか蚊が飛んでるような羽音が一つ響いています。
その羽音を鳴らしているのは直径15cmの一匹の大きな虫でした。どうやら奴の攻撃らしいです。僕はその虫の方へ身体を向けました。

…ついに…。

僕は覚悟を決めベルトに手を掛けます。そして次の瞬間…
その一匹の虫は受付のカウンターの下へと行ったかと思えば、
そいつと同じ体型をした直径30cm〜15cmの虫型EXeM数十匹の大群となり現れました。
[ヴァババババババババババババババババババ!!]
大音量の羽音を一斉にならされます。
そして次の瞬間、無数の虫型EXeMは一斉に僕らに向かって猛スピードで襲ってきました!僕は叫びます。
「変身!!!」
〈VersionNISHIKI,Installation100%...Transformation...3,2,1!〉
[ヴン…!バサァ…!!]
一瞬でいつもの装甲のBEが装着されると僕は即座に前へ腕をばってんに組みました。
すると翼が前へしなやかに伸び左右の羽とクロスし、防御態勢に入ります。
[ドギャァ―――――――ッ!!!!!]
虫型EXeM達が七匹が僕の防御態勢を崩すかのごとく突進してきました。僕は後ろへ引きずられますがなんとか踏ん張ります。
「っ…!このっ……!」
[ヴァババババババババババババババババババッッ!!]
けたたましい羽音が響きます。虫とは思えない膨大な力が僕にかかり、僕は少し顔を歪めました。
数秒ほど押され押しつつの状態になります。が、次の瞬間僕はかっと目を見開きました。

〈Small bird kiss by wind-衝撃風-!!〉
[ズワァアァアア―……バィィンッ!!!!]

一瞬で防御態勢になってる羽に風が集まると僕の羽から風の衝撃波が発射されます。
[キュゥ―ルルッ…!!]
虫達は一つ鳴くと木っ端みじんになりました。どうやらClass-Bの上レベルのようです。生命力は大したこと無い…!
僕は羽の防御態勢を解除すると、まだ周辺を飛び回ってる虫達をパンチやキックで潰しながら二人の名前を叫びました。
「阿久津さん!条咲さん!!」
大量の虫の大群の中二人の様子を必死で探します。

そして僕は虫の大群の中で阿久津さんが攻撃を受け壁に激突する寸前の光景を見ました。

「阿久津さん!!」
僕はもう一回叫ぶと阿久津さんの元へ虫を倒しずつ近づきます。
阿久津さんの変身が解除され装甲が黒い粒子となって散っていきます。それを待っていたかのように集る虫型EXeM。

22 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/09/07(木) 00:54:59

そして一瞬僕の変身ベルトがドクッ!と血を流したような感覚に襲われます。

僕は阿久津さんを助けなきゃいけないのに阿久津さんの手前で立ち止まりました。

……!?

そして次の瞬間阿久津さんの周りにいたEXeMが細切れになったかと思うと僕の顔に赤い血が掛かったのです。
[グショッアッ!]
「…!!」
僕は呆然となると顔を覆いました。そして手についた血を見ます。真っ赤な血。
そして僕は…阿久津さんの姿を見ました。しかし、そこに居たのは阿久津さんでは無く、

無数の黒い刄に覆われた巨大な力の塊…。

呆然とその姿に見入ります。これが…阿久津さん?いや…そんなはずは…。
>「あなたのお兄さんを守れなくて、ごめんなさい…あみちゃん……」
…!?やっぱり阿久津さんだ!?僕は声を聞きこれが阿久津さんだと認識しました。
阿久津さんの背中から出てきた黒い大鎌がコンクリートに刺さります。
阿久津さん…そう知ることができたのに僕は後ずさりします。だって…まるでこれって…死神…
…そして、阿久津さんは叫びました。

『崎島君!条咲さん!!そこから離れて!!』

[グオッ!!]
条咲さんが僕の肩を掴むと引き寄せられます。鳴り響く地鳴り。

そして次の瞬間、コンクリートは黒い刃となり、虫達を全て殺していきました。

僕は条咲さんに引っ張られ地面に尻餅をつくと、そのまま座り込みその光景を見るしかありませんでした。ただ呆然と。
そして地鳴りは収まり、静寂が再度走ります。
そして、その黒い死神は…阿久津さんは…静かに言いました。
>「布津野のやろうとしてる事を絶対に止めなければ…この星が死んでしまう前に……」
僕は一瞬全身に鳥肌が立ちました。

そして、阿久津さんは僕の横を通ると階段を上っていきます、
そしてそれに続いて条咲さんも上っていきます。

僕は数秒ほどその姿を見ます。そして…
「阿久津さん!!」
僕は名前を呼びました。阿久津さんが振り返ります。
見つめた目は、怪物のごとく冷たくなっています。僕はその目を見て言葉を失いました。
恐い…でも…今言っておかなきゃどっか言ってしまうような気がする。そう、今言っておかないと…。
当たり前のことだけど…これだけは言っておかないと……今ならまだ…。

「…駄目です…。」

阿久津さんの表情が一瞬変わったような気がします。
僕はそれを見て自然と言葉を続けました。

「…阿久津さんは人間です……。」

と。
阿久津さんは僕を見ました。
なんでこんな事言っておかないとと思ったのかはわからないけど…一瞬、一瞬だけ。
なんだかこれだけは言っておかないと…阿久津さんが阿久津さんじゃなくなるような気がしたんだ。
僕と阿久津さんは少し見つめ合うと、阿久津さんは階段を再度登り始めました。
僕もまた少し遠くなっていく阿久津さんを見てから、階段を上り始めます。

23 :東屋 実咲 ◆AHL7KHofQw :2006/09/07(木) 23:16:24
「はぁ・・・なんとか振り切ったな・・・」
食堂前にて肩で息をしながら逃げ切ったことを確認する。
「さてご飯ご飯♪布津野さんのおごりでね〜」
軽やかにスキップをしながら食堂へ、食券制ではなかったので布津野払いでどうにか出来るようだ。
「おばちゃ〜ん・・・日替わりていしょ・・・!!!」
「なぁんだい?顔になんかついてるかい?」
パートのおばちゃんの顔を見て、東屋は凍った。
EXeM(クラスA)には二種類変化が存在する。一つは、赤木や墨谷のような変身型
もう一つは布津野に見られる。第六感型である。
何故この説明が必要だったか?それは・・・食堂のおばちゃんの顔が熊になっていたのを説明するためだ。
「あ・・・あが・・・」
口を開けポカーンとする東屋におばちゃんが答える。
「そんなに熊顔のEXeMが珍しいかい?いいねぇ〜第六感はぁ〜・・・
 で・・・注文は?早くしな!列がつっかえるよ」
「・・・じゃあ・・・日替わり定食Aで・・・お代は布津野さんで」
「はいよ・・・ちょっと待ちな!」
のそのそと奥へ隠れるおばちゃん・・・どうやら、出来るまでここで待つことになるのだろう。
暇なので辺りを見回してみる・・・多少人外なのもいるが、至って普通の光景だった。
「進化しても、そう簡単には進化できない部分もあるんだな・・・EXeMになっても」
皆、人として生きている・・・姿形が人外でも・・・根本にあるものは人間なんだ・・・
なら・・・ここにツクヨミの人が来たらどうするんだろう・・・
拳を固め、真剣な面持ちの東屋におばちゃんが後ろから声をかけた。
「ツクヨミの人が来たら・・・ここは処刑場にでもなるんだろうね〜
 はい、日替わり定食A・・・お代は布津野さんからもらって置くよ」
振り返り、おばちゃんを見る。その目には迷いが無く、何かの決心がついたような目だった。
「私・・・ここを守ってみます。絶対に」
「・・・ふぁははははっ!!!そんな蛇のような目で見られても困るよ。
 まぁ・・・頼りがいはあるようだけどね〜」
幸せそうに微笑みながら東屋は定食を持って席に座った。

24 :東屋 実咲 ◆AHL7KHofQw :2006/09/07(木) 23:48:50
「うんまぁ〜い!!!」
たったの一口で涙が出た・・・
たった一口すすった味噌汁で涙が出た。
「はははぁ〜おいしい〜おいしいよぉ〜・・・めくるめく幸せだぁ〜」
たった一啜りした味噌汁で、腸が飛び出そうなぐらい喜ぶ女子高生なんて見たことない。
しかし、それを可能にしたのが、EXeMの感覚
進化に例外は無かった。味覚も人間のそれとは比べ物にならないぐらいに発達し、それにより、料理の完成度は高くなった。
そうクラスAは美食家でもある・・・らしい?
「このままご飯にいっちゃお〜っと」
と米を口に入れたとき
>ワイはダッシュでさっきのお嬢ちゃんの席の隣に座る。
 そんでポテトをほおばりながらサングラスを外してニッコリ笑う。
「奇遇やなぁ、お嬢ちゃん、さきほどはどうも、そやそや、
 いきなり不躾やけど、知っとるか?臓器ってゴッツぅ高く売れるんやで?」

『なんだってぇ〜!!!
 この人たら!始めから殺すつもりで接近してきたのね〜って
 やばい!米が喉に』

>「肝臓とかは高う売れるんや、まあEXEMのは売れへんけどなぁ 〜〜〜

『水!水ぅ!』
苦しさに涙目になりながら、ゆっくりとコップに手を伸ばそうとすると
>慣れた手つきでちとナイフを遊ばせ、ポテトめがけてナイフを振り下ろす、
 ―ザシュッ!!
自分の手に振り下ろされたかと思い手が引きこまった
『あ・・・もう駄目だわ・・・気が・・・
 うわぁ〜情けねぇ〜、心臓を潰されかけたのをどうにかしたのに・・・
 米を喉に詰まらせてって・・・おいおい・・・笑い話にも・・・』
>「……どやっ!怖かったやろワイの臓器取引人の真似は、
  まあモノホンはこないな感じやないやろうけどな、」
>「あーっ、すまんかった!お嬢ちゃんなんやワイのことヤクザと勘違いしとるみたいやったから。
  ついつい悪乗りしてしもうたんや、それにホラ、カワイイ子ほど男はちょっかい出しとうなるって言うやろ。
  それやと思ってチョウダイ!」
それを聞いたとたん、すばやくコップの水を一気飲みし、米を流す。
「・・・冗談ですか・・・はははぁ〜そうですよね〜ははは〜」
そう作り笑いをワザとらしく見せながら拳を固める。もちろん、これも見せる。
「そうだ・・・この肉じゃが食べます?ここの料理ってとても美味しいんですよ。
 はい・・・あ〜ん」
じゃが芋を掴み、榛原の前に差し出す。
「どうしたんですか〜早くしないと冷めますよ?」
『アホみたいに食いついてきたところで・・・一発いれてやる・・・』

25 :阿久津 ◆Oa4ipRdfjI :2006/09/08(金) 02:19:01
>>22
>「阿久津さん!!」
崎島の呼び掛けに阿美は足を止めた。次に崎島が発する言葉は大体予想がつく。
今の阿美にとって、一番恐るべき言葉…。決意を鈍らせる、恐るべき言葉……
>「…駄目です…。」
阿美は歯を食い縛って、開きかけた口を閉じる。
答えたら、今この口を開いたら、弱い自分を全てさらけ出してしまうから……
>「…阿久津さんは人間です…。」
その言葉に、阿美はビクリと震える。この悍ましい姿を見て崎島はそれでも人間だと言った。
心は…心だけでも人間でいたいと思う阿美に、崎島の言葉は突き刺さる。

(崎島君…ありがとう。それから、ゴメンね)
振り返り見つめ合い、互いに沈黙したまま数秒の間動かない。
崎島はまだ何か言おうとしている様子だが、どうにも踏み切れないようだった。
そんな崎島を阿美は、感情の無い仮面越しに哀しみの眼差しで見つめていた。

(それ以上は……言わないで!!)
心の底で叫ぶ。
身体が鉛になったかの様に重い。必死に振り返り、再び階段を上り始めた。

そんな阿美の背中に聳える大鎌の片方に、小さな…
ほんの小さな亀裂が走っている事に…

気付いたのは条咲だけだった………


26 :墨田 ◆lcSIPurDMU :2006/09/08(金) 03:05:04
「…………まぁ大体そういうのは地下だよな」
このまま地下に向かえば布津野と会う可能性は非常に高い。
今遭遇すれば二度目にして最後の敗北となる可能性も非常に高い。
だが、虎穴にいらずんばの言葉どおり、何かを得ようと思うならリスクはつきものだ。
「何もなしでただリスクがあるだけ、って言うのが一番ありそうだけどな…」
墨田は呟きながら地下へ向かっていった。


「ちぃ、もう随分集まってきてるらしいな…」
地下への階段を下りた先、頑健な扉の前で墨田が呟く。
数箇所にへこみや亀裂が入っているそれは、しかしかたくなに墨田の侵入を拒んでいた。
叫び声や破砕音はだんだんと大きく聞こえるようになってきた。病院内部での戦闘も激化しているのだろう。

「クソ、やっぱ力技じゃ開かねぇか?」
扉を殴りつけながら墨田がまた呟いた。その視線の先には、壁に据えつけられたカードリーダーが一台。
このまま布津野の思惑通り、結局は『淘汰』に参加する羽目になるのかと苛立たしげにそれを睨み付ける墨田の目が、
ふと自分の手に向いた。軽く握る開くを繰り返してから、おもむろに手の中に針を出す。
それをカードリーダーの読み取り部分に突き刺した。十数秒ほどそのまま待っていると、重々しい音がドアから響いた。
「出来るもんだな。ちょっとビリッとしたけど…」
針を機械の中で動かし、誤作動させることに成功した墨田が、手を振りながらドアを開けた。

白い内装の廊下に足音がうつろに響く。
扉の内側は、廃墟と化している外と違って照明や空調が機能している。
つまりはここを使用する誰かがいるわけだ。墨田の手に汗がにじむ。
革靴の底で床を叩きながら、誰もいない通路を進んだ。

ところで世間には正規の手段で開錠、入室しないと警報が作動するというセキュリティは多い。
また警報といっても赤色灯が点滅したり、非常ベルが鳴り響いたりするわけではなく、
警備会社のオフィスのランプが点灯するだけで、侵入者には全くそれがわからないことも多い。
さて、このシェルターは果たして?

27 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/09/08(金) 12:08:57
:夜 東京郊外 島村研究所

わしの名前は島村剛三。旧姓、白川剛三だ。
そして白川宋の父・・・を名乗っておるが。
父といっても、わしは奴の叔父だ。
あの馬鹿の本当の父親は、10年前に死んだ。

―いや、殺されたというべきか。

それ以来、わしは宋を我が息子のように育てた。
というても、わしには息子などおらんのだから育て方は我流だったが。
今でも、甘ったれた部分の残る馬鹿息子であるが・・・それでもわしの息子だ。
宋には、真実を教えている・・・EXeMの正体。そして全ての生物が
ウイルスに感染したときに起こる最悪の災厄を。

だが、教えていない真実もある。
それは10年前の事故・・・あの時、本当は何が起こったのかを。
そしてそれをあ奴に伝えるのは、酷過ぎる。
「どうすれば・・・いいのか。わしには分からん。」
そんな時、わしの研究所のディスプレイモニターにホログラムが現れる。
この装置があれば、遠隔地であっても実際にそこに相手がいるかのように
会話することが出来る。
???「久しぶりだねぇ、Mrシマムラ」
この声は・・・まさか?
「ゆ、ユートリアム博士!?ご無事でしたかぁ!!」
この人は、わしの師匠とも呼べる方だ。
BEの理論を完成させ、そして実現した世界初のBE博士。
その名は、ユートリアム。
ユートリアム博士は、高齢でありながらも血色の良い顔でこちらに笑いかける。
昔から元気な方だったが、今でもお盛んのようだ。
「Mrシマムラ。今日は、是非ワタシの長年の研究の成果を見ていただきたくてね。
ほら、前にも言っていたでしょう?BLACK EDGEに対となるベルト・・・」
それを聞き、わしは思い出す。
そうだ、ユートリアム博士の長年の研究の1つであったベルト・・・確か名前は。


28 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/09/08(金) 12:14:06
思い出そうとしたとき、博士はホログラムの中で1本のベルトを差し出す。
それは黒いベルト、BLACK EDGEではなく真っ白のベルト。
「ユートリアム先生、これは・・・」
博士はにっこりと笑い、わしにそのベルトを見せる。
純白に輝く、ベルト。それはまるでBEとは対極に位置するかのよう見える。
「名前は、WE。WHITE EDGE・・・だよ。BEと対極に位置する、
アンチEXeMウイルスをコーティングした人類の希望、BEが技のベルトならば
WEは力のベルトだ。」
素晴らしい!!わしは研究者の性からか、そのベルトをまじまじと見つめる。
だが、当の博士は先ほどまではうって変わり、残念そうに俯く。
「だが、残念なことが1つある。このベルトは、装着さえすれば強力なパワーを
発揮するが・・・装着するには人間では無理だ。
いや、EXeMウイルスに感染した生物でさえ不可能だろう。理由は1つ。
このベルトは完璧過ぎるのだ・・・そしてWEは完全な肉体を欲する」
完全な肉体・・・それは一体。
わしには到底、そんなものを持つ生物を知らん。
「その、完全な肉体とは・・・何なのですか?」
わしの問いに、ユートリアム博士は天を仰ぎ微笑む。
そして差し出されたのは1枚の、設計図。
「この世に、EXeMウイルスを以ってしても存在することの出来ないもの。
それが完全なる肉体だよ、Mrシマムラ。
だが、存在しないのならば作ればよいのですよ・・・完全なる器をね。」

それは何を意味するのか。わしには分からなかった。
だが、分かるときはもうそこまで来ていたのだ。






29 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/09/08(金) 12:19:57
:同時刻 新宿中央病院

俺は戦う、何匹も現れる化け物を相手に。
もう何匹殺したかすら分からない、だがそれでもこの手は奴らを引き裂き続ける。
「どこだ・・・どこにいる、布津野!!俺は、戦う・・・戦わなければならん!!」
自分でも分からない、何がそんなに俺を突き動かすのか。
心の奥の何かが奴らを憎む、そして倒さなければならないと叫ぶ。

その時、一人の幼子の鳴き声が聞こえる。
今度はEXeMの反応じゃない・・・まさか本当にいたのか、生存者が。
「うえぇぇぇん・・うぇぇん。おとうさん、ぼく・・・」

ロビーの隅に隠れた幼子。まだ4,5歳だろうか。
顔を煤まみれにしながら、泣いている。
奴らに聞こえないように、ひっそりと・・・
俺は子供の隠れているロビーに向かい、背を屈め驚く幼子に微笑む。
「大丈夫だ、俺は敵じゃない。君の味方だ。
ぼく、名前は?お父さんとは逸れたのかい?母さんは?」

幼子はゆっくりと頷き、俺にしがみつく。
怖かったのだろう、声を押し殺して泣いている。
「ぼく、なまえはつよし。おかあさんは・・・2年前にばけものに
ころされて、しんじゃったんだ・・・。
とうさんとしんじゅくまでとうさんのおしごとを
てつだって・・でも、とうさんがここでまってろっていうから・・」
最近、新宿に残った財宝とやらを探しに来る奴らがいると聞いたがまさか
本当にそんな命知らずな奴がいたとは・・・この幼い子にとっては
父親が世界の全てなのだ、その父親さえ失ってしまったらこの子は・・!!

俺は歯噛みをし幼子に語りかける。
「泣いちゃ、駄目だ。君はつよしっていうんだろ。
だったら、泣いちゃ駄目だ。つよしって名前は強くなれ・・って意味なんだよ?
だから、君も泣いちゃ駄目だ。とうさんはきっと俺が助ける・・・さぁ、行こう。」

俺はつよし君の手を引き奴らに悟られぬよう下の階段を目指す・・・そこに何が待ってるかは知らん。
だが、必ず救ってみせる。


30 :ストレイルキャット ◆hXvyVozAPo :2006/09/08(金) 12:34:16
我輩は相変わらず秋葉原を歩いていた・・・・
気づくと周りには3000ほどのクラスBが我輩を取り囲んでいた
オタクEXeM「モエモエェ×3000」
我輩は覚悟した・・・そう死の覚悟だ
「貴様らに蹂躙されるぐらいなら我輩は死を選ぶ」
我輩は体内にある自爆装置のスイッチを入れる
「自爆シークエンスを開始します、3、2、1」
我輩の声とは違う機械的な女性の声がカウントを告げる
「翔華コンツェルンに栄光あれぇーーーーーーーーーーー!!」
我輩は3000体のオタクEXeMを巻き込み自爆した
もはやこの地がオタクの聖地と言われる事は無いのだろう
その地にはもはやクレーターしか残っていないのだから



ストレイルキャット(本名不明)
享年38歳
自爆によりオタクEXeM×3000を巻き込んで死亡

31 :布津野 珠美 ◆0ol//9//Sw :2006/09/08(金) 22:39:52
【AMATERASU地下施設・食堂】
>19>24
密かに殺意を込めた東屋の肉じゃがが差し出された瞬間・・・。
*ドン*と言う衝撃と共に、テーブルに手斧が突き刺った。
この施設内で無作為に斧を投げつけられる者など、布津野しかいないと榛原はよく知っている。
「あら、随分と中に良い事ねえ?」
榛原には、その言葉の端々にささくれ立つ棘が全身を突き刺すような感覚に襲われたであろう。

布津野は自分が人を泣かすのは快感だが、自分以外が人を泣かすのは不愉快な性格なのだ。

何か言おうとする榛原の頬を掴み、口を開かせるとそのまま唇を重ねる。
「丁度いいわ。紹介する必要もなく仲良くなっているようだから、食事が終わったら実咲の訓練に付き合ってあげ
なさい。
ちゃんと力を引き出すのよ。実咲が能力を使いこなせば私を殺しきる事ができるレベルのはずだから。
今吹き込んだルルドの息で一回くらい致命傷を与えられても回復するから安心なさい。」
唇を離すと、僅かに金色の粉が溢れ出ていた。
有無を言わさぬ口調で言い切り、更に言葉を繋げようとする。
「それから、あなたの拾ってきた・・・」

『AMATERASU所属員全員に告げます。
只今、AMATERASU第一階層に侵入を感知。イザナミ計画最終段階に入ります。
早朝には人類に真の暁が訪れることでしょう!
今までの各員の協力に感謝します。そして現時点を持って研究機関AMATERASUの解散を宣言します。
暁を見届けるも礎となるも各員の判断に任せる。以上。』

東屋と榛原に話しかけていると、館内放送が流された。
第三階層以下での放送なので墨田には聞こえはしない。
その放送の声は確かに布津野のものである。
放送を聴いた施設内の研究員などは、既に承知していたように取り立てて騒ぐ事もなかった。
「あら、もう少しかかると思ったけど・・・。さ、私はもう行くわ。」
テーブルに刺さった斧を引き抜くと、歓喜に満ちた表情で食堂を後にした。


【同時刻・新宿中央病院跡・屋上】
>6>17>22>25
満天の星空の下、屋上中央に布津野は大きな椅子に身を沈めていた。
徐々に近付く足音。
屋上への入り口が開き、そこには条咲、崎島、阿久津の三人が立っていた。
冷たい月明かりが四人を照らす。
「綾子、久しぶりね。二年前もこんな星空だったかしら?
・・・・・・・・・。
慎重なあなたが直接乗り込んでくるのだから、どんな駒をそろえたかと思ったのに、失望したわ。」
ゆっくりと立ち上がり、阿久津を睨む。
「あら、人間ごっこは止めちゃったの?嬲る楽しみが減っちゃったじゃない。
もしかして・・・それで私に勝てるとでも勘違いしたのかしら?114?
恐怖がどんなものか・・・細胞単位で思い出させるくらいしか楽しめないじゃない?」
話す声が徐々に怒りに満ちてきている。
布津野の指がメスのように変形しているのは当然阿久津の目にも写るだろう。

ジリジリと間合いを詰め始めた時、病院全体が僅かに震える。
布津野の背後に、廃墟には似つかわしくない入り口がその姿をあらわした。
墨田がAMATERASU施設内に侵入した事により、他の入り口のカモフラージュを解き解放したのだ。
「ふふふ、ここで淘汰してやろうと思ったけどこれも定めかしらね。
ボクゥ?、期待しているわよ。ついてきなさい。」
崎島を一瞥すると、布津野は身を翻して入り口に姿を消した。
屋上の入り口は布津野の自室への直通エレベーターである。
阿久津の大規模な攻撃により、エレベーターは使用不可能だが、シャフトを飛び降りる道として使うことはでき
る。
ぽっかりと空いたエレベーターの入り口が三人をいざなうように風の音を鳴り響かせていた。

32 :布津野 珠美 ◆0ol//9//Sw :2006/09/08(金) 22:46:55
【同時刻・新宿中央病院跡・地下1階】
>29
地下一階。そこは凄惨な戦いの爪あとにより破壊されていた。
EXeMや遺伝子異常生物の戦いの後だろうか。
血と肉が飛び散り、既に動く者はない。

墨田の潜入により、病院全体に微震動がはしり、各所の入り口が解放された。
だが、この付近に入り口はなく、白川がそれを知る術もないだろう。
「あら、白川君。私を呼んでいるようだから出向いてあげたというのに、瘤付なの?」
布津野の声が壁越しに聞こえてくる。
否、壁越しではない。既に同じ空間から声が聞こえるのだ。
戦いの衝撃で傷つきひび割れてはいるが、布津野は壁をすり抜けるように現れたのだ。
「一階で怒りのまま戦うあなたは美しかったわ。
でももう一段階上がらないと・・・ここで淘汰される事になるわよ?その瘤ごとね!」
にたりと笑った布津野の手には血に濡れた凶悪な斧が握られていた。

狭い廊下に布津野の殺気が充満し、空気が凍りつきつつあった。


【新宿中央病院跡・AMATERASU施設内第一階層】
>26
鍵を開け、AMATERASU施設内部に入った瞬間、小さな震動を感じただろう。
病院全体が揺れる震動なのだが、その震動とは別の震動が併せて起こっている。
施設内を歩く墨田の背後で、大きな破壊音と共に巨大な咆哮が響いた。
背後を振り返ると直径三メートル、長さはおそらく十メートル以上の巨大な生物がいた。
その姿は巨大なヤツメウナギそのものである。
遺伝子工学で造られた化け物。新宿に巣食う生物である。
鋭利な牙が並ぶ口にはEXeMと思われる肉片がぶら下がっている。
だが、その化け物も戦いのせいか、かなり傷つき出血が多い。
本来八つあるほずの目も殆どが潰れて、血が流れているのだ。
「ヴ・・・ヴヴォオオオオオ!!!」
巨大な八目鰻は、大きな咆哮と友に墨田に向って突進していく。
廊下の広さギリギリの大きさなので、まるで巨大な牙がそのまま突進してくるかのようだ。

通路はまっすぐ続き、突き当りには巨大な部屋となっている。
出入り口は一箇所で、まるで闘技場の為に用意された部屋にしか思えないつくりとなっている。

手負いの巨大ヤツメウナギ
:決定リール可、って言うかワンレスキルしちゃってください
特徴:手負いの獣の如く必死
能力:嗅覚や微震動で知覚するので視覚を封じてもちゃんと追っかけてきます。
注意:八目鰻は目が八あるわけじゃないぞって言う突っ込みは禁止

##########################################

数箇所同時に現れた布津野。
どんな計器を使おうと、どんな感覚を研ぎ澄まそうと、それが布津野本人だと証明するだけである。
それが何を意味するかは判らないだろう。
だが、全ての布津野が『淘汰』と言う剣を持って襲い来ることだけは事実なのだ。

33 :イズミ ◆X5JR6KgEJo :2006/09/08(金) 23:40:24
参加してもいいでしょうか?

名前:結月 唯澄(ゆいづき・いずみ)
勢力:不定
武装:EW
性別:男
年齢:22
身長:174cm
体重:62kg
性格:温厚 猟奇的 気まぐれ
容姿:ブロンズがかった長めの髪に切長で涼しげな眼と緑色の瞳
特徴:EXeM Class-Aではあるがその能力故、なり損ないと罵られている。また、白いスーツに身を包んでいる。

EWについて:能力は《複合型》
@身体能力の超強化
A見た目の変化
B手首から先を刃等に変化
C飛行能力の発生
@及びAは常時解放
B及びCはAを使って初めて使用可。
なお、Aは部分的にも出来る。

34 :榛原 ◆fAnDqHclsQ :2006/09/09(土) 00:08:02
「・・・冗談ですか・・・はははぁ〜そうですよね〜ははは〜」
「そうそう、冗談やで、仲間を売るわけないやないか、なぁお嬢ちゃん」
ワザとらしすぎる笑いももう殴ろうとしてる拳もワイは気付いてない振りをする。
まあお嬢ちゃんのパンチや、そない威力のあるわけでもないわ。
お嬢ちゃんには悪いが要するに『余裕』っちゅうやっちゃなぁ。

ワイは一端ポテトを口にするのをやめてナイフの手入れをする。
あれや、ナイフ持っとれば素人じゃそない手出しは出来へんやろ。

「そうだ・・・この肉じゃが食べます?ここの料理ってとても美味しいんですよ。
 はい・・・あ〜ん」

差し出される芋を見つめる、なんか、もうバレバレで何言ったらいいか分からへんわ。
とにかくワイは最初からすでに悪い方向で見られとったしなぁ。
まぁとりあえずや、これ食うたら絶対にパンチがくる、もう握りこぶしで分かってんのや、

―ドンッ!!!

いきなりやった、ポテトが飛び散りテーブルは割れかけとる。
そうや、こないなことするのは一人しかおらへん。

 布 津 野 や 

「あら、随分と中に良い事ねえ?」
全身が貫かれるような感覚、自分の生命を握られとる感覚、
冷汗が体中を駆け巡る。どうしようもない、体が動かへん。
「ワイは……」
せめて言葉を言おうとした瞬間に布津野はワイの頬を掴む、そのイっとる目に体が震える。
そや、この女は危険や、そやけど、ワイにはどうしようも出来ん、
なんもできずガチガチと歯を震わせてるワイに直接ルルドの息を吹き込んできよった、

「丁度いいわ。紹介する必要もなく仲良くなっているようだから、
食事が終わったら実咲の訓練に付き合ってあげ なさい。
ちゃんと力を引き出すのよ。実咲が能力を使いこなせば私を殺しきる事ができるレベルのはずだから。
今吹き込んだルルドの息で一回くらい致命傷を与えられても回復するから安心なさい。」

35 :榛原 ◆fAnDqHclsQ :2006/09/09(土) 00:09:03
「ああ、分かった、要するに殺すつもりでやっていいんやな?」
そう言うたったワイをあざ笑うかのように見る、まるでワイでは役不足と言うように。
ワザワザ保険までかけるちゅうことは布津野はワイはお嬢ちゃんに勝てないと思っとるんやろうな。
そやけど、布津野、ワイのことを甘く見とらんか、ワイはずっと戦闘訓練してきたんや、生き残るために。

「それから、あなたの拾ってきた・・・」

その時館内放送がかかる、いよいよ発動かいな。
布津野は笑いを浮かべて出て行く、もうあそこまできたら狂喜やで。
まあええわ、ワイはワイの与えられたことするだけや、
ワイはまだまだ死ぬわけにはいかん、そやから、今は生き延びることを考えなあかんで。
命令拒否して殺されるワケにはいかへんのや。

ワイはお嬢ちゃんを見る、愛想も笑いも、なんも浮かべずに。
「そういうことや、事情は分かったやろ、お嬢ちゃんにとっても好機やないか、
 ワイをボコボコにできるんやからな、ついてきいや、」

そう言い放ちワイは訓練施設の方へとお嬢ちゃんがついてきてる事を確認しながら足を進める。
歩いている最中、ふと気になってワイはお嬢ちゃんに聞く。
「なぁ、お嬢ちゃんは『この選択』に迷ってへんか?」
唐突な言葉や、意味分からへんなのに気付いて付け足す。
「こないな時代やと、人生は問題の連続や、揃って難解で、
 どれもこれも選択肢は残酷や、そやけど、選ばなあかん、
 ホンマに、神も仏も居らんような時代や」

振り向きお嬢ちゃんを見つめる、そしてワイは諭すとは違うような、
そやけど決して軽くはない言い方で、お嬢ちゃんに言う。
「だからこそ、お嬢ちゃんは迷ってたらあかん、迷ってたら、命とりや、
 死んだら、なにもかもお終いやで、そやから、ワイがお嬢ちゃんを強くしたるわ。」


36 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/09/09(土) 11:46:00
>32
:地下一階 病院跡
子供に見せるには辛すぎる光景が広がっている。
血と、肉の海。俺は幼子を背負い、出来るだけそれを見せないように取り繕う。
「目を、閉じておくんだ。君は、見ちゃいけない。」

この階段付近に、入り口らしきものはない。
だが地下がこれで終わりとも思えない。他にも入り口ある筈だ・・・俺の目線が動くにつれ何かが聞こえてくる。
そう、あの倒すべき女の声。

「あら、白川君。私を呼んでいるようだから出向いてあげたというのに、瘤付なの?」

布津野の声が聞こえたと同時に、奴が姿を現す。
壁をすり抜け、俺の目の前に。俺は震える怒りを抑え、布津野と対峙する。
「貴様だけは・・・許すわけにはいかない。俺は、必ず貴様を倒す!!」
奴の気迫に負けない魂が、俺の心を燃え滾らせる。
それはBEの力ではない、俺自身の魂の力だ。
しかし、それでさえ布津野は涼しい顔で見上げている。どこまで余裕のある女だ・・・!!

「でももう1度上がらないと・・・ここで淘汰される事になるわよ?その瘤ごとね!!」

にたりと笑う布津野に俺は笑い返す。しかし心は真っ赤に燃えたままだ。

「淘汰・・・か。その言葉の上で、一体何人の人間をEXeMにしてきた!!
どれだけのささやかな人生を殺してきた!!俺は貴様の言う進化など認めない!!
それにな・・・」

俺は手を少年の手に置き、微笑む。

37 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/09/09(土) 11:52:27
「この子は、つよし君は・・・瘤なんかじゃない。そうだよな?つよし、君は強い。
・・布津野、力だけが強さではない。お前の信じるものだけが世界の全てじゃない。」

俺は布津野を見据え、怒りとも悲しみともつかない目で彼女を見る。

「ぼく、こわくなんてない!!ぜったいに・・・なかない!!」
幼い、非力な子供が必死で泣き出しそうな心を抑えて叫ぶ。
人間は愚かで弱い、だが俺はそんな人間が大好きだ。
人が人として生きれない世界など、俺は認めない。

EXeMが地球という星にもたらす真実を、知っているからこそ。
俺は進化という名の「暴走」を阻止するために、戦っている。
来てはならない、「絶望の未来」を変える為に・・・!!

俺は少年にカプセルを渡す。TSUKUYOMIで携帯が許されている対EXeM防御テントだ。ここにいれば奴らに襲われる心配はない。
「いいかい、つよし君。これを使って隠れているんだ・・・とうさんは必ず俺が助け出す。
だから、一人でも・・・平気だね?」
幼い瞳には、強い心が宿っていた。無言で頷くつよし君を隠し、奴と向かい合う。

「確かに、お前には取るに足らない命かもしれない・・・それでも懸命に生きている命がある。俺は、誰からも化け物殺しだと罵られても良い・・・それだけでもいい。
俺は 戦 う 。 人間の為に・・・人間が生きられる世界の為に。
俺は、人類の味方!!そしてEXeMの敵!! ・・・変、身!!BLACK・EDGEッッ!! 」


―「STAND BY」 ・・・「CHANGE BLACK EDGE!!」 ―


「布津野・・・最強を超える強さは何か。俺が見せてやろう・・・トォウ!!」

38 :イズミ ◆X5JR6KgEJo :2006/09/09(土) 13:16:39
【病院跡入り口前】

「嫌な感じだ……」
そう、嫌な感じ。こう形容するしかない感覚に襲われ、僕は今ここにいる。
暇だったから散歩をしていた。ぶらぶらと歩いていたら恐怖とも、威圧感とも違う、『嫌な感じ』に襲われた。
どうやら、此処から嫌な感じが出てきているらしい。「動かないことには始まりませんか……」
意を決して、嫌な感じの元凶を探ることにした。

39 :条咲綾子 ◆2TlaRARhhA :2006/09/09(土) 19:16:11
阿久津がついに堕ちた。
条咲はその姿を、
ただ黙って見てた。

そして敵は全ていなくなり、
阿久津が階段を上り始める。
条咲はその後をついて行く。
今回の戦いに何故この二人が参加してるの理由。
それが浮き彫りとなっていく。
崎島が叫ぶ。

>「阿久津さん!」

阿久津が振り返る。
条咲も。
心の中では密かに知っていた。
崎島は阿久津に言葉を発してはいけないと。
それだけで、阿久津阿美という一人の人間を、
苦しめると。
しかし何も条咲は言わない。

>「…駄目です…。」

絞り込むように言葉を投げかける崎島。

>「…阿久津さんは人間です…。」

そして崎島は阿久津に人間であるという事を突きつける。
阿久津の表情が少し変わったのに気付く。
そして阿久津は崎島に背を向け歩き始める。
そして条咲も、
崎島が後に続く。
ふと条咲は阿久津の大鎌に、
ひびが入ってるのを知る。
それでも条咲は黙っていた。
知らない振りをした。
突きつけられた自分の罪を見て見ぬふりした。

40 :条咲綾子 ◆2TlaRARhhA :2006/09/09(土) 19:16:42


それからはドンドン進んでいく。
阿久津のパワーアップ、
崎島の羽の力、
条咲の体術と銃での援護。
やけに変な空気が漂ってた。
病院内でも、
三人の間にも。
そして屋上への扉が開かれる。

―ガチャン!

そこに居たのは綺麗な銀の星空。
そこに椅子に座る一人の女。
布津野だった。

>「綾子、久しぶりね。二年前もこんな星空だったかしら?」

「久しぶりね・・・
ビックリしたわ・・・貴方の変貌ぶりに」

銃に弾をいれる条咲。
拳銃を鳴らすと布津野に向けた。
布津野は条咲を睨み付ける。

>「慎重なあなたが直接乗り込んでくるのだから、
>どんな駒をそろえたかと思ったのに、失望したわ。」

条咲は黙り込んだまま。
ただじっと布津野を睨み付ける。
布津野の視線が阿久津に移る。

>「あら、人間ごっこは止めちゃったの?嬲る楽しみが減っちゃったじゃない。
>もしかして・・・それで私に勝てるとでも勘違いしたのかしら?114?
>恐怖がどんなものか・・・細胞単位で思い出させるくらいしか楽しめないじゃない?」

そう言うとジリジリと間合いを詰め始める。
条咲は引き金に手を掛けた。
メスと化した布津野の手。
そして、後一歩踏み出せば攻撃態勢に入ろうという位置に入ったとき、
ビルが静かに揺れた。
阿久津の仕業でも無い。
ましてや崎島でも。
そして条咲は見る。
布津野の後ろに大きく入り口が出てきたことを。
布津野はそれを見てニヤリと笑うと言った。

>「ふふふ、ここで淘汰してやろうと思ったけどこれも定めかしらね。
>ボクゥ?、期待しているわよ。ついてきなさい。」

そう言うとその入り口を入っていく布津野。
条咲はその様子を見ると銃を下げた。

「・・・行きましょう。」

そう言うと先を歩く。
そして入り口の前に立つと飛び降りた。
どうやらエレベーターが作動してなく飛び降りるしか無いらしい。

41 :イズミ ◆X5JR6KgEJo :2006/09/09(土) 19:42:18
【病院跡1F】
「下………か?」
案内表示を見、B1Fのところに眼を走らせる。
一応、地下に何かあるらしい。

【1Fエレベーター前】
「……故障してる?」
何度下のボタンを押しても反応がない。
「仕方ありませんね」
手を刃に変換し、扉を真っ二つに切り裂く。手応えは……紙程かな?
「さて、嫌な感じ退治と洒落こみますか」
そこから躊躇なく飛び降りた。
先には、何があるんだろう?

42 :東屋 実咲 ◆AHL7KHofQw :2006/09/09(土) 21:36:51
>*ドン*と言う衝撃と共に、テーブルに手斧が突き刺った。
突如目の前を通り過ぎた手斧に驚きを露にする東屋。
きょろきょろとすぐさま周りを見回すとそこには布津野が不満そうに立っているのが見える。
>「あら、随分と中に良い事ねえ?」
その言葉は榛原に掛けられたはずなのに、東屋は自分が言われたように感じる。

バッシュは・・・もうちょっと安いものにすればよかったな・・・トホホ

布津野のご機嫌斜めの理由を施設内での買い物と勘違いし、後悔する。
「あの・・・鞄とか学校に置いてきたからお金なくてつい・・・」
とっさに言い訳を並べ、どうにかやり過ごそうとするが・・・
>何か言おうとする榛原の頬を掴み、口を開かせるとそのまま唇を重ねる。
「へ・・・」
目の前で起きた光景に言葉をなくす。
それを尻目に布津野は行動する。
>「丁度いいわ。紹介する必要もなく仲良くなっているようだから、食事が終わったら実咲の訓練に付き合ってあげなさい。〜
「はい?」
訓練?抹殺可能?致命傷?・・・まぁ・・・お咎め無しだからいいか・・・
って・・・おぃぃぃぃぃ!!!
この人、今、自分を殺せる奴を育てようとしてる!?どゆこと?
あぁ〜よくわかんねぇ〜

一気に物事が進みすぎ思考が追いつかずに困惑する東屋・・・そうこうしているうちに放送が入った。
しかし、東屋の耳には入らなかった。ただ・・・何かが静かに終わった雰囲気が食堂を包む。
>「あら、もう少しかかると思ったけど・・・。さ、私はもう行くわ。」
 テーブルに刺さった斧を引き抜くと、歓喜に満ちた表情で食堂を後にした。
「質問!訓練時はBEつけてもいいんですか?」
去ろうとする布津野にどうでもいい質問をぶつける。
何故?・・・理由はあるのだろうか?
いや・・・あった・・・去ろうとする布津野の背中が霞んだからだ・・・
そう・・・引き止めたかったからだ。
しかし、布津野は行く・・・己が理想のために・・・
「沈黙が答え・・・なのかな?・・・仕方ないや・・・すっぴんでやろ」
と肉じゃがを口に入れ、食事を再開しようとしたとき・・・榛原と目が合った。
>「そういうことや、事情は分かったやろ、お嬢ちゃんにとっても好機やないか、
 ワイをボコボコにできるんやからな、ついてきいや、」
「え・・・あのご飯は?あ・・・もう!」
自分が飯を食い終わるのを待たずして立ち去る榛原の傲慢さに怒りを増させながら追う形で食堂を後にする。

43 :東屋 実咲 ◆AHL7KHofQw :2006/09/09(土) 21:55:54
訓練施設に行く途中、榛原が話しかけてきた。
「なぁ、お嬢ちゃんは『この選択』に迷ってへんか?」
「・・・はぁ?」
よくわからなかった・・・が、その質問の重さには気づいていた。
「こないな時代やと、人生は問題の連続や、揃って難解で、
 どれもこれも選択肢は残酷や、そやけど、選ばなあかん、
 ホンマに、神も仏も居らんような時代や」
「はい・・・」
「だからこそ、お嬢ちゃんは迷ってたらあかん、迷ってたら、命とりや、
 死んだら、なにもかもお終いやで、そやから、ワイがお嬢ちゃんを強くしたるわ。」
「・・・迷うからこそ・・・人なんです。
 選択で一番重要なことは・・・後悔しないこと・・・だと、思うんですよ・・・」
そう反論し、足を進める。
侵入者が存在するのはわかっている・・・それに、進入口も作られている。
いくらAMATERASUの職員が皆Aだからとはいえ、侵入者がTSUKUYOMIのBEだったら・・・
そして、それが斥候役の人間なら・・・ここは戦場になるだろう。
最悪の結果を考えると彼らには時間がない・・・だからこそ、急がなくてはいけない。
暁のために

44 :東屋 実咲 ◆AHL7KHofQw :2006/09/09(土) 22:32:13
「プシュウ!」
訓練施設の扉が開き入室する二人。
訓練施設と聞いて、東屋は無機質なトレーニングルームをイメージしていたが見事にそれは破壊された。
そう、そこは訓練施設・・・というより

   道    場  

ご丁寧に壁には「進化」「暁」とAMATERASUのコンセプトが書かれた掛軸が堂々と掲げられている。
もちろん、これは布津野が書いたものだ!

「うっわー!すっごーい・・・ははははぁ」
バッシュを脱ぎ、道場を走り回る・・・が・・・
「はははは・・・ガッ!!!」
ジャージの裾を思いっきり踏みつけ滑り転ぶ。
「はわわわわぁ〜・・・世界が揺れてる〜」
なんとか立ち上がり、ふらふらした足どりでバッシュを取りにいく。
その間の榛原の行動にはまったく気がついていなかった。
「・・・よし、これでOK!」
バッシュの紐をしっかりと結び、振り向く・・・とそこに榛原は居なかった。
「え・・・」
そこに榛原が居なかったので驚いたわけではない。
今、目の前にナイフが飛んできている事に驚いているのだ。
「うわぁ!」
咄嗟に体を逸らしてナイフを回避しようとするも太ももに深く刺さる。

45 :阿久津 ◆Oa4ipRdfjI :2006/09/10(日) 01:36:16
>>31
宝石を散りばめた様な星空の下、屋上中央に布津野は大きな椅子に身を沈めていた。
屋上への入り口を開き、条咲、崎島、阿美の三人が屋上に突入する。
物言わぬ冷たい月明かりが四人を照らし出す。
>「慎重なあなたが直接乗り込んでくるのだから、どんな駒をそろえたかと思ったのに、失望したわ」
そう言い放つとゆっくりと立ち上がり、阿美を睨む。しかしそれは憐れみの混じる眼差し。
>「あら、人間ごっこは止めちゃったの?嬲る楽しみが減っちゃったじゃない。
(中略)
恐怖がどんなものか…細胞単位で思い出させるくらいしか楽しめないじゃない?」

声が徐々に怒りに満ちてきている。布津野の指がメスのように変形した。
「思い出させる?ならそれは残念ですね、私はあの日から一秒だって忘れた時はありませんから!!」
唸るような怨嗟の言葉を吐き出し、阿美はジリジリと間合いを詰める布津野を睨み返す。
その直後、突然病院全体が僅かに震えた。
そして布津野の背後に、廃墟には似つかわしくない入り口がその姿をあらわした。
>「ふふふ、ここで淘汰してやろうと思ったけどこれも定めかしらね」
実に楽しそうに残虐な微笑み。まるで、全ては自分の手の中と言わんばかりの余裕。
>「ボクゥ?、期待しているわよ。ついてきなさい」
崎島を一瞥すると、布津野は身を翻して入り口に姿を消した。
「逃がさない!」
阿美も駆け出し、布津野を追う。
何故かエレベーターは使用不可能だが、シャフトを飛び降りる道として使うことはできるようだ。
>>40
>「…行きましょう」
条咲が入口に飛び込んだ。阿美もそれに続く。
怒りが恐怖を理性ごと喰らい尽くし、阿美の中に残された時間は…あと僅か……

46 :阿久津 ◆Oa4ipRdfjI :2006/09/10(日) 01:37:18
進化…それは生命体である限り避けて通る事はできない運命…退化と淘汰もまた然別。
ただ生きる為だけの戦い。
それが生存競争であり、それが正しい命の在り方。

だが阿美には進化の道は無い。進化の袋小路に陥った生命。
それ故に、阿美は棄てられた。だから逃げ出したのだ。自分から、布津野から……

しかし阿美は気付いていない。進化の袋小路には2つの種類があるという事実を。
ひとつは生存競争に敗れ、種そのものの絶滅…そしてもうひとつは……

進化の頂点

これこそが布津野の目指す場所であり、阿美に強要した場所だった。
結果として阿美は辿り着けなかったが、布津野は諦めてはいない。
寧ろその願望は今や執念にまで変わり果て、まだ尚止まる様子を見せない。

そして今、布津野を止めなければ恐ろしい事になる。生命の根幹を揺るがす危機となる。
だから阿美は戦う。もう残された時間は少ないからだ。
人の手で造り出された『完全なる生命』の模造品は、所詮完全にはなれる筈がないのだ。
1年前に研究所から脱走して以来、1度も『調整』を受けていない阿美の身体は既に崩壊を始めている。
度重なる戦闘と、適合しないBEを無理矢理に装着していた事が、それを早めたのだ。


その意志は決して折れず、欠けず、錆びる事無き刄…この世で最も強い武器なのだ。
例えこの身体が砕け散ったとしても、阿美は逃げる事などできない!!

47 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/09/10(日) 11:23:03
僕と阿久津さんと条咲さんは次々と敵を倒していく。

『グォォオォォォオォオオ!!』

鳴り響く獣の悲鳴。
正確に言えば殆ど…阿久津さんが倒していた。
阿久津さんの攻撃力の強さに僕は恐怖まで覚える。そして悲哀も感じてしまう…。
なんだか知らないけど…恐くてならない……信じている。僕は阿久津さんを信じているはずです。
あの時握った手の温かさも、子供達に囲まれていた時の姿も…。
信じている、だからこそ…。不安で不安で仕方がない。

阿久津さんのあの後ろ姿が…まるで堕天使のように見えたから。

>[ガチャン!]

そして屋上の扉が開きました。そう、此処は七階。
開いたら目の前に銀色の星がまばらに光ってます。新宿には珍しく今日は星や満月が綺麗に見えてる。
…あ、そうか…。新宿は…東京は最早…EXeM生物が殆どなんだ。
病院に殆どの感染生物が集まった今…だからこんなに…。

僕は少し空を見た後、空をこんな風にした張本人を見ます。
そう、それは布津野 珠美…。皮肉な事に僕たちが倒すべき敵だなんて…。

>「綾子、久しぶりね。二年前もこんな星空だったかしら? 」

>「久しぶりね・・・ ビックリしたわ・・・貴方の変貌ぶりに」

条咲さんが返します。それに布津野はにらみ返します。
[ゾクッ…!!]
僕は右腕を左手で掴みます。
>「・・・慎重なあなたが直接乗り込んでくるのだから、 どんな駒をそろえたかと思ったのに、失望したわ。」
そう言うと今度は阿久津さんを見ました。冷たくて凍えそうな目で。
>「あら、人間ごっこは止めちゃったの?嬲る楽しみが減っちゃったじゃない。
>もしかして・・・それで私に勝てるとでも勘違いしたのかしら?114?
>恐怖がどんなものか・・・細胞単位で思い出させるくらいしか楽しめないじゃない?」
そう言うと布津野の手がメス状に変化しました。
そしてジリジリとゆっくりと阿久津さんへと歩いてきます。

48 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/09/10(日) 11:24:12
僕はやばいと感じ阿久津さんの前に立ちました。そして布津野を軽く睨むと右腕を前に上げ、軽く拳を握ります。
[キィィン……]
指の隙間から十字手裏剣が構成されます。これでいつでも攻撃ができる…。
条咲さんも銃を向けます。一触即発、まさにその言葉通りの状況の中…。

突然ビルが小刻みに揺れ始めました。

「…!?」
僕は周りを見ます。

[ドカァ…ン……]

すると突如布津野の背後に大きな入り口が現れます。布津野の視線が阿久津さんを外れました。横目でその入り口を見ます。
>「ふふふ、ここで淘汰してやろうと思ったけどこれも定めかしらね。
>ボクゥ?、期待しているわよ。ついてきなさい。」
そう僕に言うと布津野は入り口に近づき飛び降りました。
>「逃がさない!」
阿久津さんが僕の横をすり抜けおいます。条咲さんが銃をおろすと僕と顔を見合わせ一階頷くとその後を追います。
どうやらエレベーターは作動してないらしく、シャフトを飛び降りないとならないらしいです。
>「・・・行きましょう。」
条咲さんはそう言うと暗闇に堕ちます。僕は条咲さんと阿久津さんが飛び降りた後、穴と化した入り口を飛び降りました。

[ガランッ…!!]

エレベーターの瓦礫の上に着地した途端音が響き渡ります。
そして…僕は目の前に広がる世界に目を見開きました。
そこにあったのは広い部屋。
僕は二三歩その部屋に入りました。横には大量のカプセルがあります。
「……これは…一体…」
僕はカプセルの一個に近づきました…そしてその中身の正体を知ってしまいます。
「!?」
僕は思わず右手で口元を抑えました。そして二三歩下がります。

「……人間……じゃない……」

思わずこれを見た途端そう呟いてしまいました。
何故ならその中身の正体はホルマリン漬けにされた様々な生物の無惨な姿だったから…。

49 :名無しになりきれ:2006/09/10(日) 18:41:58
シャドウバンザ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜イ!!

武士ィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!

50 :布津野 珠美 ◆0ol//9//Sw :2006/09/10(日) 22:44:33
>36
周囲の空気を凍りつかせるような布津野の殺気と、正義と怒りに燃える白川の闘志が火花を散らす。
連れていた子供を励まし、対EXeM防御テントに入れるその姿を見て、布津野の頬を緩んだ。
「安心しなさい。この階で生きている生物は私達だけよ。
尤も、EXeMや遺伝子操作生物がいないからといって安全とも言わないけれどねえ。
怠惰にただ生きるだけの命なんて、種を蝕む病原菌と同じなのよ。むしろ有効利用したと感謝されたいくらいだわ。」
残酷な笑みを浮かべながら告げる言葉は、この階の生物を鏖にした、と語っている。
そして、白川と子供を含め、誰一人として生き残らせるつもりはない、と。

>「布津野・・・最強を超える強さは何か。俺が見せてやろう・・・トォウ!!」
怒りに燃える白川が変身をする。
その言葉に宿る強い信念と覚悟は、布津野の凍りつくような殺気を弾き飛ばす強さがあった。
だが、それで怯む布津野ではない。
むしろ大きく喜び、ガリガリと両手の斧を引き摺り床に溝をつけながら間合いを詰めていく。
「うふふふっ!そう、それで良いのよ白川君!
最強の一つや二つ越えて来てもらえないと、進化の礎になる資格なんてないのだから!
さあ!見せて頂戴!あなたの力をっ!!!」


>40>46>48
エレベーターシャフトを通り、布津野の自室へ辿り着いた三人。
布津野の自室はかなり広く、壁には特殊カプセルが並んでいた。
その中には原形をとどめたもの、解剖されたもの、何の形かわからないもの、様々な実験体がホルマリンにつけられている。
布津野の実験の標本である。
刻印されたナンバーは001から150。実に149体の標本に囲まれた部屋である。
中には阿久津の知った顔も多いだろう。

>「……人間……じゃない……」
「口を慎みなさい。」
戦慄の声を上げる崎島に、布津野の冷たい言葉が突き刺さる。
「・・・あなた、TUKUYOMIのファイルを見させてもらったわ。
EXeMを救いたいですってね。人類と言う種の傲慢さそのものね!
この実験体たちは神への反逆者なのよ。
人間の身体に埋め込まれた自殺因子、老化因子、短命遺伝子、あらゆる死へと設定された運命に抗い、潰えた命たちよ。
死への運命に対抗する生への方向性、進化を模索する為のね!
進歩を享受し、進化を捨てた人類を!怠惰な生を貪り、種としての寿命を途絶えさせた人類を!救う唯一の手段なのよ。」
崎島を一喝すると、髪の毛を一本引き抜き斧状に変化させた。

斧を阿久津に突きつけ、
「忘れた事ない・・・といったわね。だったら楽しみもないことだし、さっさと殺してあげるわ!
114の席はちゃんととってあるのだから!!」
突きつけた斧を振るい、指し示した先には唯一標本の入っていないカプセルがあった。その刻印は114となっている。
「さあ、綾子!淘汰と言う名の死は目の前よ!足掻いて見せなさい!」
手斧を振るい上げ、大股で阿久津との間合いを詰めだした。

51 :東屋 実咲 ◆AHL7KHofQw :2006/09/10(日) 23:03:09
あれから何時間たったのだろうか?
訓練施設の扉は今だ微動だにせず、中で起きていることを何事も起こっていないように隠している。
「ギシ・・・ギシギシ・・・・ギギギ・・・」
しかし、それにも限界が訪れているようだった・・・頑丈なドアが決壊寸前のダムのように軋んでいる。
だが、ドアは何も伝えない・・・何が起こってもその事柄を隠す。
「ボシュウゥゥゥゥゥゥ!!!」
遂にドアの限界が訪れ、爆発したかのように吹き飛ばされたドア
核攻撃に耐えられる施設内に存在するドア・・・もちろん、耐久度も通常のそれよりも倍以上あるはずのドアが決壊したのだ。
ドアが吹き飛び、少し間を置いて・・・暴風が道場内から吹き出る。
轟音と共に道場から出て行く豪風・・・その中に東屋は佇んでいた。
「・・・これが・・・私の力・・・生きる為の力
 ・・・梵『ブラフマン』・・・」
ブラフマンそう彼女が呟くと豪風は徐々に東屋の手中に収まる。
絶対不変の原理の名を持つ能力・・・その能力とは空気を操る力・・・
この地球上にいるすべての生物は皆、空気という名の鎖で繋がれなければいけない存在
そのすべての鎖を統べた鎖を掴んだのだ・・・彼女は・・・
「・・・」
豪風を握りこんだ拳を眺める・・・その目は・・・どの感情にも属さないものだった。
だが、その目もそう長くは続かず、いつもの目に戻り何かを思い出したかのように独り言をする。
「あ・・・そうだ♪
 はぁ〜いは〜らさ〜ん!」
軽やかにスキップをしながら訓練室へ戻る東屋・・・目的?
そんなのは単純なものだ。

 榛 原 を ぶ ん 殴 る

たったそれだけの理由だ。何せ、能力が開花するまでの間、東屋は一方的にボコボコにされたいたのだから
いや、確かに反撃をしたときもあったが・・・それは、東屋であって東屋で無い存在・・・
つまり・・・EXeMの黒がやったことだから・・・

「あぁ〜すっきりした〜じゃあ・・・道場の片付けをお願いしますねぇ〜」
事を終わらせすっきりとした表情で訓練室を後にする東屋。
ボロボロになったジャージの見て着替えの必要があると感じ、また、売店にいこうかと考えていたそのとき・・・
>[ガランッ…!!]
金属的なものが崩れ落ちる音が聞こえた・・・道場からじゃない。
「侵入者だ・・・
 こんなところにまで来たの!?」

52 :墨田 ◆lcSIPurDMU :2006/09/10(日) 23:11:24
>32
「どーもやな感じだな。病院か研究所みたいな…ってそもそも上が病院だったか」
呟きながら歩く足音に、連続した音が重なる。施設が振動しているようだ。
足を取られるほど大きなものではないが、『嫌な感じ』をより強めさせるには十分だった。
そこに、また別の振動が加わる。

「近付いてくるな」
足を止めずに呟いた墨田の背後で何かが破壊される音が響いた。
恐らくは先ほど開けたドアだろう。その音に振り向くと、そこにいたのは巨大なヤツメウナギだった。
「…だからなんでこんなのが陸にいるんだよ」
ここに来るときに見たフグだかアザラシだかのエグゼムと言い、明らかに進化の方向を間違っている。
しかしその円い口は血に染まり、陸上にあっても捕食者としての能力が高いことをうかがわせた。
もっとも、その血のいくらかは自身の体から流れているもののようだが。

ウナギは墨田を認めると咆哮を上げた。
「やる気になってるとこ悪ぃが、ウナギの捌き方なんか知らねぇんだよ」
墨田はそのまま真っ直ぐ走り出す。通路の両側にはいくつか扉があるが、
恐らく開きはしないだろうと言う予感があった。そのまま通路の端、開いた戸口へ飛び込む。

「やっぱりな。誘われた、か」
内部の様子を見た墨田がさも忌々しげに歯の隙間から言葉を押し出す。
広く円形の部屋、ドーム状の天井、出入り口は一つ。想起された言葉は『闘技場』だった。
その闘技場に墨田に続いてヤツメウナギが無理やり入り込んでくる。
「しつけぇな、おとなしく居酒屋のテーブルにでも並んでろ!」

真っ直ぐ突っ込んできたウナギの牙を跳躍してかわした墨田はそのまま空中で大きく手を振りかざした。
手の中に出現した長巻の刃がウナギの背に沈み、頭の後ろから尾まで一気に切り裂いた。
「なんだ、意外と捌くの簡単だな」
長巻を振って血を払いながら、開きにされたウナギを眺めて墨田が呟いた。
その視線を天井に向け、叫ぶ。
「余興はこんなもんで十分だろ、出てこいよ女王サマ!それとも手下か!?」

53 :東屋 実咲 ◆AHL7KHofQw :2006/09/10(日) 23:49:56
満身創痍ってゆうのはいつも絶望に落ちそうなときにくる感じるものだ。
両手両足にはナイフが突き刺さり、動くことですらままならない。
一度動けば、激痛と共にナイフが深く沈む。
榛原が本気なのかどうかわからないが・・・とにかくこの勝負は東屋の完敗だ。
どっちみち、こんな状況では何も出来ない。
これが殺し合いなら止めはいくらでもさせられただろう。
試合ならもうレフェリーストップ等がかけられて負けの判定がくるだろう。
しかし、この戦いは白黒をつけるための戦いではない。
あくまでもこれは教育なのだ。それを理解している。
だから、榛原は何もしない・・・布津野の目には狂いはない・・・しかし、それは料理で例えるならば
よい食材を見つけられることと同じ・・・調理に失敗すれば・・・その目の仕事は無駄だったとゆうことになる。
今、東屋は二度目の審査を受けているのだ。能力に目覚めずにここで朽ちるか・・・それとも・・・

「おい・・・」
立ち尽くす東屋に声が聞こえた・・・男の声ではない・・・
それは最近聞いた・・・闇の使者からの声だった。
「く・・・ろ・・・」
「随分と苦しんでいるな・・・
 まぁここで罵りたいのは山々なんだがな・・・
 これは我が作り出した状況だがな・・・」
「どうして・・・」
「別の件に関して貴様はまだ選んでいないからだ・・・
 生憎この前の会合のときみたいに一瞬の間の話じゃないからな
 手短に行こう・・・
 力が欲しいか?それだけの単純な理由だ・・・」
「ちか・・・ら・・・?」
「そうだ・・・あの時の我は確かに貴様に服従を誓った・・・
 しかし、それは貴様が生かすために動くだけの約束
 力をくれてやるなんて一言も言ってなかったからな・・・」
「・・・」
「大抵の人間は何も言わずに力を与えると理不尽だと怒るのでな
 我はこうして必要な状況に選択をさせることにしているのだ・・・
 選べ・・・早くしろ時間がないぞ」


54 :東屋 実咲 ◆AHL7KHofQw :2006/09/10(日) 23:53:26
「・・・」
「貴様ァ!裏切るのか!?我らを」
「・・・裏切らないよ・・・
 でも・・・それは何かを守るための力?破壊するための力?
 そこなんだよ・・・そこがはっきりしないから・・・迷ってる・・・」
「・・・愚図め・・・お前はもう力を服従させているのがわからんのか?
 白にも黒にも染まる・・・力だ・・・」
「そうか・・・なら・・・

  欲 し い 」

「随分あっさりしてるな・・・
 だが・・・」
「だが・・・ってなにさ・・・」
「少しばかり貴様には眠ってもらう・・・
 安心しろ・・・特別サービスに怪我も直してやる」
「え・・・」

力なく東屋は倒れたが・・・すぐさま、起き上がる
両手両足のナイフはより一層深く沈むのに、まったく声も上げていない。
「・・・五分か・・・過不足なく丁度いい時間か・・・」
前にかぶさった髪の毛を払ったときに見えた東屋の目は・・・赤黒く染まっていた。
「・・・そこにいる三下!手加減は一切しないつもりだ・・・死んだつもりで五分間生きてみろ!
 ・・・ブラフ!!!」
そう叫ぶだと同時に東屋を中心に道場中の空気が回転し始める。
回転は次第に速くなり、十秒もしないうちに嵐に変化する。
「さぁ・・・始めよう」
風が嵐に変化する間に両手足に刺さっていたナイフを取り除き、瞬時に修復させる

55 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/09/11(月) 01:11:11
>「……人間……じゃない……」

>「口を慎みなさい。」
肩をビクッと鳴らし僕は布津野の顔を見ました。

>「・・・あなた、TUKUYOMIのファイルを見させてもらったわ。
〜省略〜
>進歩を享受し、進化を捨てた人類を!怠惰な生を貪り、種としての寿命を途絶えさせた人類を!救う唯一の手段なのよ。」

一喝する布津野。僕は布津野を黙って見ました。
人類を救う唯一の手段……布津野が発した言葉に何故か引っかかりを感じます。
布津野という一人の此処にいる女性が行った言葉に…。
しかしそんな考えをする暇もなく布津野は髪の毛を一本抜くとそれを斧状にして阿久津さんに向けました。
>「忘れた事ない・・・といったわね。だったら楽しみもないことだし、さっさと殺してあげるわ!
>114の席はちゃんととってあるのだから!!」
そう言うと布津野は一つのカプセルを斧で指しました、そこには114と書かれています。
…114…即ち阿久津さん……僕は阿久津さんを見ました。この姿は…もしかして……。
僕はさっき見た生物たちの顔を思い浮かべました。
そして…布津野は条咲さんに言います。
>「さあ、綾子!淘汰と言う名の死は目の前よ!足掻いて見せなさい!」
そして手斧を振るい上げると大股で阿久津さんとの間合いを詰めます。
段々布津野が近づいていきます。
僕は阿久津さんの顔と布津野の表情を見ました。
そして…何故か僕の過去がフラッシュバックします。

そう、あの日々の事が…。

辛くて辛くて復讐や不安、自殺…様々な暗闇がどうしても離れなくなってしまったあの日々を…。

兄貴も死んで親も死んで誰も信じられなくなって苦しんで傷ついて…自分の無力を呪う事しか出来なかったあの日を。

何故か心臓が高鳴ります。
…また何も出来ずに終わるのか…?
あの日の川の水の冷たさを思い出します。
また…何も出来ずに…
水面下から見た銀色の満月…。

違う…!そんな事無い!!

布津野の攻撃が届くか届かないかの位置に来たとき、僕は阿久津さんの前に出ました。
「させない!!」
そして僕は制服のポケットから携帯電話を取り出し携帯電話の接続部分とベルトの横に付いた接続部分を接続しました。
「ヴァージョンアップ!変身!」
〈-Red Wing ver.3DownloadCompletion-VersionNISHIKI,Installation100%...Transformation...3,2,1〉
[ヴン…!スバババババババババババババババババババババババババババッバア!!!]
強い風が周りに吹き荒れ、僕の周りに集まっていきます。布津野が持った刃の一部が欠けます。

56 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/09/11(月) 01:13:58
[パキンッ…!]
黒い破片が下に落ちます。
そんな中…僕は何処かで出会ったことの有るような風に会ってました。

そう、これは会ったことがある風…思い出したくないけど…この風があったから僕は…。

風の動きが次第に弱まっていきます。そして…そこに僕は片膝をついて居ました…。
右足右腰、そして左腕全体を覆う銀の装甲…周りに回転する巨大な風車手裏剣が七枚…
そして…背中の中心に置かれた直径3mmの球体を囲むようにして映えた赤銀の羽…。
これが……僕の新しい翼……!

―――Distorted red Insect Wing...!!

僕はゆっくりと立ち上がりました。
赤銀の光沢を持った昆虫の羽を広げ…

「…あの時とは違う…。」

僕はそう言うとキッと布津野を睨み付けました。
「確かに傲慢なのかもしれません…僕の願いは…。
僕は様々なEXeMと戦ってきました……その中で心で救えたEXeMなんて一匹たりともいなかった…」
僕は拳を握りしめました。僕の周りにいた全てのEXeMは血と肉に飢えるだけの生物しかいなかった…でも!!
「でも!人は元々から力を持っている……どんなに堕ちても…立ち上がれる力を……。
こんな実験しなくても……ちゃんと人間は立ち上がれる!自分の足で……!」
僕は手を前に向けました。風車手裏剣の一枚が掌の前に瞬間移動します。そして、僕は少し目を半閉じすると目をカッと見開きました。
「証明しますよ…!全身全霊を込めて…!布津野!!」
〈Cylinder of wind that goes straight-揺るがない風の荒槍-!!〉
[ズザァ――――――――――――ン!!!]
巨大な音と共に僕の目の前の風車手裏剣から筒状の暴風が出て布津野に直進します!

57 :阿久津 ◆Oa4ipRdfjI :2006/09/11(月) 08:40:03
>>48>>50
辿り着いた場所は阿美にとって悪夢の詰まった牢獄だった。布津野の研究施設……。
阿美が命以外の全てを失った場所。
逃げ切れないと分かっていても、逃げる事しか選べなかった場所。

>「……人間……じゃない……」
>「口を慎みなさい」
戦慄の声を上げる崎島へ、即座に布津野の冷たい言葉が鋭い刃物の如く突き刺さる。
>「…あなた、TSUKUYOMIのファイルを見させてもらったわ。 EXeMを救いたいですってね。
(中略)
種としての寿命を途絶えさせた人類を!救う唯一の手段なのよ。」
崎島を一喝し、髪を一本引き抜き斧に変えた。その斧を阿美に突きつけ
>「忘れた事ない…と言ったわね。だったら楽しみもないことだし、さっさと殺してあげるわ!」
布津野が指し示した先には唯一標本の入っていないカプセルがあった。
>「114の席はちゃんととってあるのだから!!」
そのカプセルのプレートに刻まれているのは『被験体番号-114』の文字。
かつて阿美が居た場所…同じ被験体達が死んでいくのを見続ける事しか出来なかった場所!!
>「さあ、綾子!淘汰と言う名の死は目の前よ!足掻いて見せなさい!」
斧を振るい上げ、距離を一気に詰め寄って来る布津野に向かい、阿美は吠えた。

「ふううぅぅぅつぅぅうのおおおおおおおおっ!!!!!!!」

怒りは臨界点を突き破り、阿美に残された人間性の最後の一欠片が砕けて消えた。
両腕の刃羽、計8本をジャキンと展開させて布津野を切り刻む為に突進する!!


58 :阿久津 ◆Oa4ipRdfjI :2006/09/11(月) 08:40:53
>>55-56
その瞬間、阿美と布津野の間に割り込む人影ひとつ。その正体は崎島だった。
>「させない!!ヴァージョンアップ!変身!」
>〈-Red Wing ver.3DownloadCompletion-VersionNISHIKI,Installation100%...Transformation...3,2,1〉
凄まじい突風荒れ狂い、崎島の周りに集まっていき、布津野が持った刃の一部が砕ける。
崎島は立ち上がり、紅銀の光沢を持つ昆虫型の羽を広げ布津野に言った。
>「…あの時とは違う…確かに傲慢なのかもしれません
(中略)
ちゃんと人間は立ち上がれる!自分の足で……!」
崎島の魂の叫びが響き渡り、ビリビリと研究施設内の空気を叩き揺らした。
>「証明しますよ…!全身全霊を込めて…!布津野!!」
>〈Cylinder of wind that goes straight-揺るがない風の荒槍-!!〉

風車手裏剣が巻き起こしたのは…風。
それは超局地的台風とでも言うべきか、荒れ狂う暴風の渦は総てを薙ぎ倒す為だけに直進した。
「おおおおおおおおおおおおお!!!!!」
阿美が雄叫びと共に大鎌を床と天井に突き立て、《ネメシスの祝福》を発動させる!
直ぐさま床と天井に黒い波紋が広がり、阿美の一部と化して脈動する。
次の瞬間には数百の黒刃が一斉に飛び出し、布津野を目指して襲い掛かった。

正面からは荒ぶる激風の槍、上下2方向からは数百の刃、息もつかせぬ連携攻撃が布津野に迫る!!

59 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/09/11(月) 14:14:24
>50
布津野から感じる恐るべき殺気。
頭に血が上っていた俺の中で何かを感じる。
―冷静になれ 宋。 戦いにおいて必要なことは冷静さを見失わないことだ―

あの学校での戦いで、俺が奴に植え付けられた「細胞」その感情は「怒り」。
その事に気付くまでもなく、俺は自分の中で見失いそうになっていた心に目を覚ます。
「そうだ・・・クールであれ。親父は言っていた、男は熱く、そしてクールであれ。
俺は凍てつく心の中で、燃える。燃えるだけでは、周りを焼き尽くすだけだ・・・!!」

>「怠惰に生きるだけの命なんて、種を蝕む病原菌と同じなのよ。むしろ・・・」

布津野の言葉に、俺は静かな怒りを滾らせる。
手にしたクナイが壁伝いに火花を上げ、奴を切り裂く為の黒き刃が燃える。

「フン・・・有効利用か。殺戮の上に立つ進化など、只の狂気に過ぎない!!
目を覚ませ、布津野。貴様は、間違っている・・・この先に待つのは絶望でしかない!!間違った進化の果てに待つのは、最悪の”死”だ!!」

奴の手斧が火花を上げ、こちらへ向かってくる。
覚悟は出来ている、命を賭けても勝てるか分からない相手だ。
この女に、理屈は通用しない。ならば、戦うしかない!!

>「さぁ、見せて頂戴!!あなたの力をっ!!」

クナイが、奴の振り上げる手斧と激突する。
火花を上げ、鍔迫り合いとなる刃と刃。そして向かい合う、狂気と正義。
俺の体の中の、奴の蒔いた種がゆっくりと消えていく・・・BEの力か。
それとも俺自身の力か。次第に、怒りは氷の中に潜む真っ赤な薔薇に変わる。

「・・・隠し味は隠してこそ魅力がある。俺の中の怒りは、俺自身が持つもの。
貴様に操作されて生まれる怒りなど、俺は自ら叩き潰す!!・・・ハァッ!!」

鍔迫り合いとなり、がら空きだった奴の腹部に強靭な右足から放たれるミドルキックが
叩き込まれる!!
だが、感触が薄い。薄過ぎる・・・まるで奴が実体を持たないようみたいに。
まさか!?

―俺がTSUKUYOMIに入った理由。それは復讐だ。
父を殺し、母を殺し、妹を殺した・・・エクゼムに復讐する為に。
そして、俺は許さない。
EXeMの種を蒔き続け、悲劇を増やす奴らを!!

60 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/09/11(月) 14:19:26
:島村研究所

わしは、言わなければならないのかもしれない。
真実を。10年前の事故の事実を、嘘ではない本当のことを。
既に、10年前に・・・いや、太古から「来訪者」がこの星に存在していたのは確かだ。
エクゼムが齎す「未来」はもう言ってある。
進化を齎し、そしてその先に何があるのか・・・。

「宋よ、わしを許してくれ。・・・あの事故は、兄さん達を殺したのは奴らじゃない。
エクゼムを利用した奴らがいた・・・そう、今お前がいる組織だ。
正確に言えば、その前身。日本という国家そのものだ・・・!!」

真実を知ったが故に、殺された。
知ってはならぬ、何かを。

だが、宋よ。お前には、もう1つ言ってないことがある。

お前の妹は・・・殺されただけじゃない。
日本という国に、利用されたのだ。


(今まで、黙っていてすまなかった。馬鹿息子のお前だが、これだけは言っておかねばなるまい。
彼女を助けてやってくれ。いや、お前なら実の妹でさえ・・・エクゼムならば殺すというのか?

今、その病院にお前の最後の肉親がいる。どうするかは、お前しだいじゃ・・・)

−新宿中央病院の白川宋のベルトへ向け電子メッセージが島村から転送される。
驚愕の真実を知り、彼は何を思うか。





61 :東屋 実咲 ◆AHL7KHofQw :2006/09/11(月) 17:24:51
>正面からは荒ぶる激風の槍、上下2方向からは数百の刃、息もつかせぬ連携攻撃が布津野に迫る!!
「ブラフッ!!!」
その声と同時に激風の槍は爆発を起こし、阿久津の刃をすべて吹き飛ばした。
何が起こったのかわからず困惑する3人、しかし、布津野はこの事態を予測していたかのように微笑む。
「遅くなりました。布津野さん」
部屋の入り口には東屋が佇んでいる。
部屋にいる皆の視線が自分に集中したことを確認し、布津野の傍へ歩く
「へぇ〜この人たちがツクヨミの人たちですか・・・」
蛇のような目で侵入者たちを見る。東屋にはただ見る行為でも、常人は睨まれたように感じるはずだろう。
「あぁ〜えーっと・・・多分君だね?さっきの風の攻撃」
そう言って崎島を指差し語る。
「さっきのアレは・・・遊びなのかな?
 あぁ〜ゴメンゴメン気を落とさないで・・・
 でも、さっきのアレは荒すぎだねぇ〜、余裕で『爆弾』を入れられたし」
クスクスと笑いながら視線を布津野に変え
「すいません・・・入っちゃいけないことはわかってました・・・
 でも、侵入者に関してはほっとけなかったので・・・つい・・・
 あと・・・部屋も・・・」
とりあえず、布津野に謝罪を済まし、再度、崎島へ
「とりあえず、お手本・・・ね」
指鉄砲を撃つと何かが崎島の目の前で爆破し、崎島を吹き飛ばす。
「風は見えないものなんだから・・・その利点を最大限に生かさなきゃね」

62 :イズミ ◆X5JR6KgEJo :2006/09/11(月) 18:52:40
【病院跡B1F】
そこにあるモノは、普段なら僕の目を楽しませるには十分なんだけど、今の僕の興味はゴロゴロと無造作に転がっている骸より、その先に立っている一組の男女にある。
特に女の方に。あれが嫌な感じの原因だろう。しかも、まず人では有り得ない殺気を放っている。
そして、どうやらあの二人は闘っているようだ。
ここで介入するのは無粋なのだろう。
嫌な感じを我慢して、暫くは観戦しよう。

63 :榛原 ◆fAnDqHclsQ :2006/09/11(月) 19:49:15
「・・・迷うからこそ・・・人なんです。
 選択で一番重要なことは・・・後悔しないこと・・・だと、思うんですよ・・・」
お嬢ちゃんの答えについ微笑む、確かにそういう考え方もあるわ。
「そうやなぁ、お嬢ちゃんみたいな生き方も、また上々の人生なんかもなぁ」
足を進めると扉が見えてくる、あそこや、まあ訓練施設ゆうてもそないな大袈裟なもんやない。
「お嬢ちゃん、着いたで、ここや」
 
―プシュウ!

扉が開くとそこは畳の道場が姿を現す、布津野の趣味は相変わらず分からへんわ。
それに『進化』ってお前、ここにかける意味あったんか!?
ワイはツッコミをしながら畳へと上がる、

「うっわー!すっごーい・・・ははははぁ」
「はははは・・・ガッ!!!」

「やっぱやってもうたか」
お嬢ちゃんがこけるのを見てワイは片手で頭をおさえる、
この子ホンマにやる気あるんか?まあええわ、ちとこっちがやったら
この子もやる気だすやろ、バッシュを履いているがしったことやない。

ワイはお嬢ちゃんが振り向こうとしているのを確認して行動に出る。
まずはちょっとした反応試しや、腕がぶれるようなスピードでナイフを一本なげ、
ワイはお嬢ちゃんの後ろに回りこむ。

「うわぁ!」

ナイフは太ももに突き刺さり血が出とる、まあ反応速度は中の上ってとこか。
「おい、お嬢ちゃん、ワイは本気でいくで?」
ワイの言葉に後ろを振り向くお嬢ちゃん、顔はさっきまでと別人で、
ワイのこと憎んでる顔や、その顔にワイは微笑み間髪いれずに蹴る。
まあ大してまともにやっておらへんかったからケリは受け止められたわ。

「なんや、ワイのこと怒ってるんかい?」
お嬢ちゃんのワイを見る顔がさらに憎しみに染まっていくのを確かめながら言う。
そや、それでええ、憎んでくれたほうがワイとしても楽や、

「そらっ!よけてみいやっ!!」
ナイフを次々に投げつける、まあこっちは囮や、全部弾き落とされるぐらい分かってるわ。
ワイはすぐに距離を詰めふとももに突き刺さっとるナイフ目掛けて蹴りを入れる。
悲鳴をあげて体制を崩すお嬢ちゃん、その隙を見逃すほど甘くない、杭打ち機みたいに鋭く、
手に、足に数本ずつナイフを叩き込む、常人なら見えへん速度や。
お嬢ちゃんはあちこちから血が吹き出て立ち尽くすだけ、まぁそろそろやな、これでなんもできんかったらそれは布津野の見込み違いや。 

「どしたお嬢ちゃん、はよう力出せへんと逝ってまうで?」
ワイの言葉に全く反応せん、むしろなんや一層黙りこくってしまったわ。
「……ふう、ダメなんかお嬢ちゃん?」
ワイはその場にあぐらをかいてうなだれる、お嬢ちゃんが力出せなかったら、
絶対にワイは布津野にスンゴイとばっちり喰らうに決まっとるわ。困っとると倒れるお嬢ちゃん。


64 :榛原 ◆fAnDqHclsQ :2006/09/11(月) 19:51:07
「お、おい、大丈夫か?」
しかしすぐに起き上がる、ホッして胸をなでおろす、そやけど、
なんやお嬢ちゃんの雰囲気が変わっとるような。
「・・・五分か・・・過不足なく丁度いい時間か・・・」
いきなり謎の言葉をはくお嬢ちゃんに嫌な予感がして起き上がり構える。

「・・・そこにいる三下!手加減は一切しないつもりだ・・・死んだつもりで五分間生きてみろ!
 ・・・ブラフ!!!」
「三下!?」
まずツッコムんでしもうた、ちゅうかあれなんなんや。
あれだけ深く入れたはずのナイフはすぐに落ちて抜ける。
しかも回復してしまうし、どんどん風が出てきとるし、

「クッ!!なんやっちゅうねんっ、てかまずお前だれや!」
もう道場の中は台風でも来たみたいやないか、
いくらEXEMのワイでもこれはちとシンドイような気がするんやけど。
床を足で突き破りとりあえず固定させる、こうでもせんととてもやないけど動けへんわ。
そやけど、これだけやとただ相手の動きを奪うだけやないか、これからどうするんやお嬢ちゃん。

―ブシュッ!!ドンッ!!

次の瞬間足が切れてワイの体に「何か」があたり爆発する、体は宙を舞い硬い床にたたきつけられる。
何が起こったんや!?足が切れるのは分かる、かまいたちっちゅう奴や、お嬢ちゃんは空気を操る能力みたいや、
そやけど、今の爆発は、一体なんなんや、ヤバイ、お嬢ちゃんもう今『発射』しおった!
グズグズしとると次がくる。体制を立て直さなあかん!!
「畜生めがっ、なんでワイはこうも貧乏くじばっか引くんやっ!!!」
起き上がり足で床を踏みあげ背を預ける、床は爆発音とともに消し飛ぶ、防御使って後退してしまうほどの凄い威力や、
しかも体が次々に切れていく、風で体が前に行けへんっ!最悪や、どないする……

「冗談やないで、こないなデタラメなもん五分も耐え切れるかっ!反撃したるわ!」

一歩一歩ゆっくり歩み寄る、かまいたちは無視すればどうにかなる。
見とれよお嬢ちゃん、一発ぐらいいれたるわ、
するとそれを汲み取ったのか向こうはまた『何か』を発射する、

 こ れ を 待 っ て た ん や !

そのままワイはさっきと同じように床を踏みあげて手で掴む、そやけどここからが違うで、
ワイは体勢をできるだけ低めて前に飛び出し発射された『何か』を潜り抜ける。
そしてすぐさま後ろを向き剥ぎ取った床に背を預ける、お嬢ちゃんが『何か』を爆発させる。
そうや、これを狙ってたんや、床は壊れてワイはそのまま爆発の衝撃で前に吹き飛ぶ。
お嬢ちゃんとの遠かった距離が一気に縮む、

「いくで、渾身の一撃やっ!喰らいさらせ!」
吹き飛んでる体勢やけどここしかない!ナイフを取り出し腕に目一杯力を込める、
血管が浮き出て今にもはちきれんばかりに筋肉が膨らむ、
そしてまるで砲丸でも投げるようにナイフをお嬢ちゃんへと投げた。

―ピシュッ!!

「う、うまくいったと思ったんやけどな、やっぱ無理やったか……」
そのままワイは床に伏せる、もうあかん、これほど風が強いと立ってられへんわ。
ナイフ?ナイフはお嬢ちゃんの頬をかすめただけやった。
凄まじい風にワイの渾身の力で投げたナイフも軌道がちと逸れてしもうたわ。

「ま、ええか、一応力は出させたんやし、ちと頑張りすぎたわ最後、」


65 :榛原 ◆fAnDqHclsQ :2006/09/11(月) 19:52:43
満足、とまではいかんけど、ワイはもともと戦闘屋やないんやし、
まあ健闘したほうやないかなぁ、そないなことを考えてるとどんどん風が強くなってきたわ。

ギシ・・・ギシギシ・・・・ギギギ・・・

おいおいおい、もしかしてもしかしなくても後ろの扉もヤバイちゃうんか?
ギシギシいって今にもぶっ壊れそうやで、もしかしてワイちとヤバイもん起こしてしまったんやないんか?
「お、お嬢ちゃん、もういい加減やめてくれや!つうかなんでさっきよりも激しくなってるんや風が!?」
お嬢ちゃんの顔を見る、すると凄い形相で風を吹かしとる、なんや、今の最後のナイフでプッチん来たんか!?
「ああっ、謝るから!ワイが悪かった、調子のってもうてすんまへん!そやからこれとめて!」

ボシュウゥゥゥゥゥゥ!!!

予想が的中して後ろの扉が吹っ飛ぶ、ゴッツう頑丈なはずの扉がやで!?
扉が壊れたところで暴風はお嬢ちゃんの手に戻ってく、
ああ、しかもワイの頭がなんかのヘビメタのパンク野郎みたいにツンツンになってるやないか。

「あ・・・そうだ♪
 はぁ〜いは〜らさ〜ん!」
「なんやぁ?それよりも見てみいこの頭、酷いモンやでぇ、
 お嬢ちゃん力出るって分かったらすぐやめてくれても……ぐはぁっ!!」

お嬢ちゃんはワイの顔を思い切りぶん殴る、鈍い衝撃が頭を揺さぶり倒れワイは硬い床にガツンと頭をぶつける。
ちょっとまて。なんで!?なんで!?ワイはただ命令に従っただけやねんか、酷いでこの扱いは。
泣きそうになっとるワイを尻目にお嬢ちゃんはゴッツうええ顔しとるやないか、しまいには。

「あぁ〜すっきりした〜じゃあ・・・道場の片付けをお願いしますねぇ〜」

こないなこと言って出てく始末、なんかもう、ワイ最近こんなんばっかや。
いい加減孤児院に帰りたい、ほんまにあそこに帰りたいわぁ。そらあそこも結構カツカツしたキツイ生活やけど、
少なくともこないなことはなかった。そないなこと思っとると、どこからか金属音が響く、布津野の自室のほうからや。

「侵入者だ・・・
 こんなところにまで来たの!?」

そういってお嬢ちゃんは走り出す、ワイは上半身を起こし叫ぶ。
「おーいっ!お嬢ちゃん!あっちは布津野の自室や、そやから大丈夫やと思うでぇっ!
 あの女がそない簡単にくたばるわけないやろ!ちょっと!聞いとるんか?」
ワイの言葉を無視して走り出していく、本当に、なんかワイって信用もクソもないんと違うか?

「……ふう、なんで今日はこんなにも問題が山済みなんや、いい加減シンドイわ」
ワイはスーツを正してワイは布津野の部屋へと向かうことにした。
ワイはあいつを助ける義理はないんやけど。
お嬢ちゃんが力をコントロールできるようになったって一応の旨を報告せなあかんからなぁ。
お嬢ちゃんが報告するとは思うねんけど、もし行かなくて殺されるなんてごめんや、


66 :条咲綾子 ◆2TlaRARhhA :2006/09/11(月) 21:47:49
>「さあ、綾子!淘汰と言う名の死は目の前よ!足掻いて見せなさい!」

そう言うと布津野は距離を詰める。
条咲は射撃しようと銃を向けたその時だ

>「させない!」

そう叫ぶと崎島が阿久津の前へ出る。
目を見開く条咲。
そして、

>〈-Red Wing ver.3DownloadCompletion-VersionNISHIKI,Installation100%...Transformation...3,2,1〉
>[ヴン…!スバババババババババババババババババババババババババババッバア!!!]

強い風と共に崎島は進化する。
弱まる風、そこに現れたのは新しいBEに身を包んだ崎島。
そして崎島は語る。
自分の思想を。
それに静かに耳を傾ける条咲。
条咲は静かに銃を降ろす。
条咲は勿論彼の過去を知っている。
だからこの言葉の意味も

そして阿久津と崎島は布津野に向かって攻撃を開始した。

>「おおおおおおおおおおおおお!!!!!」

叫び狂う阿久津。
しかしだ

>「ブラフッ!!!」

突如女の声が響いたかと思うと鎌、そして風を爆破させる。

>「遅くなりました。布津野さん」

聴いたことのない声。
条咲は見た。
女の声をする方を。
そこ居たのは見たことのないBEをした女。
この女は・・・

>「へぇ〜この人たちがツクヨミの人たちですか・・・」

そう言うと女は睨み付けてきた。

67 :条咲綾子 ◆2TlaRARhhA :2006/09/11(月) 21:50:31
この女は知っていた。
何故ならこの女も今回の計画の中心に居る女

東屋実咲

あの刃に最も近い阿久津、崎島に続く女。

>「あぁ〜えーっと・・・多分君だね?さっきの風の攻撃」

そう言うと東屋は崎島を指さした。
条咲は崎島を見る。

>「さっきのアレは・・・遊びなのかな?
> あぁ〜ゴメンゴメン気を落とさないで・・・
> でも、さっきのアレは荒すぎだねぇ〜、余裕で『爆弾』を入れられたし」

そう得意げに言う女。
崎島も気づいたはずだ、
この女が救出するはずの女だと。
そして布津野に話しかける。
丁寧な口調で。
条咲は察した。
布津野と東屋の関係を。
そして、

>「とりあえず、お手本・・・ね」

そう言うと崎島に向かって指鉄砲を放つ。
吹っ飛ぶ崎島。

―ガララン!!

>「風は見えないものなんだから・・・その利点を最大限に生かさなきゃね」

そう得意気に言う東屋。
条咲は銃を放った。

―バキュン!!

東屋の顔の装甲のほを掠める銃弾。

68 :条咲綾子 ◆2TlaRARhhA :2006/09/11(月) 21:57:59
「・・・人の闘いに手を出すなんて飛んだじゃじゃ馬さんね。
東屋実咲さん・・・。」

そう言うと条咲は東屋を睨み付ける。
そして崎島を観た。
どうやら対した傷手は負ってないらしい。
条咲は崎島に叫んだ。

「大丈夫!崎島くん!
・・・どうやらまだそのBEを完璧に操り切れてないようね。」

そして阿久津の方を見る。

「・・・阿久津さんもね・・・
まだ刃の強度の調節が出来てないわ・・・」

そう言うと東屋を見た。

「・・・なるほどね・・・。
TSUKUYOMIを裏切ったって訳・・・。
残念だわ・・・東屋さん・・
それと同時に・・・布津野には感謝しないとね・・・」

そう言うと布津野を微笑み布津野を見る。

「でも随分と布津野にしてはしつけが甘いわ。
・・・貴方の計画の生き残りになる可能性が高いからかしら。
それとも・・・子猫一匹しつけられないほど2年間の間に落ちてしまったの?
・・・何にしろ東屋実咲。
貴方がAMATERASUの一員としてどうしても闘いに参加したいのなら私がお相手するわわ。
TSUKUYOMIの忠実な下部としてね・・・。
貴方がAMATERASUの一員にしておくのは余りにも危険すぎる・・・。
勿論そこにいる男もお相手してあげるわよ・・・!」

そう叫ぶ条咲。
榛原がそこに居た事を知っていたのだ。
静かに今までにないほどの強い冷たい視線で睨む条咲。
ベルトに手を掛けた。

69 :赤木 ◆WHN5o4DexM :2006/09/12(火) 14:10:15
新宿中央病院の布津野の脳内へ直接、語り掛ける謎の声。

「やぁ・・・珠美ちゃん。久しぶりじゃぁ、ないか。」

>50 戦闘が起こっている室内の「時間」が止まりそこにいる者達全てが停止する。
布津野珠美と、謎の声の主を除いて。
珠美の視線の先にいるのは、小柄な背の翁。柔和な笑顔の中で、凍てついた目だけがこちらを見つめている。
「珠美ちゃん。大きくなったねぇ〜おじいさんは嬉しいよ。ほっほっほっ、うほっ。
君はこれからどうするのかなぁ?でも、まだ君達には死んでもらっては困るんだ。」

その頃、地下室では大蛇と特殊部隊による大量の捕獲作戦が進行していた。
ここにいる感染生物を捕獲し、実験を開始する為に。
「材料は、もらっておくよ?珠美ちゃん。でも、安心しろ。」

見る見るうちに、老人の顔が崩れ落ちそこには背の高いアロハシャツを着た男の姿。
飄々とした態度で、周りにいる者達を見つめ再び布津野に笑い掛ける。

「まぁ、お前相手に気取って話す必要もないわな?でも、結構面白そうなやつら集めてんじゃん。
・・・まぁ、せいぜい頑張りなよ。期待してるからさ・・・うはっ。」


赤木が指を「パチン」と叩いた瞬間、時は再び動き出す。
だが、そこに彼の姿はもう無かった。

70 :布津野 珠美 ◆0ol//9//Sw :2006/09/12(火) 23:13:46
>52
【AMATERASU施設・第一階層・闘技場】
その巨体・敏捷性・粘液を纏った柔軟な身体で鋭い牙を持つそれは、EXeMのAクラスを常食する化け物であった。
傷ついていたとはいえ、それを一刀の下に切り捨てた墨田の実力は恐るべきものである。
真っ二つに捌かれた巨大八目鰻は広い円形の部屋の真ん中で肉の塊と化し、血溜まりを広げていく。

>「余興はこんなもんで十分だろ、出てこいよ女王サマ!それとも手下か!?」
姿の見えぬ布津野に呼びかけると、返答は意外と近くから聞こえてきた。
「流石は私が見込んだだけはあるわ。でも・・・余興と言うにはソツがなさ過ぎない?」
声は近くからする。
声は・・・巨大ヤツメウナギの血溜まりから聞こえてくるのだ。
血溜りが盛り上がり、立体を取り戻していく。色がどす黒い赤から鮮やかなシルバーメタリックへと。
「せっかく隅田君が抉って楽しめるように目玉を一つ残しておいたのに、一刀で殺しちゃうのんだもの。」
残酷な笑みを浮かべ、足元に転がるバレーボール大の玉の一つを踏み潰す布津野。
手には既に斧が握られている。

それと同時に部屋の入り口の隔壁が閉められた。
*ズウゥン・・・・ガシャン!*と言う重々しい音は、突き破る事は不可能だと確信させられるものだ。。
「ごめんなさいね。本当はもっと時間をかけるつもりだったけど、世の中上手くいかないのよね。
だから・・・。いいえ、言わなくても判るわよねぇ?」
びちゃびちゃと足元の血溜りから音を立てながら、無造作に歩み寄る。
墨田の持つ薙刀と間合いギリギリのところで、その無造作なペースは突如として弾けるような跳躍へと変わる。
身を屈め瞬時に懐まで入ると、墨田の顎をめがけて抉りあげるように斧を突き上げた。

71 :布津野 珠美 ◆0ol//9//Sw :2006/09/12(火) 23:17:58
>56>58>61>68
【AMATERASU施設・布津野の自室】
怒りが頂点に達したのか、獣のような咆哮を上げ立ち向かう阿久津。
その姿に愉悦し、大きく口を開け斧を振り上げた瞬間、その刃の一部が欠けた。
阿久津と布津野の間に割って入った崎島の仕業だった。
いや、正確に言えば仕業と言うまでもない。それは単なる変身の余波なのだから。

崎島の叫び声と共に、掌の前に移動した風車手裏剣は猛烈な風を起こす。
「ちぃっ!」
一瞬でその技の力を感じ取った布津野は爪先を斧に変形させ床に突き刺す。
髪も流線状に姿を変え、手に持つ斧も床に突き刺しその風に耐える。
単なる暴風なら風をいなし、そのまま攻撃する事も可能だっただろう。
だが、崎島の放った風は渦巻く風。
回転しながら進む風はいなすことは出来ない。ただ耐える事しか許されない。

崎島の揺るがない風の荒槍は布津野を吹き飛ばすことは出来なかったが、結果的に布津野の動きを封じる事
に成功した。
その機を逃さず阿久津がネメシスの祝福を発動。上下から避け様の無い数の刃が布津野に襲い掛かる。
だが、布津野の表情から歓喜の笑みを消す事は出来なかった。
突如として風は爆発し、布津野に迫っていた刃が吹き飛ばされたからだ。

突然の自体に困惑する三人。
だが、布津野には判っていた。東屋の仕業だという事が。そして、東屋がここに来る事も。
心臓を貫いた時、東屋の心臓と自分の体組織を融合させて置いたのだ。
東屋がどこで何をしているかは掌のうち、だ。

その困惑を見逃すほど布津野は甘くない。
風がやんだ瞬間、バネのように今まで溜めていた力を一気に解放して跳躍。
崎島の脇をすり抜け、東屋の背後に回るとその襟首を鷲掴みにして持ち上げる。
「くっくっくっくっ!せっかくの里帰りなんだし、懐かしい顔に挨拶してらっしゃい!!」
数歩分、阿久津を引き摺って歩き、壁に向って投げつけた。
受身も取れぬその勢でなす術もなく特殊カプセルに叩きつけられ、張り付くことになる。
そのカプセルの刻印は117。
カプセル内に浮かぶ少女だったものと目があっただろう。
否、目があうことはない。なぜならばカプセルの中の少女の眼球は両方とも抉られていたのだから。
ぶつかった衝撃でカプセル内の少女は揺れ、暗くぽっかりと空いた眼窩が阿久津に近付いて来るのだ。

阿久津を投げつけたあと、ゆっくりと部屋中央へ戻ると東屋が挨拶をする。
そして咲き島を吹き飛ばした東屋に向い、条咲が動いた。
挑発の言葉と共に変身をするが、布津野は一向に動じる事はない。
「実咲・・・。よかったわ。榛原が上手くやってくれたのね。
こんなに・・・こんなに嬉しい事はないわ!イザナギ計画はより完璧なものになる!
時間のない中、イレギュラーだったけど・・・進化の礎になりに来てくれるだなんて・・・。
さあ、実咲!貴方の力を全て使って生き抜いて見せなさい!!」
声が徐々に震えるのは抑えきれない歓喜の為だ。
最後の言葉と共に布津野の右腕が消えた。
次の瞬間現れた右腕は振り抜いた態勢で現れ、代わりに東屋が消えていた。
一瞬のうちに斧を振るい、東屋を吹き飛ばしたのだ。
両断されなかったのは崎島がその刃を欠けさせていたからだろう。
「ふはははははっ!カンブリアの海において力ある者は誰も彼もが進化の礎となる栄光を手にする!
綾子、進化の道に敵味方なんて矮小な区別を持ち出すあなたの限界を壊してきなさいっ!」

室内のあらゆる物を飲み込む殺気を放ちながら布津野は進む。
条咲と崎島との間合いを詰める間に、斧の欠けた刃は復元し、凶悪な光を放つ!

72 :布津野 珠美 ◆0ol//9//Sw :2006/09/12(火) 23:21:07
>59>62
【新宿中央病院・地下一階】
病院地下一階では激しい金属音がなり響いていた。
音が響くたびに空中に火花が散り、壁が切り裂かれる。
だが、音を立てているはずの白川と布津野の姿は見当たらない。
高速移動と体術で敵を翻弄し、急所に一撃を入れる白川。
その白川が本気を出して移動しながら戦っている。そして布津野もそれと同じスピードで戦う。
結果、姿を捕らえる事の出来ない音だけが鳴り響く戦いが展開されているのだ。

どれだけ経っただろうか。漸く二人の姿が止まる。
二人は鍔迫り合いで動きを止めたのだ。

>貴様に操作されて生まれる怒りなど、俺は自ら叩き潰す!!・・・ハァッ!!」

鍔迫り合いの最中、布津野に一瞬の隙ができた。
白川に仕込んだ自分の体組織が消された事に驚いたからだ。
その隙を逃さずに、白川は渾身の蹴りを放つ。
狙い違わずにその蹴りは布津野の胴体を貫いた・・・が、その感触の薄さに驚いただろう。
鍔迫り合いでお互いの顔が間近にある中、にやりと笑う布津野の顔に戦慄を覚えたかもしれない。
いや、布津野の身体を貫いている自分の足が強烈に締め付けられ固定された事に対してなのかもしれない。
「白川君。知っている?BEには段階があるのよ。」
突然布津野が口を開く。その口調は激しい戦闘中と言うのに息も切らさず、冷静なものだった。

BEの段階で初期段階はただBEを装着した状態。今の白川のように感情によって力も増減する。
それを越え中期段階になると、絶えず限界値の力を出せるようになる。それが布津野の状態である、と。

「そしてもう一つ・・・中期段階ではBEとの完全融合が実現するのよ!このようにね。」
布津野のBEは全身を液体金属でコーティングしてあるものだ。
だが、今や液体金属そのものが体となっているのだ。
故に斬られても蹴られても素通りし、逆にこのように締め上げる事もできる。
僅かな皹から壁をすり抜けるように姿を現したのも、影や血溜りから出現したのもこの液体金属ボディーとス
ティルス機能の応用のさせる技であった。

「それにしても・・・苦無と言う武器の特性をわかっていないようね。
斧相手に鍔迫り合いをしてどうなるか・・・!教えてあげるわ!」
足を胴体で拘束して動けないのを良い事に、力任せにもう一本の手に持つ手斧を鍔迫り合いをしている斧の柄
に叩きつける!
新たに加わった衝撃は受ける態勢を取れない白川の苦無を粉砕し、吹き飛ばした。
土煙を上げて壁に激突する白川の下敷きになっているイズミを確認するが、布津野は特に気にした様子はない。
誰だろうと殺すには変わりないのだから。

「ガッカリねえ。白川君。この程度が最強を超えた力?これじゃあ妹さんの方がよっぽど役に立ったわ。」
呆れたように冷たく言い放つが、自分の言葉に何かを思い出したように言葉を続ける。
「ねえ白川君?彗星が到来してどれくらい立つか覚えてる?
二年よ。たった二年で対EXeM組織の成立、BEを開発・実用化。・・・早すぎると思わない?
そうよ。TUKUYOMIはもっと以前からEXeMの研究をしていたわ。BEもね。
あなたたちがBEの適合者だって事はずっと前からわかっていたの。これ、どういう意味だかわかる?」
覗き込み、自分の額に斧で傷をつけながら白川に問いかける布津野はいかにも楽しそうだ。

「まあいいわ。期待はずれでガッカリさせてくれたお礼に先に子供を殺してあげる。
貴方の信ずるものの無力さをかみ締めさせてから殺すわ。」
嘲笑するような笑い声と共に瓦礫に埋もれる白川に背を向け、たけしの入る対EXeMテントへと歩を進めた。

73 :布津野 珠美 ◆0ol//9//Sw :2006/09/12(火) 23:21:52
>69
【AMATERASU施設内最下層・IWAYADO】
そしてAMATERASU施設最下層。IWAYADOと呼ばれる部屋がある。
その部屋には布津野意外誰も立ち入る事を許されず、ただ静寂を保っていた。
室内は無重力状態で、一筋の光も射さぬ完全なる闇。
天地前後左右の区別のない空間に布津野はいた。
静かに漂う布津野の脳内に赤木からのコンタクトがある。
「好きにするがいいわ。最早不要のものよ。」
脳裏に浮かぶ老人に冷たく言い放つが、その表情は動かない。
だが、老人の姿が赤木に変わった瞬間、布津野の顔が不愉快そうに歪んだ。
「ええ、期待していなさい!万の生贄を貪り人類は貴方を越えるっ!!」
吐き捨てるように言い放った次の瞬間、赤木は消えた。

AMATERASU第一階層、闘技場。
AMATERASU布津野の自室。
新宿中央病院跡地下一階。
そしてAMATERASU・IWAYADO。
それぞれに居る布津野の脳裏から同時に赤木は消え、時間は再び動き出す。

74 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/09/13(水) 13:02:59
>72
凄まじいスピードの攻防、そして破裂。
蹴りを放ったが、感覚が薄い。貫いたはずの右足は完全に、奴の体に固定されてしまった。
「なに・・・どういうことだ!?」
布津野は冷ややかな笑みを湛えたまま言う。
「BEには段階があるのよ・・・そしてもう1つ、中期段階ではBEとの完全融合が実現するのよ!このようにね。」
奴の体は、液体金属の塊。いわばBEとの完全融合体というわけだ。
つまり俺とは“逆”の存在。何が逆かは・・・
「貴様・・・完全融合したのか。ならば、最早救いようがない。
滅びるしかない!!貴様のような奴は・・・!?」
布津野の持った手斧のパワーが俺の持つクナイを遥かに凌駕していることに気付く。
「斧相手に、鍔競り合いをしてどうなるか・・・教えてあげるわ!!」
一瞬にして砕かれるクナイ。そして吹き飛ばされる俺。
ベルトの変身は解除され、俺の体は宙を舞う。壁に激突し、何者かにぶつかるも俺は気付かない。
前が見えない。だが、奴の余裕ある声が階段に響く。

「ガッカリねぇ。白川君。この程度で最強を超えた力?
これじゃあ妹さんの方が・・・」

その瞬間、俺のベルトの通信機能が親父からのメールを受信する。
そして同時に添え付けされていたのは、何かのデータ。

「布津野・・・妹のことを何故知っている!!
・・・親父からのメール?・・・どういうことだ!!まさかTSUKUYOMIが!?
妹が・・・生きている?しかもここにいる・・・だと。」

目の前が真っ暗になった。信じてたものに裏切られ、俺は何のために今日まで戦ってきたのか。だが、妹が生きている。それだけでも、嬉しかった。

「まぁ、いいわ。期待はずれでガッカリさせてくれたお礼に先に子供を殺してあげる。」


その言葉に、俺は解除された体を推し布津野の背後へと走り出す。
こんな俺でも、守るべきものはある。やらせはしない。

「確かに・・・俺は、お前よりも弱いのかもしれん。だが、それでも生身でも
やれることがある・・・白川宋を舐めるな!!」

つよしへ振り下ろされる手斧、目を塞ぐ幼子の目に映ったのは・・・一人の男の背中。
白川は、幼子を庇い手斧を生身で受け止めた。飛び散る血、そして・・・
「ぐ・・・ぐはっ。こ、これが痛みか・・・だがお、惜しくはない。こんな命で守れるのなら、惜しくはない。・・・おしくは、」
目の前では幼子が涙を溜めて俺を見つめている。
だが、俺は笑う。これでいいのだと、泣くな。


75 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/09/13(水) 13:06:28
「泣くんじゃない・・・いいかい。今すぐ、ここから逃げるんだ。
父さんの居場所なら、きっと俺の仲間が探してくれる・・・」
既に、つよし君の親のIDは転送済みだ。きっと良心ある仲間が救ってくれる。
俺が助けられないのだけが、口惜しい・・・すまない。
「わかった・・・ぼく、おにいちゃんしんじる。だから、ぜったいにしなないで。」
そういい残し、彼を自動操縦バイクで遠隔操作させ退避させていく。
俺は今にも前が見えなくなりそうな目で布津野に立ちはだかる。

「・・・死ぬことは怖い。だが・・・グハッ・・・お、俺にだって命を賭けでも
守りたかったものがある・・・こいつはその時の罪滅ぼしってことだ。」

もう、前が見えない。これが死、というやつか。
俺はゆっくりと膝から落ち、その目を閉じた。

倒れ込む体。それまで「白川宋」だった存在は只一つの死骸へと成り果てた。

―ユートリアム博士・島村博士(新宿中央病院上空)―
宋が、死んだ。島村博士は、普段の豪気な性格からは想像できないほどの涙を流した。
だが、私は違う。このユートリアムだけは違う。
「Mr・シマムラ。彼を救う方法が一つだけ、あります。」

その方法とは、肉体の完全なる機械化。
このワタシが長年、研究し続けてきたWEの装着だ。
WEに仕込まれたナノマシンが彼の肉体を完璧なる機械へと変えるのだ。
先ほどの電子通信に、シマムラには内緒でWEの試作品を添え付けしておいた。

「倫理的な問題で、今まで試すことはなかった・・成功率もきわめて低い。
だが彼もここで死ぬのは無念だろう?
どうだい、シマムラ。彼を救ってやる気はないかな?」
シマムラは数分悩んだ後、深く頷いた。あとで宋に何を言われようと、かまわない。
今は、あいつを救ってやりたい・・・と。

ワタシはゆっくりと微笑んで、ベルトのナノマシンを起動させる。
リスクは大きい。完全なるサイボーグは、二度と人間には戻れない。
そしてエクゼムでもない。つまり、この世で1つしかない異形の者へと変わる。

だが、それでも救いたい。それがシマムラの答えだった。


76 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/09/13(水) 13:19:13
―地下一階

俺は死んだ。なのに、何故こうも暖かいのか。
漆黒の闇の中で、俺のベルトが光る。機能を終えた筈のベルトが光り輝く。
しかし、そのベルトは黒いものだけではない。もう1つのベルト?
光り輝くそのベルトが俺を呼ぶ。
−「戻って来い、まだお前にはやらねばならぬことがある」と。

本来ならば、ユートリアムの目論見はWEがBEを飲み込むこと。
だが、その目論見は見事に外れた。それは完全なる融合、本来ならば溶け合うことのない白いベルトと黒いベルトが融合した姿。
死をも超える耐え難い激痛が白川の体を包み、苦しませる。
逃げる場所もない、桶の中で声にならない声が木霊する。

「俺は、何の為に戦う・・・戦えばいいんだ」

その時、どこからともなく声が聞こえる。ベルトの声だ。
黒と白。さながら神の声。

「マモレバ イイ  ニンゲンヲ スクエ」

・・・人間を救う。それが一度死んだ俺に科せられた使命なのか。
組織に裏切られ、全てに裏切られた俺が出来る事は・・・それしかない。

「ウオオォォォォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!」

去ろうとする布津野の背後で、信じられないほどの光と叫び声が渦巻く。
深夜であるはずの空が、太陽があるかのように輝く。
布津野の提唱する「ウイルス」による進化ではないもう1つの「進化」。
破滅を呼ぶ「進化」を停める為に生まれた、人類の英知による「進化」が姿を現す。
人間には2度と戻れない。だが、心は人間のままだ。

「俺は、俺だ。人間ではなかろうと・・・な。」

白川の腹部に、付けられたベルト。
それは白と黒。2つのベルトが融合した姿。
変身前でありながら、俺は奴の正体を看破することが出来た。奴は本体じゃない。

「貴様・・・”本体”ではないな。他にも、複数の貴様の反応を感じる。

・・・妹は何処だ!!言え・・・」

77 : ◆dMMbM6zhZs :2006/09/13(水) 13:39:38
名前:白川宋
勢力: TSUKUYOMI
武装:( WE「WHITE EDGE」+BE「BLACK EDGE」融合型)
    THE 「DOUBLE EDGE」ダブルエッジ 
   
特徴: 武器 双剣 「クサナギ」 「スパイラルエッジ」

「クサナギ」 BEの装備、クナイがWEの効果により進化した武器。
雷を司り、長距離からの電撃攻撃が可能。

「スパイラルエッジ」 WEに完全融合した、島村製の装備。
元々はWEには専用の刃はない為、強化されたスパイラルエッジが装備された。


DE(ダブルエッジ)
WEとBEが融合し、完成した人類の希望。
高い戦闘能力を誇るが、装着者に多大なる負荷と能力を要求する。
故に、完成後も装着者の存在しない不遇のベルトとして存在していた。
布津野との戦闘で、子供を庇い絶命した白川の正義にWEが共鳴。
BEとの奇跡の融合で新たなる力と命を彼に授けた。

しかし、最初からその力の全てを使えるわけではなく自らの鍛錬と死をも超える努力と根性が必要。
一度変身する度の、負荷も強大でありベルト自体も肉体に内蔵されている。
30を超える特殊能力を誇るが、その能力の多くは謎に包まれている。

78 :榛原 ◆fAnDqHclsQ :2006/09/13(水) 19:54:55
ワイが布津野の自室の部屋の前まで来た時、すでに中は激しい戦いが起こっとったわ。
その激しさときたら、もはやワイでは手のつけようがあらへんがな、どないしようか……。
さっき会ったボーズとお嬢ちゃんもおるし、とりあえずやり過ごすっちゅう手もあるわな、
ワイは部屋には入らずに様子を伺うことにしたわ。ちゅうか実咲の嬢ちゃんいきなり飛ばしすぎやで、
あない能力使ってるとあっという間に限界来る、EXEMの能力は永久に湧き出る泉やないんや。

「実咲・・・。よかったわ。榛原が上手くやってくれたのね。
こんなに・・・こんなに嬉しい事はないわ!イザナギ計画はより完璧なものになる!
時間のない中、イレギュラーだったけど・・・進化の礎になりに来てくれるだなんて・・・。
さあ、実咲!貴方の力を全て使って生き抜いて見せなさい!!」

次の瞬間信じられへんことが起こる。いや嘘やろ!?布津野の奴、お嬢ちゃんに攻撃しおった!?
「まさか、まさか、全てを進化とかいうのに達するために利用する気なんかい!?仲間傷付けてまで!!」
布津野のしとることは分かってる、そやけど、ワイの予想とちゃう……自分の予想を裏切られて冷汗が出る、

どうするっ、多分布津野はみんな礎にする気や、無論、ワイかて例外やない……まさか、死ぬんか?
ワイも、ここにいる奴等、弱かったら死ぬんか……そやけど。
今逃げれば逃げ切れる、潮時っちゅうもんや。

「勿論そこにいる男もお相手してあげるわよ・・・!」
「最悪の事態や……これで、ワイは居る事がバレてしもうた、」
絶望の声しか上がらん、ワイは、ワイは焦っとるっ!どうすれば!今から逃げるのは無理や。
逃げても死……戦っても限りなく死に近い、



79 :榛原 ◆fAnDqHclsQ :2006/09/13(水) 19:57:19
「どうせ、出口のない死ゆうんなら……」
ワイは部屋に入り、煙草を一本取り出し火をつける、
ワイは笑い、皆に話しかける、まあ作り笑いっちゅうやっちゃ。
「ワイはデタラメーズの戦いには介入できへん、見逃してくれへんか?」
布津野の殺気に当てられながら必死で笑いを取り繕っとる自分が情けないような気もするんやけど。
これもまぁ仕方ないっちゅうこっちゃ、油断させるためにはなぁ、
あんじょう、先島君はワイのことを見て驚いたし、少しは場がどよつく。

「そこやっ!!」
ワイはナイフを取り出し先島くんに投げる。
みんなの視線が一斉にナイフへと移る、今や、ワイはそのまま急激に加速し、
スンゴイ怖い顔しとった姐ちゃんの手首を掴み銃を奪う、

「グーデリア!」

息も付かせずグーデリアで布津野の背後に回りこむ、そう、グーデリアの一個は布津野が持っとる。
そんで、グーデリアで移動するとき、グーデリアの範囲内ならば少しは補正が利きテレポートの時の向きを選べる!
ただ移動するだけがグーデリアやない!裏切る時はいい奇襲に使えるんやっ!!
「布津野、すまんなぁ、ワイはお前の狂気に付き合おうて死ぬわけには……いかへんのや!!!」

―パンッパンッパンッ!!

薬莢が飛び出し銃は弾丸を放つ、だが傷は付いてない、こないな火力じゃ無理かい。
ワイはそのままマガジンを抜く、まだまだ銃弾はタップリ入ってる、
マガジンを渾身の力を込めて布津野の背中に叩き込むっ!
液体金属の体に確かにマガジンは刺さる。喰らうかどうかは分からへん、そやけどやるんなら今や!!

「 褒 美 喰 ろ う て 、 逝 き さ ら せ や ぁ っ ! ! 」
マガジンに一発だけ残っとる銃弾を撃ち込む、マガジンは音を立てて爆竹みたいに炸裂していく
銃弾っちゅうのはなぁ、『火薬』なんやでぇ、ワイはそのまま背中を蹴り宙返りをして地面に着地、
これで距離も空けた。

そしてなによりも、こういう行動を取ったんはワケがある、
先島くんにお嬢ちゃん、姐ちゃん、全員がワイのことを敵かどうか、判断が出来てへん。
そう、味方に付けるなら今しかないっちゅうワケや。

「先島くん!ワイやワイ、榛原やっ!ナイフ投げたんは謝る、ワイは敵やない、共闘せえへんか!?」
あの布津野に勝つには、ワイ一人じゃ無理や、殺されてしまいやでっ。
無論、これは『賭け』や。先島くんが居たから、ナイフ投げても多分先島くんなら許してくれるかもしれへんし。
先島くんの性格が無茶苦茶甘いからこそやってるんやでっ!


80 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/09/13(水) 23:47:31
僕の放った風は布津野に直進していきます。
>「ちぃっ!」
布津野は即座に爪先を斧に変形させ床に突き刺し、髪の毛を変形させました。
そして僕の風に耐えます。
[ズババババババババババババババババババババババババババババババババババババ!!]
凄まじい風の音…それでも尚布津野は耐えます。僕は歯ぎしりしました。
「っ……耐えるんですか…っ!」
顔を歪めます、流石ファルマ博士のBE…癖が強く力の調節が難しい…!!
それでも僕は止めるわけには行きません……だって……僕は布津野を睨み付けました。
「崩れろ……っ!」
だって…目の前に居る敵に証明しなきゃならないから…目の前の敵に…!人間の強さを!

―――崩れろっ!!!――――

>「おおおおおおおおおおおおお!!!!!」

その時です、大声とともに凄まじい黒い鎌もやってきます。一瞬背筋がぞぞっとします。
振り向けない…でもこれは阿久津さんだ…僕はそう感じました。
でも…何故か胸がズキッと痛みます。布津野が114のカプセルを指さしたときの光景がフラッシュバックします。
僕は一瞬ぐっと目をつむりました、風車手裏剣の面についた掌の押す力が強くなります。恐い…でも…。
僕は目を開きました。
「貫けぇぇぇえっ!!」
僕も叫びます、まるで不安をかき消すかのように…。
果たして黒い鎌は布津野に近づいていきます、ぐんぐんぐんぐんと…。

しかしその道は閉ざされました。

>「ブラフッ!!!」
[ドガッ!ドガッ!ドガッ!ドガァ―――――――ッッ!!]




「……え?」
僕は思わず目を疑いました。目の前の僕の槍が…僕の風が突然爆破したのです。
その衝動で阿久津さんの黒い鎌が砕け散ります。
[――――パリンッ!!パラパラッ…!!]
そしてその刃はまるで霰のように黒光しながら地面に堕ちていきます。
「え……嘘……っ!!」
僕はその光景に思わず唖然としました。布津野じゃない…!ましては条咲さんとかな訳がない…!
風がやんでいきます…僕は布津野の顔を見ました。その顔は僕の後ろを見て笑みをこぼしてます。そして…僕は振り返りました…。

>「遅くなりました。布津野さん」

僕は目を見開きました……忘れるはずがない……。

81 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/09/13(水) 23:50:17
この人を…この少女を…!あの日!布津野と初めて戦ったあの日!救えなかったもの…!
「…貴方は…あの日の……!」
僕は声を震わせました。だって…

そこに居たのはその救えなかったものだから…。

…忘れたことなんてなかった。
名前も知らない…何も知らない…でも僕はこの少女の事を忘れることはなかった。
自分が目の前に居て守れなかった人間を忘れられる訳がない……!でも…なんで?…そこに居る少女は何故……
>「へぇ〜この人たちがツクヨミの人たちですか・・・」
何故…

敵としてそこにいるんだ…!?

僕は黙り込んでその子を見つめるしかありません…驚きの余り言葉を失います…!
しかし僕の目の前に居る少女は僕を指さしたのです。
>「あぁ〜えーっと・・・多分君だね?さっきの風の攻撃」
「え!?あっ、はぁ…。」
思わず間抜けな返事を返してしまいます。
>「さっきのアレは・・・遊びなのかな? あぁ〜ゴメンゴメン気を落とさないで・・・
>でも、さっきのアレは荒すぎだねぇ〜、余裕で『爆弾』を入れられたし」
爆弾…?いや…でも今そこに居る少女はBEをつけてない…。
……もしや!
布津野に報告する少女……あの少女を見たときの鮮やかな笑み…そしてこの無数のカプセル…!
「…布津野……!!お前…っ!」
>「とりあえず、お手本・・・ね」
「!?うわっ!」
[ドガン!!]
僕は吹っ飛び壁に思いっ切りぶつかりました。
「いっぁ……!!」
僕は頭を抱えました…たんこぶが出来そうです…。
>「風は見えないものなんだから・・・その利点を最大限に生かさなきゃね」
少女が挑発します…僕は片手で後頭部を撫でながらゆっくりと立ち上がりました…大した怪我は追ってません…。
でも…あの攻撃でわかった…やはり彼女は布津野の実験台に…!!
[ギリッ…]
歯ぎしりをします。…間に合わなかったって事か…結局…僕は……!
僕は顔を上げふと横を見ました…。阿久津さんがカプセルに叩きつけられてます。条咲さんは…少女に向かって銃を向けてます。
しかし布津野は……

東屋さんを見つめてました。その姿はまるで自分の娘かのように…。

>「実咲・・・。よかったわ。榛原が上手くやってくれたのね。
〜省略〜
>さあ、実咲!貴方の力を全て使って生き抜いて見せなさい!!」
そう言うと布津野の腕が消えました。そして次の瞬間…!

82 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/09/13(水) 23:53:46

少女が吹き飛びます。

「ちょ!!」
僕は叫ぶと東屋さんの後ろへ瞬間移動し吹き飛んだ少女の身を受け止めました。
[ズサァアア!!]
「…!一体何を…!」
>「ふはははははっ!カンブリアの海において力ある者は誰も彼もが進化の礎となる栄光を手にする!
>綾子、進化の道に敵味方なんて矮小な区別を持ち出すあなたの限界を壊してきなさいっ!」
そう高笑いする布津野…僕は言葉を失いました。理解できない…!こんな人間…理解できるはずがない!
僕は恐ろしくなりました…目の前に居る敵、布津野という女に…。
しかし条咲さんは以前銃を向け冷静な顔をしています。
>「・・・なるほどね・・・。
〜略〜
>それと同時に・・・布津野には感謝しないとね・・・」
東屋…あの少女の名前が東屋さんっていう事を知ります。
>「でも随分と布津野にしてはしつけが甘いわ。
〜省略〜
>勿論そこにいる男もお相手してあげるわよ・・・!」

…男…?

僕は部屋の出入り口を見ました。そしてそこに居た『男』の正体を知り、思わず東屋さんを支えていた手と腕の力が抜け、下げました。

「………榛原…さん…!?」

…そこに立っていたのは孤児院の時に出会った『男』榛原さんでした。
僕は動揺を隠せません。っていうか不可解の連続で今の状況を判断することができませんでした。な、なんで榛原さんが?
そして次の瞬間…。
>「そこやっ!!」
「うぎゃっ!!」
榛原さんが投げてきたナイフが見事腰の装甲にヒット!思わず僕は尻餅をつきます。
そして榛原さんは巧みに布津野の後ろに回ると布津野に連続攻撃を食らわせます。
唖然とその光景を見つめる僕、そして榛原さんは叫びます。
>「先島くん!ワイやワイ、榛原やっ!ナイフ投げたんは謝る、ワイは敵やない、共闘せえへんか!?」
「…敵じゃ…無い?」
僕は座り込んだまま呟きました。

83 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/09/14(木) 00:31:07
しかし、次の瞬間ゾクッ!と全身の毛が立ちました。
全ての空気が冷却されます…榛原さんも顔色が変わりました。
その殺気の正体は榛原の攻撃を受けた布津野…!僕はほぼ反射的に立ち上がりました。

やばい…!

そしてその目は僕と条咲さんを映しました。
僕は装甲のついた左手を動かしました、それによって風車手裏剣が動き僕の周りを囲みます…。
…まだ…操り切れてないけど…っ!僕は布津野を見ました。でも…操れなきゃ殺される…!
僕は左手を上へ上げました。途端に風車手裏剣は上へ上がります。

「布津野…!」

そうだ…混乱してる場合じゃない、今倒さなきゃいけない敵は決まっているんだ…!
僕は左手を上に上げます。しかし、その動きは止まりました。

…阿久津…さん?

僕の目線は阿久津さんにいきました。心臓が高鳴ります。
僕の身体の芯が危険という事を知らし、僕は手を下ろしました。
[ガラン…!]
風車手裏剣が下に落ちます。
そして僕は阿久津さんの背中の鎌が…大きくなるのを見ました。
「駄目だ…」
僕はそう言うと二三歩後ろへ後ずさりしました、そして叫びます。

「駄目だ!!阿久津さん!!」

そう叫ぶと僕は阿久津さんに向かってかけだしてました。

84 :墨田 ◆lcSIPurDMU :2006/09/14(木) 03:25:30
>70
高い天井に反響した声が収まらぬうちに、応えがあった。
>「流石は私が見込んだだけはあるわ。でも・・・余興と言うにはソツがなさ過ぎない?」
墨田は自分の影を確かめ、それからヤツメウナギの周りに広がる血溜まりを見た。
その液面が隆起し、徐々に形を成してゆく。ただ盛り上がった液体から人へ、血の色から鋼の色へ。
>「せっかく隅田君が抉って楽しめるように目玉を一つ残しておいたのに、一刀で殺しちゃうのんだもの。」
「魚の目抉って遊ぶ趣味はねぇよ、…てめぇのなら話は別だけどな」
現れた布津野に向かい、墨田は小さく笑って言った。

そして布津野の背後で隔壁が下りる。
重々しい音とともに完全に隔絶された空間の中を、布津野が無造作に墨田に向けて歩み寄る。
血でべっとりと濡れた足裏が床に跡を残す。墨田は薙刀で肩を叩きながらそれを見ていた。
ぺたり、という足音とぱたぱたと血の滴る音が徐々に近付く。それでも墨田は構えなかった。

そして、あと半歩で一足一刀の間となるところまで来たところで、
床を踏みしめるだんという音とともに布津野の姿が急速に近付いた。
墨田は懐に踏み込んだ布津野が切り上げる斧を左手の脇差で受け、右の脇差を腹めがけて突き出す。
布津野はそれを手斧で止めた。墨田はとっさに肩を入れて相手を突き飛ばした。

「なんだよ、不意打ちができなきゃこんなもんか?」
脇差の柄頭同士を合わせながら墨田が言う。二本の脇差は墨田の手の中で瞬時に薙刀へと変化した。
それを一つ回して、石突を床につく。と同時に墨田の体が鋼のムカデのごとき装甲に覆われた。
「こっちもこのとおりマジだ、そのつもりで来いよ!」
言うなり踏み込んで、布津野の足元を薙ぎはらう。

85 :阿久津 ◆Oa4ipRdfjI :2006/09/14(木) 22:28:05
突然に砕けていく刄、しかし痛みは伝わっては来ない。
既に痛みを感じる事すら出来ぬ程に、阿美の身体は崩壊していたからだ。
>「遅くなりました。布津野さん」
阿美は見た。そこ居たのは見たことのない姿をした少女。
>「へぇ〜この人たちがツクヨミの人たちですか…」
少女は笑う。しかしその眼は笑ってはいない、鋭く刺さるように睨み付けてきた。

砕け散った刄の煌めきが風に舞い、阿美は崩れ落ちそうになる自分を堪えるのに必死だった。
だが布津野はそんな事はお構い無しに、風が消えた瞬間、高速で崎島の脇をすり抜け、阿美の背後に現れる。
その襟首を鷲掴みにして持ち上げる。バキバキと装甲がひび割れ、息が出来なくなる!
>「くっくっくっくっ!せっかくの里帰りなんだし、懐かしい顔に挨拶してらっしゃい!!」
数歩分、阿美を引き摺って歩き、壁に向って叩き付けた。その勢いに阿美の大鎌が半ばから
 へし折られ、床に刺さった鎌はだらりと傾き、天井の鎌はガランと音を立てて落下した。
受身も取れぬままに特殊カプセルに叩き付けられ、意識が一瞬途切れそうになる。
そのカプセルの番号は117。
かつて阿美が救えなかった小さな女の子、千佳の番号……

カプセルの中に浮かぶ丸い物体、大きさはボウリング玉くらいか。
半透明に薄く濁った培養液に遮られて、物体の詳細は見えなかった。最初の間だけは…
阿美がぶつかった為に、中の物体がゆらゆらと動き、外側に近付いてくる。
頭だった。
首から下は一切存在しない、単なる人間の頭部そのものだった。
それと目が合った途端、阿美は発狂してしまいそうになる。
千佳の頭部には目が“無かった”からだ。
御堂が投げてよこした小さなカプセル、あの中身は本当に千佳の目玉だったという事になる。
生きていてほしい。ずっとそう願っていた幼い少女は、とうの昔に死んでいた!!
「あぁ……ああああああ………うああああああああああ!!!!」
まともに声が出ない。上手く言葉にならない。

燃え盛る憎しみの焔は消え去り、とめどない絶望感と、無力感に押し潰されて、
阿美は今度こそ意識を失った……

遠くに崎島の声が聞こえたような気がしたが、阿美にはもう……届かなかった。

光は、遂に届かなかったのだ……




86 :千佳:2006/09/14(木) 22:31:14
私の体を返してよぉ返して返して返してよぉ

87 :名無しになりきれ:2006/09/14(木) 22:34:59
だが断る

88 :東屋 実咲 ◆AHL7KHofQw :2006/09/14(木) 23:34:38
―バキュン!!
「!?」
突然の銃声に驚き、その場で少しばかり跳ねる。
偶然かどうかは知らないが弾丸は東屋の頬を掠っただけで済んだ。
すぐに銃声がした方向を見ると、そこには、いかにもキャリアウーマン的な人がこっちに向かって銃を向けていた。

>「・・・人の闘いに手を出すなんて飛んだじゃじゃ馬さんね。東屋実咲さん・・・。」

「いや〜どうも、3対1の戦いってのは好きじゃないんですよ。
 数の暴力って奴?・・・って私まだ名乗ってないのに・・・」
わなわなと指を差し驚く東屋・・・それを尻目に女は語る。

>「・・・なるほどね・・・。 TSUKUYOMIを裏切ったって訳・・・。 残念だわ・・・東屋さん・・それと同時に・・・布津野には感謝しないとね・・・」
「裏切り?いやいや・・・そちら側に属した覚えはありませんよ。
 大体このベルトだって拾ったものだし・・・」
必死に説明をするも・・・その人はまったく話を聞いているようには見えなかった。
そして、また睨まれる。
>「・・・何にしろ東屋実咲。
 貴方がAMATERASUの一員としてどうしても闘いに参加したいのなら私がお相手するわわ。
 TSUKUYOMIの忠実な下部としてね・・・。 」
「そうですか・・・ならそうさせてもらいます・・・」
ベルトに手をかけ、瞳を閉じ、急激に感情を高ぶらせる。
√レv──wヘ√レvヽwヘ√レv EXPLOSION ──wヘ√レvヽwヘ√レv─
巻き上がる旋風と共に銀色の粒子が東屋の体に付着し、徐々に形を作っていく
√レv──wヘ√レvヽwヘ√レv STYLE DragonHead ─wヘ√レvヽwヘ√レv─
龍をモチーフにした籠手が両腕に装着されたときには、もう向こうの変身も終わっていた。

「さてと・・・ちゃちゃっと・・・」
>「さあ、実咲!貴方の力を全て使って生き抜いて見せなさい!!」
と戦おうとした瞬間・・・後ろで布津野が東屋に語る・・・
そのすぐ後に・・・左腕に強力な衝撃を感じ、東屋は吹っ飛んだ・・・
偶然にも、その衝撃は籠手の上から来たので、骨までダメージは受けなかったが・・・感覚が無いぐらいに痺れてしまい、しばらくは使えないままとなった。
突然の出来事に何がなんだかよくわからないまま壁に衝突・・・と思えたが・・・

>瞬間移動し吹き飛んだ少女の身を受け止めました。
「え・・・」
誰かに受け止められたのを体で感じ、見上げてみる。
そこには・・・さっきぶっ飛ばした少年がそこにいた・・・
「どうして?ってゆうか・・・重たくない?」
少々プルプルと振動しているのが、背中から感じられたので聞くと・・・
>支えていた手と腕の力が抜け、下げました。
いきなり落とされ、思いっきり尻餅をつかされる。
「いったー!!!別に重いからってこんな乱暴な真似は・・・」
と少年が見る視線を追うとそこには榛原が布津野に攻撃を喰らわせているのが見える。

89 :東屋 実咲 ◆AHL7KHofQw :2006/09/15(金) 00:10:09
「え・・・」
東屋はその場で凍っていた。
状況の流れが急激過ぎたので思考がついていけない・・・
布津野からの攻撃、敵として対峙した少年からの援護、そして、裏切り
混乱する要素としては十分だった・・・
いろいろな言葉が飛び交うなか・・・記憶の片隅にあった言葉を思い出す。
「いい?実咲?この計画は私が殺されなきゃ意味が無いの・・・わかる?
 ・・・あなたに一言言っておくわ・・・戦いが始まったら・・・裏切りなさい
 そして、私を殺すの・・・あなたの最大の技でね」
それは・・・布津野が東屋に施設を案内していたとき言った言葉である。
そのときの東屋はその言葉がこのことを意味しているなんてまったく知らなかった。
「そうか・・・」
そう呟いて、右手を地面に添える。
「・・・裏切っちゃお・・・ブラフ・・・wall of naga 」
悪戯を仕掛けようとする子供のような微笑を浮かべ、風を右腕に集める。
右腕に集まった風はまるで蛇が這うかのごとく、二つの入り口へと向かう。
徐々に集まり、そして大きくなる蛇の風は二つの入り口に蓋をした。
「蓋はした・・・後は気圧が下がるのを待てば・・・」
と裏切りの準備が出来たので、近くにいた崎島の肩を叩く
「君のBEってさ・・・気圧操作とか出来るの?
 出来るならさぁ〜ちょっと手伝ってよ・・・私だけだと多分三十分ぐらいかかっちゃうからさ」

90 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/09/15(金) 00:54:45
>「あぁ……ああああああ………うああああああああああ!!!!」

絶叫する阿久津さん、一瞬もの凄くドロリとした嫌な予感に見舞われます。
嫌だ…!そんな昔…嫌だ!この感触だ…この感触が僕を…!
しかしその感覚は一瞬にしてばっと消えました。そして阿久津さんは倒れました。
「!!…阿久津さん?」
僕は足を止めます。…死ん…だ?いやっ、違う。生きてる…?
その時です。僕の横に斧が飛んでくるのが見ました、僕は反射的に装甲が付いた左手を縦にします。

[ドガッ!]

「つあぁっ!!」
僕は吹っ飛びました。一瞬宙に浮きつつ、踏ん張ります。
[ズサァァァアア!!!]
「っ…っく…」
僕は攻撃した本人をみます。それは布津野でした。
僕はゆっくりと手を下げます。そして周りを見ました。
僕をここまで連れてきてくれた条咲さん、孤児院であった榛原さん、救えなかった少女東屋さん…そして、阿久津さん。
いろんな思考が混ざったこの部屋の中。僕は若干混乱気味でした。
色々な事がいっぺんに起きすぎて…色々な思いがいっぱいありすぎて……。
そんな中、僕に東屋さんが話しかけます。

>「君のBEってさ・・・気圧操作とか出来るの?
> 出来るならさぁ〜ちょっと手伝ってよ・・・私だけだと多分三十分ぐらいかかっちゃうからさ」

気圧操作…?
僕は少し考えました。気圧……さっきの東屋さんの攻撃の時の…。
……!?
「あ…!」
そう言うと僕は手を叩きました。そして僕は右足を見るとジャンプしました。
[トンッ……。]
右足一本で立ちます。
いや、正確に言えば地面から5mmほど宙に浮いています。…!やっぱし!
僕は条咲さんを見ました。…恐らく…大丈夫だよね…?BE装着してるし…
東屋さんを見ます。…この子も…
そして…僕は榛原さんを見ました。
「…榛原さん……。」
僕は名前を呼びます。そしてにこっと微笑みました。
「……分かりました…信じますよ……何かあったら阿久津さんを…よろしくお願いします。」
そう言うと僕は上空に飛び上がりました、今度は羽根を動かして。
やっと気付いた…!…さっき東屋さんの攻撃を受けたときに吹っ飛んだときのスピードの違和感!
僕は地面から約2mほど離れた所で止まりました。そして僕は叫びました!
「いっせーのーせっ!!」
羽根の機能を止めます、そして僕は当然ながら墜ちていきます。
つきだした右足、そして、その右足が壁との面に触れる6mm前!!
その能力は働きます。

〈Giant wing from the ground-登竜風-!!〉

[ブワァ――――――ン!!]

91 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/09/15(金) 00:58:40
すると途端に部屋の地面から大きな風が吹きます。

いや、これは巨大な上昇気流!!

巨大な上昇気流が働いたことによって僕と周辺半径約5m以内の人間が2mぐらい浮かび上がります。
そう、それは布津野も同様。
「…ちょっと僕に付いてきてください!」
そう言うと、僕は東屋さんの腕を掴むと布津野に向かって飛んでいきました。

僕のBEが真の力を発揮できる空間。
それはまさしく"空"!僕は風車手裏剣を一枚操ると僕の片手に持ちます。
そして、僕は浮かんだ布津野の体から約2m上のところに来ると手裏剣を上に持ち上げました。
手には風を帯びた風車手裏剣。
そして…あの時の助言…!

手裏剣は『投げる』のではなく『打つ』!

今まで風で飛ばすことしか出来なかった手裏剣、でも今回のVer3は手裏剣からも風が出るようになってます…
だから尚更その破壊力は増したはず!
僕は布津野の上数mの所で止まると東屋さんに言いました。
「気圧が欲しいって言いましたよね…」
そう言うと僕は東屋さんを見ました。そして…笑うと。

「んじゃいきますよ!せいのっ!」

すると僕は足をぐいっと動かしました、それにより上昇気流が下降気流に切り替わります。
〈Giant from heaven fist wing-下竜風-!!〉
下降気流とは即ち低気圧になったときに起こる現象…!
僕と東屋さんは布津野に向かって墜ちます。風を帯びた風車手裏剣!それが狙うわ布津野!

〈Falling black wind-風の黒刃-!〉

黒い刃は布津野の腰周辺を狙っていきます

92 :赤木 ◆WHN5o4DexM :2006/09/15(金) 12:19:40
(TSUKUYOMI 最深部 そこに赤木は佇んだままでいる。布津野珠美との交信を
終えた彼が次に向かう先は、「百千万億 二千六百年」が眠る部屋)


百千万億が眠る新宿中央病院の地下室。それは夢のような、現実のような出来事だった。
「百千万億 二千六百年・・・君は、何を望むんだい?」
百千万億の前にいるのは、アロハシャツを着た柔和な顔立ちの男。
「さっさと、目を覚ましなよ。それとも、このまま眠るかい?・・・ここでさぁ。」
男は微笑んでだまま、百千万億を見つめている。だが、目は笑ってない。
蛇のような、人間ではない異形の瞳。黄色の目が、百千万億を睨む。

男は不意に、手をかざす。すると百千万億の寝ていたベッドが盛り上がり、天井高く飛び上がり地上へと急降下していく。
ベッドは粉々に砕け、倒れ込む百千万億。

「目覚ましなんざ、自分でかけとくもんだぜ?それとも・・・ママに起こしてもらわなきゃ駄目なクチかい?」

ニヤニヤと笑い、男は百千万億を見下す。
そこにあるのは優しさではなく、単純なる悪意でしかない。
男が百千万億を起こしたのは、単なる遊びなのだ。

「楽しんだもん勝ちだぜ・・・人生ってのはさ。」

倒れこんだままの百千万億に背を向け、歩いていく男。
彼の背は、まだ見える。追うも、追わぬも百千万億の自由だ。

93 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/09/15(金) 14:00:23
前回のスレの訂正

>「あぁ……ああああああ………うああああああああああ!!!!」

絶叫する阿久津さん、一瞬もの凄くドロリとした嫌な予感に見舞われます。
嫌だ…!そんな昔…嫌だ!この感触だ…この感触が僕を…!
しかしその感覚は一瞬にしてばっと消えました。そして阿久津さんは倒れました。
「!!…阿久津さん?」
僕は足を止めます。…死ん…だ?いやっ、違う。生きてる…?
その時です。僕の横に斧が飛んでくるのが見ました、僕は反射的に装甲が付いた左手を縦にします。

[ドガッ!]

「つあぁっ!!」
僕は吹っ飛びました。一瞬宙に浮きつつ、踏ん張ります。
[ズサァァァアア!!!]
「っ…っく…」
僕は攻撃した本人をみます。それは布津野でした。
僕はゆっくりと手を下げます。そして周りを見ました。
僕をここまで連れてきてくれた条咲さん、孤児院であった榛原さん、救えなかった少女東屋さん…そして、阿久津さん。
いろんな思考が混ざったこの部屋の中。僕は若干混乱気味でした。
色々な事がいっぺんに起きすぎて…色々な思いがいっぱいありすぎて……。
そんな中、僕に東屋さんが話しかけます。

>「君のBEってさ・・・気圧操作とか出来るの?
> 出来るならさぁ〜ちょっと手伝ってよ・・・私だけだと多分三十分ぐらいかかっちゃうからさ」

気圧操作…?
僕は東屋さんの装甲の顔を見ました。その雰囲気は何やら覚悟したようです…。

……。

僕は手を地面に当てました。
罠かなんか仕掛けられるかなんなのか良く知れませんが……。

〈AirDown..!〉
[ボワ…!]

いっぺんに部屋の気圧が下がります。
…まだ馴染まない武器…
そして阿久津さんの事…榛原さんの事…そんなことで頭がいっぱいいっぱいの中…
僕は黙って彼女の行動を見ます。東屋 実咲という目の前にいる…阿久津さんと同い年ぐらいの少女の行動を。

94 :アぬビスExeM:2006/09/16(土) 16:14:28
主の魂我に捧げよ・・・・・

95 :千佳:2006/09/16(土) 16:20:16
阿久津お姉ちゃんもこっちにおいでよぉ・・・・
あの世は楽しいよぉ・・・
ねえぇってばぁ・・・
あはははははははははははははははははははははははははははははははは
死んだ筈の人間の幻が襲う

96 :名無しになりきれ:2006/09/16(土) 16:31:10
周りにあるカプセルを見渡すと中途半端に解剖された自分が周りを取り囲んでいた
脳がむき出しになった自分
内臓が出ている自分
首から下が無い自分
首から下だけの自分
自分
自分
自分
自分
自分






すべて自分だった

97 :名無しになりきれ:2006/09/16(土) 16:40:11
そこは戦場だった
突撃している人間に鉄片が飛来して走っている人間の胴体を真っ二つに引き裂き、そのまま上半身だけが前に落ちる
そんな戦場だった
さっきまで仲良く喋りあっていた仲間が気づいた次の瞬間には腕だけになっている
そんな戦場だった
隣にいた男の胸が張り裂け心臓を持った血まみれの腕が飛び出す
そんな戦場だった

98 :条咲綾子 ◆2TlaRARhhA :2006/09/17(日) 19:15:09
榛原という男に東屋実咲・・・

条咲は静かに考えていた。
崎島も混乱のご様子だ。
条咲はその様子を静かに見つめる。
そして阿久津の様子も・・・。

阿久津阿美、東屋実咲、崎島瓜夜。

この三人がようやく出会った。

その事を再確認すると、
東屋の攻撃後、
条咲は動いた。

真っ赤な蝶に自らの足に鱗粉をつけさせる。
強化粉。
これによって条咲は筋肉が強化され尋常ではない早さになる。

―ばっ!

そして素早く布津野の後ろに回った。
布津野めがけて黒い爪を伸ばす。

―ガッ!!

そして次の瞬間、
装甲から黄緑の蝶2匹が出て来ると
素早く布津野の右足と左足に鱗粉をまとわりつけた。

黄緑色の鱗粉、
その名も分銅粉。
この鱗粉を纏った物の重さを自由に操る鱗粉だ。
これにより、
布津野の右足の重さを50kg+、左足を4kg近く軽くする。
もっとも鱗粉を取ってしまえば無効になるし、
これぐらい布津野には大した差じゃないかもしれないが・・・
条咲は叫んだ。

「崎島くん!
左足に風の攻撃を!」


99 :条咲綾子 ◆2TlaRARhhA :2006/09/17(日) 19:21:42
そして素早く榛原の背後へ行き、
後ろの首根っこを掴み
取りあえず共に崎島の背後に回った。
崎島の背後に回ったときにはすでに息が荒かった。
強化したとはいえ、体力がついていかないのだ。
しかし、条咲は攻撃をし終わった崎島を見ると一回ビンタした。

―パンッ・・・!

「いい加減っ・・・
しっかりしなさい!崎島くん。」

そう言う条咲。
息を何とか整えながら言った。

「確かに・・・この状況は混乱するわ。
でもね、貴方がここまで来た目的を見失わないで!
貴方がここまで来たのは布津野を倒すためでしょうが!」

そう叫ぶと条咲は阿久津、東屋、榛原を見た。

「・・・貴方が決めなさい。
この二人と手を組むかどうかは。
・・・私は何も言わない。
阿久津さんは・・・彼女を信じましょう。
・・・大丈夫よ・・・彼女なら・・・きっと・・・。」

そう言うと条咲は再度布津野の方へ向いた。

「布津野。
屍の上に屍を重ね未来へ続く道を造る。
・・・それが・・・貴方の望んだ事よね。」

そう言うと装甲の中から黄緑の蝶と赤い蝶を再度出した。

「けど・・・貴方は・・・
今のこの状況に陥ってもそれを望むの?
・・・このままだと未来を見届ける前に貴方が屍となるわよ・・・。」

そう言うと一瞬条咲は哀しそうな表情をする。

100 :ウルフガイ:2006/09/17(日) 20:31:11
その頃おれは300体の敵と戦っていた

「スーパーイナズマ重力落とし!!」

迫り来るB級EXeMをばったばったとなぎ倒していく俺様

「食らえ!!マッシブバンカー!!」

辺りには血と脳漿が散らばる

「牙狼三段返し!!」

そこはまさに地獄絵図をかもし出していた

「畜生他の連中は何してやがんだ!!」

次の瞬間ウルフガイは敵にまとわりつかれた

「くっ・・・負けて・・・たまるかぁ!!」

戦いは続く


101 :布津野 珠美 ◆0ol//9//Sw :2006/09/17(日) 22:52:41
【新宿中央病院・地下一階】
軽い失望感と共に振り下ろした斧は、確実に子供の脳天を割るはずだったのだ。
それがなぜか斧は白川の背中に刺さっている。
吹き飛ばされ変身は強制解除され、既に虫の息だったはずだ。
それゆえに布津野の目は驚きに見開かれていた。
だが、それもすぐに深い失望へと変わる。
今度こそ、白川は死んだのだ。確実に。

生身の身体で布津野の攻撃を喰らえば当然の帰結。
消える瞬間ひときわ大きく光る蝋燭の炎のように、死ぬ間際に一瞬だけ力が出たのだろう。
死ぬ間際の一瞬の力など布津野は欲していない。
あくまで生きる為の力を欲しているのだから。

深いため息と共に振り返る。
既に骸と化した白川には何の興味もないのだ。
かといって、今更子供の一人など追いかける意味もない。
手近に殺すべき相手がいるのだから。
鋭く振り返り、イズミへと歩を進める。

が、その歩みは途中で止まることになる。
背後で巻き起こる圧倒的な変化。
眩いばかりの光。
振り向いた先には、死んだはずの白川が立っている!
「〜〜〜!成る程成る程、ユートリアム博士が先に唾つけていたのね。」
光と共に立ち上がる白川の姿を見て全てを悟った。
白川の背後にユートリアムの影を見て取ったのだ。
>「貴様・・・”本体”ではないな。他にも、複数の貴様の反応を感じる。
>・・・妹は何処だ!!言え・・・」
溢れ出る光と力を感じさせずには入られない力強い声。
最早先ほどまでの白川とは別人、いや、別物といえるだろう。

「ふふふふ!進化とは変化よ。無限に繋がる連鎖!一代限りの機械と化す事は単なる強化だと。昔進言したのに
ね!
ユートリアム博士、貴方は愚かにも進化を取り違え突き進んだのね。
でもいいわ、進化の礎になれるのならば、ね。そして新時代にも生きられるように私が救ってあげる!!」
布津野が首を回すと、長い髪の毛が綺麗な円の軌跡を描く。
その軌跡は途切れる事無く、髪の毛から離れ直径2mほどの輪となった。
その輪は髪が変化した斧の集合体。
布津野を中心に高速回転する巨大なホイールソーと化す!

「白川君。貴方がここまで来る間に殺したEXeMの顔、ちゃんと確認してきたのならもう再会できていたのかもね?」
嘲笑と共に答える布津野の体が一回り小さくなった事に気付いただろうか?
液体金属の体の硬軟は身体にかける圧力による。
今、布津野は自分の身体に極限まで圧力をかけ、最硬の体となっているのだ。
「さあ、全ての疑問を知りたければ私を倒してみなさい!その時、全ての謎は解けるわ!」
その言葉と共に跳躍する布津野。
布津野を中心に高速回転する巨大ホイールソーから斧が数本飛び出て、白川の周囲の柱や床に突き刺さる。
突き刺さった斧は周囲に亀裂を走らせ、崩落を導いたのだ。
度重なる戦いの衝撃で脆くなっていたのだろう。
跳躍していた布津野は崩れ落ちる床に影響される事なく、天井を足場に三角飛びで白川に襲い掛かる。
「さあ、ユートリアム博士!正しき進化の形がどちらか、今、答えを出してあげるっ!!」
あらゆるものを削り取りる凶悪な刃がその回転の余り眩く白い光を放ち、、布津野の全身全霊の力で白川に迫る。

102 :布津野 珠美 ◆0ol//9//Sw :2006/09/17(日) 22:54:24
【AMATERASU施設・布津野の部屋】
飛び散る刃。叩きつけられ絶叫する阿久津。
その様子を見て心底満足そうに微笑んでいる。
東屋を叩き飛ばし、暴虐の限りを尽くす布津野の前に現れた男、榛原。
その榛原の裏切りは、布津野が望んでいた行動だった。
グーデリアで死角に入られ、マガジンごと爆発させるその決断の早さはすがすがしくもある。
「よく・・・決断したわね・・・。」
崎島に共闘を申し入れる榛原の背後で、殺気が具現化するかのような呟きが漏れる。
爆発したマガジンは布津野の背中に僅かな窪みを作ったが、それもすぐに治ってしまう。

崎島の動きも早かった。
吹き飛ばされた東屋を受け止めたのだ。
東屋は受け止められたことに驚き、そして何かを決断したように室内の気圧を下げる動作に入る。
そこに響く阿久津の叫び声。
驚いてそちらに向おうとする崎島の首に向って斧が飛ぶ!
「人の事を気にしている暇があって?首を飛ばさなかったのは礼よ?
実咲は榛原と違って理念を教えておいても行動に移せるか性格的に不安だったのだけど、ちゃんと牙を剥いてくれたか
ら、ね。」
反射的に腕でガードして、斧を弾いた崎島の視線の先には布津野が立っている。
崎島も東屋に倣い、気圧操作を始めるが無防備な二人をそのまま見ているわけはない。

阿久津は身体が崩壊。東屋、崎島は気圧操作には行っている。榛原、条咲は直接攻撃するタイプではない。
今の布津野を止められる状態の者はいないのだ。

その判断が意外なほど早い条咲の動きへの対処を遅れさせたのだ。
背後を取られ、黒い爪を伸ばされる。
だが、それに動じる事はない。
液体金属の体となった今、殆どの物理的攻撃が無効化出来るからだ。
条咲の攻撃を避けるわけでもなく、耐える訳でもなくそのままに放置し、反撃を加える。
一瞬のうちに体勢を入れ替え、頭と胸に斧は迫る。はずだった。
だが、斧は条咲の身体から三十センチ以上離れた空を切る。
重さを自由に操る燐分が効いているのだ。
ただ片方を重くしただけなら体勢を崩すのを耐える事も出来ただろう。
だが、左足を軽くした事により、バランスが崩れたのだ。

必殺の間合いを逃れた条咲は榛原を引き摺り、崎島の元へ移動。態勢を整える。
そして蝶を出現させながら布津野に語りかける。
「屍の上に屍を重ねる?選んだ?違うわ。これは生命の必然なのよ。
それを否定するのは生の壮絶さから目を逸らす人間だけ・・・。
それに、この状況こそ私が望み、作り出したのよ!」
嘲笑うかのように布津野の足が粟立ち、燐分を弾き飛ばした。
「私が屍になっても、未来に続いて育種の生命に繋がるのよ。
勿論、貴方達もね!
進化の過渡期に生まれ、時代へ繋げる礎として!」
悲しげな表情を浮かべた条咲とは対照的に、布津野は歓喜の笑みを浮かべる。
そして次の行動により、布津野は人間の形ではなくなった。

最初に髪が四に伸びて部屋の壁を囲う特殊カプセルに突き刺さる。
髪だけでなく、身体も八方に伸びカプセルに突き刺さる。
室内は布津野のいた場所を中心に縦横無尽に銀糸の走る状態になる。
カプセルを貫き、内部の実験体は突き刺さった銀糸の先からメタリックシルバーへと変質して行った。
布津野が実験体を侵食、同化して行っているのだ。
150あるカプセルの大半は布津野の苗床と化したのだ。
縦横無尽に走る銀糸は徐々に太くなり、最終的には銀の密林と化していた。
「ふふふ、一人一人殺すのも大変だし、一度に殺してあげる!」
密林の中心に浮かび上がる布津野の顔が冷酷に宣言すると、銀の密林から斧が無数に出て部屋を埋め尽くす。
室内の全てのものを切り刻まんとして!

103 :布津野 珠美 ◆0ol//9//Sw :2006/09/17(日) 22:55:29
【AMATERASU・第一階層】
>「こっちもこのとおりマジだ、そのつもりで来いよ!」
数手の攻防の後、変身しながら叫ぶ墨田。
その姿に布津野はうっとりとした視線を向けている。

墨田は初期感染者にして天然のハイブリットタイプといえる存在。
人間性が強すぎて殆ど直接的な戦いをしてこなかった。
だが、その墨田が全力を持って自分に立ち向かってきている。
激する事はなくともその強さで空気が震えるほどなのだ。

鋭い踏み込みと共に、足元をなぎ払うが布津野は動こうとはしない。
刃はそのままふくらはぎを切り裂き、脛を断った。
だが、刃が通り過ぎればまたその部分は何事もなかったようにくっついている。
そう、布津野の液体金属ボディーの圧力操作でまるで沼に刃を振るったかのような感覚に捉われるだろう。

「ふふふふ、その気迫、その鋭さ。嬉しいけど、足りないわ。」
笑いに肩を揺すらせながら背を向け、出口へと歩いていく。
性格には出口付近で横たわっている巨大ヤツメウナギの死体、であるのだが。
巨大な肉塊と化したそれに手を当てると、その部分が布津野と同じ液体金属と変わっていく。
布津野の体組織が他生物の体組織を侵食・同化して行っているのだ。

「ねえ、隅田君。私の身体は液体金属。本来斬った突いたなんて意味のない攻撃よ。」
話しながらも侵食は進み、巨大な頭(1/2)を侵食しきったところで振り向く。
液体金属と化した巨大な頭は、その指先から布津野に飲み込まれていく。
「だからといって付け焼刃の小細工をするなんて愚の骨頂よ。
あらゆるものを蹂躙し、薙ぎ倒す圧倒的な力。それがあればいいの!」
完全に頭を飲み込み、振り向いた時、布津野の髪は巨大な翼上になって広がった。
巨大ヤツメウナギの頭と同化した液体金属が、全て髪の毛に集まったのだ。
「私は嬲りながら殺すのは大好きだけど、時間がないの。
全力で殺してあげる。だから・・・あるのなら小出しにせずに全部!今ここで出して生き残って見せないさい!!」
大きく広がった髪は正に巨大な翼!
ただし、羽は一枚一枚全て鋭い斧となっている、凶器の翼。

鋭い踏み込みとともに間合いを詰め、墨田を包み込むように翼を閉じる。
墨田は見ただろう、全方向から迫り来る斧斧斧斧斧斧斧斧斧・・・・・・!
触れれば一瞬でズタズタにされミンチと化すだろう。
そして眼前に迫るは、両手に斧を持ち、凶器の笑い声を上げる布津野!

104 :ウルフガイ:2006/09/18(月) 01:59:13
エディ「死ねウルフ!!」
貴様はエディ!!
エディは体を刃物のようにして攻撃した
ぬお!!俺のズボンのベルトが・・・許さんファイヤーマッシブバンカー!!
エディ「なにぃ!!うぎゃーーーーーーーーーーー俺様が・・この俺様が燃える・・だと・・」

エディ燃死!!

花道「うほ!いい・お・と・こ」

気持ち悪いのが来たな・・・

花道は跳歩して蹴りによる衝撃波を放った!!

うおぅ!!・・・BEが無かったら死んでたぜ!!反撃をさせてもらう!!

ウルフガイは吹っ飛ばされた勢いを利用して病院の壁を蹴って花道に襲いかかった!!

フライングマッシブバンカー!!

パイルバンカーが花道の頭を粉砕した!!



105 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/09/18(月) 13:17:45
>101
布津野は一瞬、驚いた顔を見せたがまたいつもの嘲笑に戻る。
「〜〜〜!成る程成る程、ユートリアム博士が先に唾つけていたのね。」

ユートリアム博士・・・そうか。親父の師匠だったあの人が俺を。
そして確かに、今の俺にはあの人の心を背中に感じる。
いや、博士だけやない。俺の後ろにいるのは・・・?

「布津野・・・感じるか?俺の後ろにいるのは、博士の想いだけじゃない。
沢山の想いが、俺を突き動かす。・・・お前に、TSUKUYOMIに殺された人間の想いだ。
それとも・・・心を捨てたお前には、分からないのか?」

沢山の魂と想いが俺を支えている。復活した体は、辛い。まだ完璧に動かせるわけもない。
自分でさえ、自分の体がどれ程の能力を持っているかを知らないのだから。


「ふふふふ!進化とは変化よ。無限に繋がる連鎖!一代限りの機械と化す事は単なる強化だと。昔進言したのに
ね!
ユートリアム博士、貴方は愚かにも進化を取り違え突き進んだのね。
でもいいわ、進化の礎になれるのならば、ね。そして新時代にも生きられるように私が救ってあげる!!」

闇の中で、布津野の叫びが響く。
だが、俺は動じる様子もなく・・・奴へ歩みを進めていく。
腹部のベルト、DEが周囲のパワーを取り込みながら変身形態への準備を終えていく。
光と、闇。2つの力を持つベルトは太陽の輝きの如く布津野の目を照らす。

「確かに、俺は機械の体かもしれない・・・限界だってあるだろう。
だが、俺はそれでも構わない。いや・・・それだけでもいい。
だが、” 心 ”だけは!!” 魂 ”だけは・・・貴様には負けない!!

進化?笑わせるな・・・貴様のやっていることは、ただの 殺 戮 だ。」

巨大なホイールソーとなり、周囲を破壊しながら俺に接近する。
死ぬのが怖い?あぁ、怖いさ。だが、だからこそ一生懸命生きているんだろ?
俺は不思議と、冷静だった。目の前には最悪の敵が迫っているというのに。

「白川君。貴方がここまで来る間に殺したEXeMの顔、ちゃんと確認してきたのならもう再会できていたのかもね?」

その言葉の意味を理解したとき、俺の心の太陽が真っ赤に燃え上がる。
まさか、妹が。妹がEXeMだとでもいうのか・・・?
俺が倒してきたあの殺戮生物と同じ・・・だと!?

「それは・・・妹のことか?


妹の子とかぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!!!」


布津野の体が一回り小さくなり、周囲の壁を破壊しながら俺に接近する。
体を小さくすることにより、より強固な体になっているというわけか・・・
突き刺さった斧が周囲に亀裂を与え、崩壊を始める引き金となる。
天井へ三角飛びで移動した奴が俺に向かう。
凶悪な力、おそらく奴の全身全霊だろう・・・だが、俺は動じない。


「・・・来い。」


その瞬間、病院全体を包むような凄まじい光が地下一階を包んだ。


106 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/09/18(月) 13:34:02
「うっ・・・うぉおおおおおお!!!!」

布津野はおそらくその行動に、理解できていないだろう。
何故なら、俺は変身が済んでいない「生身」で奴の攻撃を受け止めたのだから。
両腕は奴の刃で傷付き、血が止めどなく流れている・・・だがそれでも俺は止めない。
変身能力がまだ不完全な俺は、自分の力を制御できないでいたから。
いや、それよりもこの女に、見せてやりたかったのかもしれない。

人間の「心」の強さってやつを。

「はは・・・かっこ悪いか?あぁ、かっこ悪い。
だが、これだけは覚えておけ・・・!!力だけが強さじゃない。
強大な力に屈しない” 心の強さ ”こそ・・・本当の強さなんだ!」

その瞬間、不思議なことが起こった。
ベルトが最大の光を放ち、俺の体を黒いボディへと変えていく。
そして目には真っ赤な光。拳には、凄まじいエネルギーが宿っていく。
俺を布津野を掴んだまま、ゆっくりと呟く。変わっていく自分へ、呼びかけるように。

「変− ヘンシン −身」


次の瞬間、俺は黒い体を持つ赤き目の戦士へと変わっていた。
その姿は太古の戦士「スサノオ」を思わせる雄雄しさに満ちていた。
俺は布津野の顔を見据え、その分身の正体を見抜く。

「・・・妹の力を感じる・・・お前の分身と一緒か。」

そして振り下ろされる拳。剣でもなく、武器でもない。
ただの拳。だが、想いを込めた拳はどんな力にも負けはしない。
太陽の熱にも負けぬ灼熱の拳が、布津野の顔面を抉り吹き飛ばす。
崩落していく地下一階の中で、そこだけ時間が止まったかのように静かに見える。
俺は布津野を見据え、悲しそうに呟く。

「お前には、悲しみが見える・・・だが、その悲しみを欲望に変えたところで
お前の中の悲しみが消えるわけじゃない。・・・終わりだ、布津野・・・お前は間違っていたんだ。」


107 :イズミ ◆X5JR6KgEJo :2006/09/18(月) 23:37:43
「……終わった?」
崩れていく地下で佇む一人の男。
……暫く見ない間に人間は随分強くなったらしい。あの一撃だったら、死んでもおかしくないんだけれど、彼は無事だったようだ。流石、黒い人は違う。
しかし……
「早く逃げないとその子が危ない」
そう男に声をかける。彼にしろ、僕にしろ、たかだか建物の崩壊なんて死んじゃう様なドジは踏まない。
けど、あの少年は違う。僕の様な化け物でもなければ、彼の様な超能力持ちでもない。ただの子供、ただの無力な生物だ。
「急ぎましょうか?」
そう、彼に微笑みかける。(貴方は、この後、僕を狩るつもりですか?)
言外にそう問掛ける、そんな笑みで。

108 :墨田 ◆lcSIPurDMU :2006/09/19(火) 02:52:26
>103
振り回した刃先は過たず布津野の脛へ食い込む。手応えはあった。
だが、刃が切り裂いたはしから肉が結合していく。墨田の動体視力ならはっきりとそれを見られた。
結局刃はただ通り過ぎただけだ。布津野に何一つ打撃を与えることなく。
>「ふふふふ、その気迫、その鋭さ。嬉しいけど、足りないわ。」
布津野は笑いながら墨田から離れていく。ヤツメウナギの死体に歩み寄り、手を触れた。
そこから鉄の色がじわじわと死体を蝕んでいった。

>「ねえ、隅田君。私の身体は液体金属。本来斬った突いたなんて意味のない攻撃よ。」
>「だからといって付け焼刃の小細工をするなんて愚の骨頂よ。
>あらゆるものを蹂躙し、薙ぎ倒す圧倒的な力。それがあればいいの!」
死骸を吸収しながら言葉を続けていた布津野が振り向く。
その髪が翼のように広がる。背後の光景が全く見えないほどに大きく。
>「私は嬲りながら殺すのは大好きだけど、時間がないの。
>全力で殺してあげる。だから・・・あるのなら小出しにせずに全部!今ここで出して生き残って見せないさい!!」
その翼を無数の刃に変え、布津野は墨田に襲いかかかる。

翼が墨田の周囲の全てを取り囲む。
全て、とは言うが翼と言う形状の問題で上には幾分か隙間があった。
「悪いな、俺は小細工が大好きなんだよ!」
墨田は足首から先をコイル状に変形させ、身体を沈み込ませる。
スプリングの反発とエグゼムの身体能力は、超高速で墨田の身体を天井まで運んだ。
そのまま天井を蹴って布津野の後方、死骸が転がっていた辺りに着地する。

「そもそも、てめぇごときに全部見せるなんてそんな勿体ない真似が出来るかよ」
言いながら薙刀を構える墨田は全くの無傷だ。
――見た目だけは。
上に隙間があると言っても他に比べればの事で、刃の密集した中を潜り抜けてきた事に変わりは無い。
その刃の持ち主である布津野にも手応えはあっただろう。
細胞の操作や変換で傷はすぐに塞げる。血が流れ出る前にでも。
しかし、そのためのエネルギーは確実に消費されるのだ。
今のところ致命傷は避けている。だが、言葉とは裏腹に墨田には策はなく、逃げ場もない。

無意識の内に一歩下がる。足が血溜まりに触れた。振り向くがそこには当然何もない。
布津野が死骸を吸収したからだ。
手を当てて。
侵蝕し。
自らの一部として。

墨田の脳裏に閃くものがあった。布津野に向かって叫ぶ。
「どうした、『付け焼刃の小細工』で逃げられてるじゃねぇか!本気で来いって言ったぜ!」
そして薙刀を構えなおした。これからしようとしている事には関係が無いが、気持ちの問題だ。
(可能性なんざどうでも良い、出来ると思い込め!)
墨田の企ては、失敗すれば一瞬で細切れにされるだろう。
成功してもそれが布津野に対してどこまで通じるか。
だが、何もせずに逃げ回っていても、逃れようのない緩やかな死があるだけだ。

109 :東屋 実咲 ◆AHL7KHofQw :2006/09/20(水) 23:00:16
-------やっぱり低気圧だけじゃ・・・
    でも・・・大丈夫・・・
布津野と対峙する中で東屋の思考が倒錯する。
東屋と咲島の操作により布津野自室の気圧は異様なまでに低くなっている。
常人が入ればすぐに気を失うほどに低くなっているはずなのに・・・しかし、不足
東屋の狙っている現象は起きない・・・
だが・・・東屋の狙いはまだ外れてはいない
「え〜っと・・・君!」
そう言って咲島と指差し続ける。
「今から三分後・・・私が『チャンス』を作るから・・・君はその『チャンス』で布津野さんを・・・」
とそういって東屋は咲島らから離れたとき
>最初に髪が四に伸びて部屋の壁を〜
「!!」
突如変化した布津野を見て驚きを隠せないでいる東屋
しかし、斧は待ってくれない・・・縦横無尽から襲ってくる斧は東屋の体を傷つける。
「う・・・ぐ・・・」
なんとか装甲で防ごうと努力するが・・・それも無駄
斬撃を防ぐがその衝撃までは耐え切れず、防御は崩されその隙を突いた攻撃は防げない。
装甲に段々とヒビが入る・・・この状態が続けば東屋は殺されるだろう。本人もそのことには重々承知していた。
「・・・く・・・ならこれで・・・」
正面から振り下ろされた斧を籠手で防ぎ、衝撃を利用し、斧の折の中から辛くも脱出する。
「はぁ・・・はぁ・・・仕方ない・・・」
ふらふらとした足つきで立ち上がり、布津野を見る。そして、咲島を確認
大丈夫だ・・・まだ無事のようだ。
「・・・スー・・・」
静かに息を吸い込む。精神を落ち着かせ『蓋』に神経を向ける。
まだ駄目になっていない・・・やれる・・・アレを・・・
「ブラフアウト!!!」
そう叫び『蓋』をあけると、轟音と共に部屋に風が勢いよく入る。
風は常に低気圧に向かって進む特性を利用した豪風・・・しかし、まだ布津野の優勢は揺るがない。
だが、東屋の作戦に問題は無かった・・・いや、この豪風すらまだ準備なのだから
「布津野さん・・・知ってますか?ペットボトルで雲を作り出す方法?
 私は知ってます・・・ペットボトル内の気圧を上げて・・・一気に爆発させるんですよ空気を・・・」
どっかの鉄球使いのような話し方をする東屋、そう計画はこれで完成する。
何かに気がついたように口を開く布津野、それを指差し東屋は続ける。
「今・・・この部屋がそうなんですよ!!!そのペットボトルと
 ・・・私がこう言ってしまえば・・・あなたはもう・・・」
東屋の息の根を止めようと飛んでくる斧・・・しかし、時は遅かった。
「ブラフアウト セカンエクスプロウ!!!」
その言葉を言った瞬間、布津野のBEは膨らみ、弾け、そして、蒸発し霧状に変化した。
耳を劈くような音と共に室内の空気が一気に外へと抜ける。霧状のBEも風に乗り部屋から追放される。
そのとき、一つの影が布津野に向かっていくのを東屋は確認した。

110 :布津野 珠美 ◆0ol//9//Sw :2006/09/20(水) 23:32:07
>108
【AMATERASU・第一階層】
辛くも死の翼から逃れた墨田。
挑発するように言葉を吐き、薙刀を構えなおすその姿を布津野は冷ややかな目で見ていた。

なぜならば布津野は知っているからだ。
墨田の身体は傷一つついていない。いや、瞬時に傷をふさいだだけ。
確実にその命は削られているという事を。

「ふふふふ・・・二人っきりなんだから見栄を張ることないのよ?
血に塗れた姿を晒してもいいのに・・・。
さあ、消耗した今の身体で殺気と同じ逃げ方、できるか見せて頂戴!」
ゆっくりと翼をひろげ、先ほどの倍の踏み込み速度で墨田に迫り翼を閉じる。

>109
【AMATERASU・布津野自室】
部屋を覆う密林と化した布津野。
枝と葉といわんばかりに斧を室内全域で振るうが、その異変は確実その体を蝕んでいた。
気圧の低下。
東屋と崎島が起こしたこの現象は危険なチキンレースなのだ。

気圧低下による影響は様々あるが、最も危険な現象が沸点の低下である。
真空に近い低気圧下において、血液は体温で沸騰するほどになる。
BEやEXeMは常人に比べ物にならない耐性があるとはいえ、体液を持つ生物である以上、この現象からは逃
れられない。
それは布津野を含め、室内全員に影響を与える事なのだ。
だが、最も影響を受けるのは体組織に固体のない、100%液体である布津野だ。
その身体の硬軟は圧力を加えることによって得ているため、気圧低下に対する耐性が低かったのだ。

液体金属である体を維持する為の激しい運動は沸点の下がった身体にたやすく異常を起こす。
振るう斧の群れが、部屋を縦横に走る幹のような無数の身体が、ぼこぼこと気泡を生じ始める。
気泡と湯気を撒き散らしながらも、斧の勢いは止まらない。
完全に限界が来る前に、相手を全滅させる為に。
だが、限界より先に東屋が動く。
>「ブラフアウト セカンエクスプロウ!!!」
その言葉と共に、部屋を覆っていた斧も幹も弾け、蒸発した。

室外へ流れる大量の霧の中に、人影が一つ。
人間体型に戻った布津野だった。
装甲は見る影もなく、形を保つのがやっとの姿。
そんな姿になっても、いや、その姿だからこそ、それを見た者に今までにない威圧感を与えただろう。
まるで形が保てなくなった体から、今まで内包されていた狂気が溢れ出てくるような錯覚が。
「ま、だ・・・このていどでええぇえええええ!!」
相手を押し潰すかのような殺気と狂気を発しながら手斧を振り下ろす!

111 :榛原 ◆fAnDqHclsQ :2006/09/20(水) 23:56:34
「よく・・・決断したわね・・・。」
「……ワイはまだまだ死ぬわけにはいかへんのでな、悪う思うなや」
とはいってみたものの、背中の傷はみるみる塞がっていくし、
この余裕っぷり、正直いってどう転ぶか分からん状況や、
とりあえず孤立するんはマズイ、どうにかしてもTSUKUYOMIの連中を味方に付けなあかん。

「さて、崎島くん……ぐえっ!」
言いかけた瞬間鉄の女みたいな怖い顔しとる姐ちゃんにスーツの後ろを掴まれる、
首しめられとるみたいでこういうの嫌いや、ちゅうかこの姐ちゃん強引と違うか!?
「ちょっ、苦しいんやけど……」

そんなワイの言葉はまるっきり無視して崎島くんの方に向かう、
酷い女や、まるでSMの女王みたいな奴やでっ、
そやけど、この姐ちゃんはダメやな、こんぐらいで息切らしとる、戦いなれてもなさそうやし、
悪いけど、戦力外っちゅう感じや、戦闘の特殊能力持っとらんワイでも勝てそうや。

「・・・貴方が決めなさい。
この二人と手を組むかどうかは。
・・・私は何も言わない。 」
「姐ちゃん、あんた利口ぶってるけど状況分かってへんみたいやな、」
ワイの言葉に姐ちゃんは睨みつける、鉄の女かと思っとったが、
結構感情的な女や、戦いなれてないんもあるかもしれへんけどな。

「ホンマに生き残りたいなら『組むべき』と勧めるべきちゃうんか?
 ワイでも盾ぐらいにはなるで、大体そっちにはもう役立たずもおるんや」
役立たずと言葉の時に阿久津を見る、崎島くん辺りは気を悪くするやろうが、
事実や、あの壊れてもうたお嬢ちゃんはもう戦力外や、使い物にならへんわ。


112 :榛原 ◆fAnDqHclsQ :2006/09/20(水) 23:57:34
「今から三分後・・・私が『チャンス』を作るから・・・君はその『チャンス』で布津野さんを・・・」
東屋のお嬢ちゃんの言葉が聞こえる、チャンスゆうんは、おそらく低気圧や、
この部屋、二人の天候や気圧操作ですんごいことになっとる、
EXEMのワイはキツイゆうんやから相当や、布津野も分かっとる、自分がヤバイ状況にあるっちゅうことは、
そやからこそこのままで終わるはずがない。

あんじょう、布津野は自分の体をあちこちに伸ばして培養体や実験体を突き刺しはじめた、
「取り込んで力にする気なんかっ!?布津野ぉ!」
次々にカプセルの中身が変質してく、やばいっ、これだけやったら確実にワイ達を殺せる。
気圧変化が間に合わんとお陀仏や、

「ぐうぁっ!!くっ、あ、あほんだらぁ!」

斧がワイの体を切り刻んでいく、痛みの中、ワイは崎島くんに向かっていく大きい斧が見えた、
……ダメや、崎島くん避けられそうにないわっ、あれがあたったら、崎島くんは戦闘力が減る、

「や、やりたくなかったんやけどなぁ、そうも言ってられへんか!グーデリア!!」
ワイは右袖をまくりグーデリアを崎島くんのほうに投げつける、
斧の前にきたところで、ワイはそのまま崎島くんと斧の間に割って入った。

「……っ!!」

―ブシュウゥゥッ!!

胸に斧が深く突き刺さりありえへん程の血が吹き出る、
ヌルヌルした感触としゃれにならん痛みの奔流にワイは膝をつく、
「……さ、崎島くん、ちゃんと周り見とらんから、世話のかかる奴やで……」
そのまま倒れ硬い床に叩きつけられる、視界に映るんはまだ舞っている斧、
駄目か、そう思ったとき、布津野の体に異変がおこった、
気泡ができていき変形していく体、斧は相変わらず荒れ狂っとるが、一筋の希望が見える。

「ブラフアウト セカンエクスプロウ!!!」

東屋の嬢ちゃんの言葉とともに斧が砕け音を立てながら蒸発していく。
「ま、間に合ったんかい……」
布津野もこれでお陀仏かと思ったが、そうは簡単にいかへんのがこの世や。
人間形態に布津野は戻る、そやけど、完全に流れはこっちに向いとる。
あの布津野がボロボロやないか、ワイは動かん体はほうっておいて顔だけあげて先島くんを見る。

「ええか、油断するなや!手負いの獣ほど怖いもんはないで!」


113 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/09/21(木) 13:03:01
布津野との戦闘の最中、崩落していく部屋の中で声がした。
誰だ?まさか・・・さっきの!?

>107
「早く逃げないとその子が危ない」


そこに立っていたのは、白のスーツを着た青年。俺と大して変わらない年恰好だ。
闇夜に照らされ、一瞬だけ切長で涼しげな眼が見てた。
子供のことなら心配ない、俺は彼へ向き直り言う。

「つよし君なら、自動走行のバイクで避難させた。もう心配は無い・・・それよりも
君は?」

体が痛む、DEの力は俺自身の肉体に多大なる負荷を与えているようだ。
機械であるはずの体でさえ、この様だ。生身では到底耐えることは出来ないだろう。
パワーが徐々に落ちていく、このまま戦うのは不利だ。布津野にダメージを与えて
倒せても、今の奴は所詮分身に過ぎない。それに、妹のことが気がかりでならない。

>「急ぎましょうか?」

俺に語りかけた男の目が、不気味に輝く。
DEの力が、俺にその男がウイルスに感染しているということを教える。
EXeM Class-A・・・だが、彼は子供のことを心配した。戦う気がない。
・・・EXeM であっても人の心を持つものがいるのか・・俺は不思議な感覚に捕らわれた。

「もし、君がEXeMであってもだ・・・人として生きるのなら俺は刃を向けない。
だが・・・人間を襲うのであれば、俺は君を倒す。」

俺は男を睨み付け布津野に再び向き直る。
手にはスパイラルウイップ・・・崩壊する部屋の中で頼るべき武器がある。
このしなやかなる鞭は、ロープともなり俺達を助ける命綱になるだろう。

「だが、今はそんな場合じゃない・・・ここから出ることを考えるんだ・・・!!」


114 :墨田 ◆lcSIPurDMU :2006/09/23(土) 03:25:41
>110
>「ふふふふ・・・二人っきりなんだから見栄を張ることないのよ?
>血に塗れた姿を晒してもいいのに・・・。
>さあ、消耗した今の身体で殺気と同じ逃げ方、できるか見せて頂戴!」
死の翼を広げながら布津野が言う。
そして広げた翼を置き去りにするがごとき雷速の踏み込みで墨田を襲う。

「同じ手はつかわねえよ、飽きるだろ?」
墨田は動かなかった。翼が周囲を覆う。やはり上には僅かな隙があったが、それは既に埒の外だ。
装甲の下で(いくらかひきつった)笑みを浮かべながら、翼が背後で閉じた瞬間、布津野へ向け踏み込んだ。
薙刀を振る。手斧が受ける。もう片方の斧に向け石突を押し出す。これで双方手持ちの武器は使えない。
ここから押し切るか、あるいは引いて崩すかと考えるのが普通だが、布津野はそんな事をする必要が無い。
翼をさらに縮めれば済む話だ。それで墨田は背中から順になますにされるだろう。

そして、無数の刃が唸りを上げて背後から飛んでくる。最初の一撃が墨田の背に沈む。
その瞬間、墨田は全身の細胞に命じた。


――――食え、と


侵蝕が始まる。
背に食い込んだ刃を起点に、それはじりじりと広がってゆく。
「――やってみてわかったんだけどさ、別にメシ食うのとあまり違わねえんだな、これ」
鍔迫り合いを続けながら墨田が口を開いた。
相手に食らい付き、糧とする。そこだけを切り取って見れば確かに食事のようなものだ。
「まあ、下手に殴り合うよりよっぽど白黒はっきりつくよなぁ!?」
言葉を続けながら、全身に力を込め一歩押す。足の下の床には僅かなひびが生じていた。


115 :名無しになりきれ:2006/09/23(土) 10:33:14
墨田は見ただろう、全方向から迫り来るホモホモホモホモホモホモホモ・・・・・・!

116 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/09/24(日) 03:07:08
僕が気圧を下げる中…布津野の髪の毛が急激に伸び始めます。
そしてカプセルの中にいた実験体をその髪はどんどん吸収していきます。

―ゾクッ…!

背筋が凍る…これは…やばいかもしれない…。
>「ふふふ、一人一人殺すのも大変だし、一度に殺してあげる!」
艶やかに笑う布津野。そして…次の瞬間僕の周りを布津野の銀の髪が覆いました!
先端には斧!僕はとっさに蹲り羽でその身を包みます。
「っぁあ!!」
しかし羽はどんどんズタズタにされていきます。僕の制服に大量の切り込みが入りました…。
制服の白が赤く染まります。僕の頭からダラリと赤い血が出てきます。
目を開けば赤と銀の世界。

混乱が残る頭の中、いきなり現れた死の世界。
…嫌だ…恐い!僕は頭を抑えます。こんな世界…!嫌だ!
僕の肩まであった髪が切られます。こんな所で死ぬのか?そんなの…!
身も精神もBEもズタズタな中、突如僕のベルトに電気が帯び始めました。

…オ前の正義ナど…所詮コの程度か…

…え?
僕は顔を上げました。
そして次の瞬間僕はとてつもない電撃を受けます。
[バシン!!]
「うわっ!!」
僕の身は吹っ飛びました。そして、銀の世界から解放されます。
[ズサァァ――ッ!]
僕は地面に引きずられます。

「………っぁ…!!」

僕はゆっくりと上半身を起こしました。
え…?何が起きたんだ?僕は手を見ました。痺れが残った幼い手。
そして…電気が未だに帯びているベルト。…故障?いや…でもまだBE装着できてるし…。
・・・・。
あ!

「東屋さん!!」
僕は立ち上がりました。そうだ…!東屋さんがまだ中に!
しかし、次の瞬間僕の斜め後ろから声が響きました。

>「ブラフアウト!!!」
[ボワッ!!]

部屋全体に風が入ってきます。
「!?……この風……。」
僕は暫くその風に当たります、この風…は…。僕はゆっくり声がする方を振り返りました。
そしてそこに居たのは…ボロボロになりながらもそこに立つ東屋さん…。

117 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/09/24(日) 03:07:41
突風の中、僕の短くなった髪が揺れます。
そして、東屋さんは布津野に語りかけます。
>「布津野さん・・・知ってますか?ペットボトルで雲を作り出す方法?
> 私は知ってます・・・ペットボトル内の気圧を上げて・・・一気に爆発させるんですよ空気を・・・」
そう言う東屋さん…その声に迷いはありませんでした。東屋さんは布津野をキッと見ます。
>「今・・・この部屋がそうなんですよ!!!そのペットボトルと
>・・・私がこう言ってしまえば・・・あなたはもう・・・」
そう言った途端布津野の斧が飛んでくるのが見えます。でも…僕の目は東屋さんに釘付けでした。
混乱していた頭が晴れ渡っていく…そして…東屋さんは叫びます。

>「ブラフアウト セカンエクスプロウ!!!」

その言葉を言った瞬間、周りを囲んでいた銀の世界も、布津野のBEも…全て吹き飛びます。
僕は風が抜けていく中、布津野のBEが吹き飛んでいくその姿をボンヤリと見つめます。

凄い…この人は…こんな風を持ってるなんて…。

そして、次の瞬間条咲さんが動き出します。
そして素早く布津野の背後に回ると爪を突き立て、鱗粉を布津野の足に巻きます。
条咲さんが僕に向かって指示をします。

>「崎島くん! 左足に風の攻撃を!」

はっ!と僕は我に返りました。
そして素早く風車手裏剣の一枚を掴むとその刃を一回転させ投げつけました。
刃は風を帯び早くなり切れ味が数倍良くなります。

〈Falling black wind-風強化の刃-!〉

[ガッ!]
地面に風車手裏剣が刺さります。
そして条咲さんは榛原さんを掴んで僕の後ろに降臨しました。
「っ!条咲さん!」
僕は条咲さんに近づきます。息が荒い、やっぱり戦闘慣れしてないんだ…!
「だ…大丈夫ですか…!?」
僕は条咲さんに訪ねます。しかし次の瞬間条咲さんは顔を上げると、僕のほを叩きました。

[パンッ…!]

>「いい加減っ・・・ しっかりしなさい!崎島くん。」
僕はほを手で触ると条咲さんを見ました。そこに居るのはいつもの条咲さんのしまった顔。
そして少し息を整えると、条咲さんは僕に向かって叫びます。

>「確かに・・・この状況は混乱するわ。
>でもね、貴方がここまで来た目的を見失わないで!
>貴方がここまで来たのは布津野を倒すためでしょうが!」

僕は目を見開きました。
…そうだ…僕は布津野を倒すために来たんだ…なのになにやってるんだろう。

118 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/09/24(日) 03:11:42
ずっと短いながら一緒に暮らしていた布津野を倒そうと覚悟した東屋さん…
布津野の恐怖を重々知りつつ立ち向かおうとする榛原さん…
こんな状況になっても尚僕にこんな説教をしてくれる条咲さん…
そして…過去と餞別しようとしている阿久津さん…

それに比べて僕はなんて幼稚で…。
こんなんじゃ…何も救えりゃしない。ちゃんと前を見なきゃ…。

『…オ前の正義ナど…所詮コの程度か…』

その言葉が僕の脳内に響きます。僕は両手で自分のほを叩きました。

[パンッ…!]

そして顔を少し覆います。条咲さんは…それを見て言います。
>「・・・貴方が決めなさい。 この二人と手を組むかどうかは。
>・・・私は何も言わない。 阿久津さんは・・・彼女を信じましょう。
>・・・大丈夫よ・・・彼女なら・・・きっと・・・。」
すると榛原さんがすかさず言います。
>「姐ちゃん、あんた利口ぶってるけど状況分かってへんみたいやな、」
>ホンマに生き残りたいなら『組むべき』と勧めるべきちゃうんか?
> ワイでも盾ぐらいにはなるで、大体そっちにはもう役立たずもおるんや」
「違いますよ。」
僕は覆っていた手を離しました。そして榛原さんに向かって少し微笑みます。

「阿久津さんは大事な『仲間』です。」

切り替え完了…僕は振り返りました。…まるで石像のように人間の姿のまんま固まった布津野の方へ。
条咲さんはそれを見つめると布津野に語りかけます。

>「布津野。 屍の上に屍を重ね未来へ続く道を造る。
>・・・それが・・・貴方の望んだ事よね。
>けど・・・貴方は・・・
>今のこの状況に陥ってもそれを望むの?
>・・・このままだと未来を見届ける前に貴方が屍となるわよ・・・。」
そう問いかけると布津野は顔を上げ答えます。
>「屍の上に屍を重ねる?選んだ?違うわ。これは生命の必然なのよ。
>それを否定するのは生の壮絶さから目を逸らす人間だけ・・・。
>それに、この状況こそ私が望み、作り出したのよ!」

>嘲笑うかのように布津野の足が粟立ち、燐分を弾き飛ばした。
静かだけどそこには布津野 珠美という一人の女の生き様を感じます。

>「私が屍になっても、未来に続いて育種の生命に繋がるのよ。
>勿論、貴方達もね!
>進化の過渡期に生まれ、時代へ繋げる礎として!」

そう言うと布津野は斧を掴みました。
そして段々段々威圧感が増していきます、そして次の瞬間、布津野は僕たちを見ました。
今までにないほど恐怖と威圧感。少し身震いしそうになりますが僕は以前布津野を睨んだままです。
そして、次の瞬間布津野は叫びました。

>「ま、だ・・・このていどでええぇえええええ!!」

そして斧を大きく振り上げると僕に向かっていきます。
僕は構えました。そして布津野の壱発目の攻撃を50cmほど宙に浮かぶと避けます。

119 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/09/24(日) 03:12:20
しかし第二攻撃へすぐ移ります。

早い!!

っ…!やばい…身体が上手く動かない!!空中にいるうえ、BEがたがきてるんだ…避けられない!

しかし次の瞬間、榛原さんの声が響き渡ります。
>「や、やりたくなかったんやけどなぁ、そうも言ってられへんか!グーデリア!!」
そして…僕の目の前に榛原さんが現れたかと思うと、榛原さんの胸に布津野の斧が刺さります。

[ブシュウゥゥッ!! ]

「榛原さん!」
僕は叫ぶと着地し、榛原さんの方に近づきました。
榛原さんは膝まつきます。地面には大量に血が溢れてます。
>「……さ、崎島くん、ちゃんと周り見とらんから、世話のかかる奴やで……」
「っ…榛原さん…!」
僕は榛原さんに触ります、血がベッタリとつきます。
僕は立ち上がりました。
…BEを見てみると、思った以上にさっきの攻撃のダメージが酷いことに気付きます。

…でも…!

僕は血のついた拳を握ると布津野を見ました。
そして僕は布津野に近づいていきます。榛原さんが叫びます。

>「ええか、油断するなや!手負いの獣ほど怖いもんはないで!」

僕は止まると振り返ると榛原さんに向かって「ありがとう…」と一言言いました。

そして、次の瞬間ベルトに触れます。
「布津野!!」
〈VersionSANSHIKI,Installation100%Sinkro100%...Transformation...3,2,1!〉
[ヴン…!ドワァ―――――――ッ!]

優しい暴風と、激しい閃光が部屋を包みます。
そして、僕は黒と銀が混ざった全身装甲に赤銀の羽を持つBEへと形を変えていきます。
閃光と暴風はなかなかとまりません。
僕はその中で布津野ただ一人を見ています。榛原さんの血で汚れた手をただただぎゅっと握りしめながら。
そしてその風と閃光の全てがBEに吸い込まれると、僕のBE全体に電気が帯びます。

ヴァージョン参式…優しい包み込むような清浄の風と、どんな悪でも潰す鉄槌の雷の性質を持つBE。

僕の手に一枚の大きな十字手裏剣が握られます。
「…貴方が考えてるような…血に塗れた未来なんて…いらない…!」
くるくると十字手裏剣をまわしていくと刃が青白く光り輝き、風を帯び始めました。
僕は十字手裏剣を回すのを辞めしっかりと持つと、目を閉じカッと目を開きました。

「「そんな未来があるぐらいなら…!未来なんて無くて良い!断ち切ってやる!そんな未来に繋がる鎖なんて…!」」

そう叫ぶ声が誰かの声と重なります。
そして次の瞬間僕は布津野にむかって走り出しました。
これは布津野が教えてくれた技です。【手裏剣は投げてしまっては駄目!】

僕は…布津野を切り裂こうと風と雷が混ざった刃を上に上げました!

〈Pale coloured blade that severs black chain-白き浄化の斬花-!!〉

120 :名無しになりきれ:2006/09/24(日) 18:09:10
チェンジマイズ・・・1・2・3・・・

俺の体は機械の体・・・

俺の心はマシンハート・・・・

俺の血潮は黒きオイル・・・・

俺の魂は電気信号・・・・

俺は悪にもなれず正義のもなりきれぬ中途半端な人造人間・・・・

さあ人間ども戦いを始めようか・・・・

121 :名無しになりきれ:2006/09/24(日) 18:23:36
チェンジマイズ・・・1・2・3・・・

俺の体は機械の体・・・

俺の心はマシンハート・・・・

俺の血潮は黒きオイル・・・・

俺の魂は電気信号・・・・

俺は悪にもなれず正義のもなりきれぬ中途半端な人造人間・・・・

さあ人間ども戦いを始めようか・・・・


122 :名無しになりきれ:2006/09/24(日) 18:28:26
俺の名は ショケイダー

俺の目の前にたつやつは処刑だあ!

俺の邪魔するやつは処刑だあ!

殺せ 殺せ 殺せ 処刑せよ!

貴様ら全員処刑だあ!

俺の名は人造人間ショケイダー

123 :名無しになりきれ:2006/09/24(日) 18:33:17
俺の名は ショケイダー

俺の目の前にたつやつは処刑だあ!

俺の邪魔するやつは処刑だあ!

殺せ 殺せ 殺せ 処刑せよ!

貴様ら全員処刑だあ!

俺の名は人造人間ショケイダー


124 :名無しになりきれ:2006/09/24(日) 18:39:01
リクーム>>>>>ドドリア>>>>>>>>>>>>ナッパ>>>>>>>>天津飯>>>>>>>>>餃子

125 :名無しになりきれ:2006/09/24(日) 19:06:08
EXeMが生み出したソドムの街。
食う者と食われる者、そのおこぼれを狙う者。
牙を持たぬ者は生きてゆかれぬ暴力の街。
悪徳と野心、頽廃と混沌とをコンクリートミキサーにかけてブチまけた
ここは東京歌舞伎町。

126 :名無しになりきれ:2006/09/24(日) 19:10:46
愛を見たのが幻想なのか。
心の渇きが幻想を生むのか。
戦いの果てに理想を見るのが幻想に過ぎないことは、
兵士の誰もが知っている。
だが、あの瞳の光が、唇の震えが幻だとしたら。
そんなはずはない。
ならば、この世の全ては幻想に過ぎぬ。
では、目の前にいるのは誰だ

次回 千佳 


127 :布津野 珠美 ◆0ol//9//Sw :2006/09/24(日) 22:35:35
【新宿中央病院跡地下二階】
>106>107>113

白川の変身の光は、新宿中央病院後の全てを飲み込んだ。
その身体に食い込み切り刻む布津野の刃は崩壊し、太陽にも負けぬ灼熱の拳が頬を捉える。
溢れる光と止まった時間の刹那、二人は見詰めあい、白川は悲しそうに呟く。
そして時は動き出し、布津野は凄まじい勢いで殴り飛ばされて床に穴を穿ち瓦礫に埋もれた。

戦いが終わったが、その傷跡は大きかった。
地下一階と二階は繋がり、いつ崩落が再開してもおかしくない程の破壊されようだ。
白川とイズミは脱出を試みようとする。が・・・

二人の背後で大きな音と共に、瓦礫が吹き飛ばされる。
「ふふふふ・・・素晴らしいわ!白川君!あなたはあの一瞬、確実に私を越えた!そう、私を殺したわ。でも、
私の勝ちよ!!」
そこに現れたのは布津野。
殴られた頬は溶け、そこを中心に大きな皹が全身に走っている。
液体金属の身体を持つにも拘らず、皹が治らないのは既に体組織構築能力が失われているからだろう。
皹から時折蒸気のようなものを噴出させるその姿は、既に致命傷を負っているのが判る。

「ここで帰るのはまだ早いわよ?イザナギとなりえた褒美に教えてあげる。
進化とは、生存競争の勝者に与えられる特権ではないのよ・・・。
生存競争の敗者に与えられる生き残る唯一のチャンス。それが進化・・・
あなたの熱い拳、パワー、遺伝子・・・全て受け取ったわ・・・!」
ヨロヨロと歩き、壁の一部を押すとそこに大きな穴が出現した。
「イザナギよ、新たなる人類の誕生の瞬間を・・・見せてあげるわ・・・」
そう声をかけると、そのまま穴に落ち、姿を消した。
穴はどこまでも深く、先は見通せない。
だが、見えなくとも確実に感じる事があった。
脈打つ鼓動と、信じられないほど強大な力を持つものの威圧感がその穴から立ち上っている事を。

128 :布津野 珠美 ◆0ol//9//Sw :2006/09/24(日) 22:36:27
【AMATERASU施設・第一階層】
>114

翼は閉じられ、斧が墨田の背中に食い込む。
背中だけではない、全身を切り刻まんと無数の斧が殺到するのだ。
にも拘らず、墨田が血に塗れる事はなかった。
身に食い込むが先に斧を侵蝕し始めたのだ。
布津野がヤツメウナギの頭を侵蝕し同化したように、生体パーツである斧を侵蝕しているのだ。

それは絶望的な戦いの幕開けでもある。
布津野は侵蝕融合をする為に身体を液体金属にしている。
それを通常の身体でやること自体無理がある。・・・はずだった。
だが、墨田は斧を侵蝕し、自分のものにしている。更に一歩、床に皹が入るほどの強さで!

「驚かせてくれるわ。咄嗟に侵蝕が出来るなんて・・・
でも残念ね。侵蝕なら私に一日の長がある!こんな事もできるのよ!」
驚きと感心、そして近親感を持って布津野が次の一手に出る。
BEやEXeMの能力は個人によって千変万化。
特にEXeMの能力は個人の資質と嗜好によって大きく影響されるのだ。
阿久津のように無機物を一時的に侵蝕するものもあれば、布津野のように有機物を侵蝕同化するものもあ
る。
そして墨田は布津野と同じ力を持って対抗しているのだ。
自分の能力は自分が一番よく把握している。
侵蝕が出来たからといって、それが使いこなせるかどうかは別問題だ。
無数の斧が次々に墨田に突き刺さり、侵蝕されていく。
まるで侵蝕される為に突っ込んでいくかのように。

十数秒後にはすぐにその効果が現れた。
墨田身体で、斧を侵蝕同化した部分が次々と崩壊していくのだ。
それをきっかけに一気に均衡状態が崩れ、墨田は布津野の抱擁を受けることになる。
形をなくした一つの塊が蠢き、やがて布津野の身体を再構成する。
「愚かな選択したわね。せっかく見込んだのだけど、下手に力があるからイザナギとなりえなかったのね。
仕方がないわ。他は成功したようだし・・・。」
小さくした打ちしながらも、踵を返し歩き出す。

布津野は浸食同化の力が拮抗しているのを見て、わざと斧を打ち込み侵蝕させたのだ。
斧には自殺因子がプログラムされており、それを侵蝕した墨田の身体が崩壊。
拮抗状態が崩れれば後は一方的に終わったというわけだ。

部屋中央に開いた穴に身を躍らせ、そこから消えていった。

129 :布津野 珠美 ◆0ol//9//Sw :2006/09/24(日) 22:37:06
【AMATERASU施設・布津野自室】
>111>112>116-119

部屋を覆う密林のような身体も、逃げ場のない無数の斧も、圧倒的な力をもってしても殺せなかった。
崩壊しつつある身体に立ちはだかったのは崎島。
>「「そんな未来があるぐらいなら…!未来なんて無くて良い!断ち切ってやる!そんな未来に繋がる鎖なん
て…!」」
「全生命は!無数の屍を足場に血みどろで築きあげてきた!その生命の歴史を蔑ろにし、漫然と平和を貪る
豚が未来を語るなぁああ!!」
交錯する想いと刃。
一瞬の激突は布津野の自室の全てを揺るがした。

交錯の後、布津野がガクリと膝をつく。
崎島の風と雷を纏った刃は布津野を確実に貫いたのだ。

「青臭くて聞いていられない理想論だけど・・・確かに受け止めたわ。
あなた達のパワー、遺伝子、想い、全部私の内に・・・。」
最早人の形を保てなくなった布津野は、ドロドロと溶け、形を崩していく。
「あなたたちは私を殺した・・・。でも、私の勝ちよ・・・。
定命の種族にとって個人の死など取るに足りない事・・・種としての存続こそが・・・全てよ・・・。
イザナギとなりえた褒美に教えてあげる・・・。
進化とは、生存競争の勝者に与えられる特権ではない・・・。
生存競争の敗者に与えられる唯一の生き残るチャンス。それが進化・・・
イザナギよ、新たなる人類の誕生の瞬間を・・・見せてあげるわ・・・」
布津野ははぐれメタル状態になり、いつの間にか部屋中央に開いた大きな穴に落ちて姿を消した。
穴はどこまでも深く、先は見通せない。
だが、確実にかんじる事があった。
脈打つ鼓動と、信じられないほど強大な力を持つものの威圧感がその穴から立ち上っている事を。

130 :布津野 珠美 ◆0ol//9//Sw :2006/09/24(日) 22:38:24
【AMATERASU・IWAYADO】

穴はAMATERASU施設最深部、IWAYADOといわれる部屋に通じていた。
そこは無重力状態に保たれており、その中心には布津野が漂っている。

それぞれの部屋で戦っていた布津野が穴を通って部屋に入り、漂っていた布津野に合体吸収される。
全ての布津野を吸収した布津野の腹は大きく膨らみ、まるで臨月を迎えたようになる。
「ふふっふ・・・今、ここに人類の暁が!・・・彼らを超越する新人類が生まれる!」
膨らんだ布津野の腹部が大きく歪み、徐々に人の形となっていく。

頭に光輪を戴き、純白の身体にチェシャキャットを思い起こさせる白き翼。
正にその姿は天使。
いるだけで圧倒的な力を放つ第二世代EXeM・・・いや、BE、EXeM、人間、全てを超越した新人類がここに
誕生しようとしていた。


131 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/09/25(月) 13:44:04
布津野の分身、奴を倒せたとしても完全なる破壊ではない。
本体を叩かねば、意味がない・・・奴は何処にいる!?

と、俺達の後ろで声がする。奴だ、布津野珠美。
奴が笑いながら、言う。
「ふふふふ・・・素晴らしいわ!白川君!あなたはあの一瞬、確実に私を越えた!そう、私を殺したわ。でも、 私の勝ちよ!!」

振り向いた先にいたのは、顔が半分解けかけた奴の姿。
俺の拳の跡から、亀裂が入り致命傷を負っているのがすぐにでも理解できた。

「素晴らしい・・・か。こんなこと素晴らしくて、たまるかよ。
こんなことでしか、他人と分かり合えないなんて・・・悲し過ぎないか。」

(俺は自分の拳を見て、嘆く。暴力が、相手を傷付けることの何がいいんだ。
かつては俺もそうだった。力を楽しんでいた、権力に浸かっていた。
だが、気付いた。こんなことで、こんな力でしか分かり合えないなんて・・・)

>「ここで帰るのはまだ早いわよ?イザナギとなりえた褒美に教えてあげる。
進化とは、生存競争の勝者に与えられる特権ではないのよ・・・。
生存競争の敗者に与えられる生き残る唯一のチャンス。それが進化・・・
あなたの熱い拳、パワー、遺伝子・・・全て受け取ったわ・・・!」

・・やはり、戦闘データの採取が目的か。
俺は、奴の分身が各地でそれぞれの能力を得るために動いていたのだと確信する。
進化・・・やはり、ここでこの女を止めなければこの星は引き返せないところまで行ってしまう。


132 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/09/25(月) 13:57:36
>127
>ヨロヨロと歩き、壁の一部を押すとそこに大きな穴が出現した。
「イザナギよ、新たなる人類の誕生の瞬間を・・・見せてあげるわ・・・」
そう声をかけると、そのまま穴に落ち、姿を消した。

謎の言葉を残して、奴は消えた。俺の目の前に広がるのは、巨大な穴。
その闇はどこまでも深く、そしてとてつもない威圧感を与える。
もし、ここに落ちれば俺は帰ってこれないかもしれない。だが・・・

(この先に妹が、待っている。そんな気がする。そして、人を守るのが俺の使命だ。)

生まれ変わった体とはいえ、俺は機械だ。
機械の体には限界がある。そして、今の俺はその体さえ満足に生かせない。
ベルトのパワーは明らかに下がっている。今の俺では、奴には勝てないかもしれない。
だが、俺は闇へ向かおうと決意する。後ろにいる、白いスーツの青年へ向く。

「俺は、行く。この闇の先に、何が待っているかはわからない・・・だが。
闇の先に、かすかな光を感じる限り俺は戦う。君は、君の意思を貫けばいい。
・・・この先に待っているのは、強大な敵だ。覚悟があるのなら・・・来い。」

俺は彼に一瞥すると、闇へ降りていく。その先に、何があるかはわからない。
だが、必ず・・・叩き潰してみせる。人の為に、未来の為に。

(ユートリアム研究室)

―ワタシの予想を完全に覆したWEとBEの融合。しかし、それは不安定な要因とワタシですら理解できない構造に満ちているようだ。
先程の、布津野との戦いで彼は変身により多くのエネルギーを使用した・・・現在彼が
消耗した不安定な体で出せる能力は、100%の内・・・20%にも満たないだろう。−

しかし、その限られた力で何を生かせるのか。それが彼にとっての試練なのかもしれない。

布津野の暴走を止めなければ・・・この星の生態系と環境は破壊され「死」の星となる。
それを止めれるのは・・・あの病院にいる者達だけだ。



133 :大首領:2006/09/27(水) 11:55:05
この星は一度滅びねばならぬ・・・・・・

134 :条咲綾子 ◆2TlaRARhhA :2006/09/27(水) 20:59:17
>「「そんな未来があるぐらいなら…!未来なんて無くて良い!断ち切ってやる!そんな未来に繋がる鎖なん
>て…!」」

「崎島くん・・・」

呟く条咲。
そして布津野の刃と崎島の刃は交差した。
崎島のあの扉を開けさせようとサポートしようとしたが
どうやらその必要はなかったようだ。
そう、崎島瓜夜は自らその扉を開けた。
黙ってその様子を見つめる。
閃光が走る。
そして・・・決着がついた。

崎島の変身が解除され倒れる。
そしてそこに立っていたのは布津野だった。
崎島の刃に貫かれた布津野が。

>「青臭くて聞いていられない理想論だけど・・・確かに受け止めたわ。
>あなた達のパワー、遺伝子、想い、全部私の内に・・・。」

条咲は変身を解除した。
そして布津野を見下ろす。

>「あなたたちは私を殺した・・・。でも、私の勝ちよ・・・。
省略
>イザナギよ、新たなる人類の誕生の瞬間を・・・見せてあげるわ・・・」

そう言うと布津野は穴に落ちて消えた。
予備の銃を構え、のぞいてみるが真っ暗で見えない。
条咲は苦しむ崎島と東屋、そして血だらけの榛原を見ると、
崎島を立ち上がらせた。

「崎島くん。大丈夫?
動ける状態かしら。」

そう訪ねる条咲。
崎島が答えるのを見た後、
阿久津を見た。
阿久津に近づく。
そして阿久津を背負うと、
再度穴に近づいた。


135 :条咲綾子 ◆2TlaRARhhA :2006/09/27(水) 21:01:02

「・・・行きましょう。
まだ布津野は生きてるわ。」

そう言うと条咲は降りた。
するとそこには無重力に揺れた布津野が居た。

「布津野・・・。」

何か言おうとするが言葉が出てこない。

>「ふふっふ・・・今、ここに人類の暁が!・・・彼らを超越する新人類が生まれる!」

そう言うと布津野は他の部屋の布津野を吸収する。
それにより大きくなる腹。
条咲はそれを驚いた表情で見る。

―これが相沢が言ってた・・・

背筋が凍る。
そして
天使が構成される。


136 :名無しになりきれ:2006/09/27(水) 21:55:45
世界に血の制裁を
メシアを迎える準備をしろ

部下「っは!」

137 :墨田 ◆lcSIPurDMU :2006/09/28(木) 13:45:26
>128
斧がまた一つ食い込む。だが血は流れなかった。
接触した瞬間からそれを侵蝕し、そのまま傷を塞いでいるからだ。
無傷を装うのはせめてもの虚勢か自らに対する鼓舞か。
墨田はさらに一歩押した。布津野が笑う。
>「驚かせてくれるわ。咄嗟に侵蝕が出来るなんて・・・
>でも残念ね。侵蝕なら私に一日の長がある!こんな事もできるのよ!」

言葉と同時に無数の斧が墨田を襲う。装甲を断ち割り、肉へ食い込み、内臓を裂く。
だがそれら全てを侵蝕し、それを『補修材』として傷を塞ぐ。
「言葉の割にはたいした芸じゃねぇな…、ただの力押しかよ」
墨田も笑う。布津野のそれよりも力無くはあったが。

だがその笑みも長くは続かなかった。何の予兆も無く、侵蝕した部分が崩れ始める。
ただ静かに、何ら痛痒も感じさせずに。
「なっ…てめぇ…っ!」
それが急速に引き起こされたアポトーシスであると気づいたときには既に遅かった。
傷を塞いでいた細胞も欠落し、それを塞ぐのに自前の細胞を回し、体力を消費していく。
そして、墨田は完全に翼に『食われ』た。
布津野が去った室内にはもう動くものは何一つ残っていなかった。

138 :黒衣の男 ◆WHN5o4DexM :2006/09/29(金) 20:20:53
>128>135

>「ふふっふ・・・今、ここに人類の暁が!・・・彼らを超越する新人類が生まれる!」

条咲と布津野が対峙するその部屋を見つめる黒衣の男。
その顔は見えない。だが異常なまでの威圧感と強大な力を感じさせる。

「時は・・・満ちた、か。」

【AMATERASU・IWAYADO】 の空間で新たなる進化を見届ける男。
条咲や布津野にそれは見えていない。

「この時を我々は、何千年も待っていた・・・そうでありましょう?
暗黒の父よ・・・」

天空に満ちる星の中の1つが男の言葉に頷くように瞬く。
布津野の進化も、この病院での戦いも全てが「仕組まれていた」。
今、ここにいる黒衣の男によって。

赤木、それは彼の仮初の姿に過ぎない。
男の体は、元々布津野の「愛する者」の肉体だった。
その愛する者を奪い、殺し憎悪を植え付けた。
彼女の悲しみさえ利用し、この男は狂気へと誘ったのだ。


「”儀式”は最終段階に迫った・・・元気な赤ちゃんを産んでね。

珠美ちゃん・・・」


ここに向かうであろう全ての者達の運命を嘲笑うかのように男は笑った。


139 :名無しになりきれ:2006/09/29(金) 20:33:07
影月騎士シャテルナー見惨!!次回からこの時間は影月騎士シャテルナーになります
黒刃は打ち切り

140 :Ombre Lune :2006/09/29(金) 20:38:20
Ombre Lune とはフランス語でシャドームーン

141 :& ◆lusr1Y81mA :2006/09/29(金) 20:42:50
????!!(?)???!


142 :& ◆lusr1Y81mA :2006/09/29(金) 20:44:15
(?)? ??―!!???-!

143 :名無しになりきれ:2006/09/29(金) 20:45:07
韓国語でねえ!!

144 :布津野 珠美 ◆0ol//9//Sw :2006/09/29(金) 23:08:32
【AMATERASU施設最深部・IWAYADO】
>132>135>137
光輪を戴き、純白の翼をはためかせて大空を飛翔する天使。
光と共にあるその力は、大地を揺るがし大気を震わせる。
翼をはためかせるたびに羽根が宙に舞う。
羽根は一種の種であり、有機物に触れると『祝福』を与える。
その有機物を苗床にして発芽し、新たなる天使として生まれ変わらせるのだ。

天使は個にして全、全にして個。
意識と記憶を共有し、一体が傷つけられると他の全ての個体はその攻撃に対する耐性を身につける事が出来る。
やがて全ての有機体は天使となって、地球を埋め尽くす・・・

##############################################

AMATERASU施設最深部に到着した全ての者の脳裏に明確に映ったビジョン。
それは今正に布津野から生まれつつある天使の、強烈過ぎる思念が他者の脳に干渉して見せたものだ。
体が徐々に形成され、とうとう布津野から完全分離を果たした。

出産を終えた布津野は小さくしぼみ、無重力の部屋を漂う。
最早何の力も感じさせぬ、抜け殻も同然の姿であった。

だが、今までの布津野とは比べ物にならない力を内包する存在がここに生まれた。
子供のような姿から、見る間に成長をし2メートル近い青年の体型となってあたりを見回した。
最初に眼を向けたのは布津野。
そしてIWAYADOへときた白川達。
穏やかな目である。
溢れ出る力と威圧感を隠そうともしておらず、いるだけで周囲の生物にダメージを与えるかのオーラを纏いなが
ら、だ。

だが、その穏やかな表情はすぐに崩れる。
「キャシャアアアアーーーーーーー!!」
宙を見詰め、突然雄たけびをあげ右手をふった。
雄叫びでIWAYADO内の内壁にむ数の皹が入り、その一閃は光の筋となりて壁に切り傷を残した。
この切り傷は隔壁を軽々と切り裂き、軌道上にいたTUKUYOMI特殊部隊を切り裂いた。
それでも一閃は止まらず、地上の病院を大きく切り崩して崩壊を起こす。

圧倒的な攻撃力。圧倒的な存在。
全てを超越した存在。のはずだった。
しかし、一閃させた右手は傷つき、へし曲がり、手の原形をとどめていなかった。

蜘蛛は自分の巣に引っかかる事はない。毒蛇は自分の毒で死ぬ事はない。
それらは生物の進化において自分の力では滅ぼされない耐性を持つからだ。
にも拘らず天使は自分の運動によって自分の体が崩壊した。
不思議そうな眼で自分の手を見詰める天使。
見詰めていると、自然に金色の粉が発生し、その傷を治療していく。
そう、これは布津野のルルドの息を見詰めるだけで発生させているのだ。

145 :布津野 珠美 ◆0ol//9//Sw :2006/09/29(金) 23:09:39
天使の異変はこれだけでは終わらなかった。
再生していく手が脈動し、姿を変えていく。
その動きは激しくなり、天使の苦悶の叫びと共に皮を突き破り、内部から出てくるものがいた。

「・・・ば、馬鹿な?完全に同化したはず!まさか・・・」
天使の異変を漂いながら見ていた布津野が驚きの声と共に条咲の方を見た。
布津野は墨田を侵蝕同化した。完全にだ。
なのに墨田は再構築し、天使の内部からその身を突き破って現れた。
考えられる可能性は唯一つ。
条咲の銃だ。
いくら条咲が戦闘タイプではないとはいえ、銃など布津野の前にはなんの役に立たない事くらい判っているはず。
だが、それでも銃を構えていたのは何らかのウイルスでも入ったいたのだろう。
そう察していたが、己の自殺因子すら操れる布津野だ。
毒やウイルスを撃ち込まれようと、影響を与える事は出来ないはず。
現に今まで何の影響すらなかった。
だが、今ここで墨田が再構築したのは天使形成に当たって条咲の銃弾が何らかの化学反応を起こし影響を与え
たとしか考えられないのだ。
そう結論づいても既に布津野にできることは何もない。
力を全て使い果たし、ただ見ているだけしか・・・

「ごがあああああ!!!」
半身が毟り取られたような状態で叫ぶと衝撃波が生まれ、墨田も、白川も、条咲も、部屋にいる全ての者が壁に
叩きつけられた。
だが、シェルターを一振りで貫いたあの威力はない。
全身にルルドの息を発生させているのは、治療に専念しなければいけないほど瀕死の状態なのだろう。
ここで回復すればこのダメージを学習し、より強力な耐性を身につけもはや手の付けられない化け物になるだろう。

146 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/09/30(土) 12:43:52
>135
暗闇を抜け、辿り着いた先に広がる光景の異様さは言葉では言い表せない程だった。
だが俺は布津野が何をしようとしているのか、それは理解できた。
「産む、つもりか・・・!?」

俺や他の侵入者との戦闘を元に新たな命を生成する。
そして、それがどんなに危険なものか。俺の直感が教える。

「奴が生まれる前に、何とかしなければ・・・!!」

しかし、その目線の先にはもう1人の侵入者がいた。
条咲さん、そして1人の少女が横たわっている。
俺はその少女に、どこか懐かしい感覚を覚えた。まさか・・・いや、間違いない。

「条咲さん・・・貴方までここに。その、彼女は・・・!?」

俺は少女に近付き、顔を見る。そっくりだ・・・まるで。
俺は少女の肩を抱き、額の傷を撫でるように触る。

「間違いない・・・俺の、妹だ。生きてた・・・俺の妹が。
たった一人の、妹が・・・」

俺は少女を条咲さんに渡すと、布津野に立ち向かう。
俺には分かっていた。妹に触れた時、EXeMの力を感じた。
だが、それでもいい。EXeMだろうと何だろうが、妹なんだ。

俺は守られねばならない。妹も、世界も。

「・・・布津野、貴様の思い通りにはさせん。
変・身!! ダブルエッジ!!!」

−GUUUWIIIIIIN!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!−

腹部にベルトが出現し、凄まじい光を放ちながら回転していく。
白いマフラーを背負った赤き仮面の戦士が姿を現す。




147 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/09/30(土) 12:55:06
>144>145
>だが、今までの布津野とは比べ物にならない力を内包する存在がここに生まれた。
子供のような姿から、見る間に成長をし2メートル近い青年の体型となってあたりを見回した。
最初に眼を向けたのは布津野。
そしてIWAYADOへときた白川達。
穏やかな目である。
溢れ出る力と威圧感を隠そうともしておらず、いるだけで周囲の生物にダメージを与えるかのオーラを纏いなが
ら、だ。


・・・なんということだ。布津野から生まれた天使は、いや悪魔はとてつもない力を持っている。
化け物、いやそれ以上だ。だが、やらねばならん。倒さなければ、地球が危ない!!

「くっ・・・ハァアッ!!!!」


飛び上がると同時に、再び異変が起こった。
>天使の異変はこれだけでは終わらなかった。
再生していく手が脈動し、姿を変えていく。
その動きは激しくなり、天使の苦悶の叫びと共に皮を突き破り、内部から出てくるものがいた。


人間が、出てきた。いや、EXeM!?
悪魔が痛みに耐えかね叫ぶ。同時に凄まじい衝撃波が俺達を襲う。

「うわぁっ・・・!!おのれ・・・」

壁面に叩きつけられ、倒れる。だが、先程よりも力が弱い。
これはまさか!!そうだ、先程の排出で肉体にダメージが残っているのだ。
しかし、治療を行っているということは相当のダメージ・・・今ならやれる。
俺は全身の力を右足に込めていく。機械化された肉体は両足を剣のように変化させ
相手を切り裂く武器とする。
全身の全エネルギーが赤熱化した両足に集まる。

天高くジャンプし、悪魔へ向け俺は刃と化した両足を蹴り出す!!


「うぉぉぉぉおおおおりぃぁぁぁぁ―――!!!!!」

摩擦熱で強化された両足が、悪魔の腹に突き刺さり爆炎を上げる!!

148 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/10/01(日) 17:21:18
>「全生命は!無数の屍を足場に血みどろで築きあげてきた!その生命の歴史を蔑ろにし、漫然と平和を貪る
>豚が未来を語るなぁああ!!」

絶叫する布津野…混じった刃…死にかけた人間とは思えないパワーに僕は唖然した。
でも…自然と僕の手と腕には自分とは思えないほどの力が入ってた。

そして…

[ブチャンッ…!]
>交錯の後、布津野がガクリと膝をつく。
手には貫かれた刃。
僕は…布津野を貫いた。
赤い血が布津野が元々人間だったということを教えてくれた。僕の変身は解かされ僕は倒れた。
いつもよりも半端無い苦痛が走り思わずうなり声をあげる。布津野は言う。
>「青臭くて聞いていられない理想論だけど・・・確かに受け止めたわ。
>あなた達のパワー、遺伝子、想い、全部私の内に・・・。」
>最早人の形を保てなくなった布津野は、ドロドロと溶け、形を崩していく。
苦痛の中で寝転がる僕の髪に元布津野だった液体が付く。それで僕は確信した。
僕は布津野を殺せたと…。しかし布津野は言う。
>「あなたたちは私を殺した・・・。でも、私の勝ちよ・・・。
-省略-
>イザナギよ、新たなる人類の誕生の瞬間を・・・見せてあげるわ・・・」
「イザ…ナ………ッ…ギ?」
新たなる人類、そしてイザナギという言葉が頭の中を回る。
そして…
>布津野ははぐれメタル状態になり、いつの間にか部屋中央に開いた大きな穴に落ちて姿を消した。
しかし僕はそれを見ることが出来なかった。
血まみれだった。全てが。
条咲さんが聴く。
>「崎島くん。大丈夫?
>動ける状態かしら。」
「っ…あ…っは…す…少し休め……ば……大丈…夫…。」
そう言うけど実際はもう駄目だった。
それを察したのか条咲さんは静かに阿久津さんの元へ行くと抱え…そして穴に近づき言った。
>「・・・行きましょう。 まだ布津野は生きてるわ。」
そう言い穴から落ちる条咲さん…。
立ち上がりたいけど…立ち上がれない……。
そして部屋に沈黙が走る。僅かな息音が響く、そしてその息の音は段々静かになっていき、僕は…気を失った。
何も見えない。闇に落ちた。

だけど、

何故か僕の耳には心臓音が響いてた。

暖かくて力強い心臓音が。

149 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/10/01(日) 17:29:09
************************************************

――三年前。

崎島が目が冷めた所は病院だった。
ゆっくりと酸素マスクを取り起き上がってみる。
身体中にまだ残る痛みが先ほどまでの事を現実だと言う証拠となっていた。
しかし何故かやけに冷静に受け止められた。絶望も何もない。ただそこにあったのはスッカラカンな空虚感だった。

数日後、いつも通りの生活にまた戻る。
退屈な勉強にやけに明るく接してくる友人、教師。愛想笑いをするもその笑顔はどうも疲れを隠せない。
さらに数日後黒スーツの男達が兄の遺品であるBEを持ってき、TSUKUYOMIへ誘導しに来たがそれにも正直言って興味はさほどなかった。
なんとなくOKと頷き、TSUKUYOMIに入社し言われた任務をこなすようになる。
そしていつの間にか空っぽなのが恐くて『復讐』の二文字を掲げまるで機械のように崎島は感染生物を倒していくようになった。
今にしてみれば何故彼処までEXeMを恨んでいたのかはよく分からないが、取りあえず殺すしか無いような気がしていた。
殺すことでしか兄へ祈ることが出来なかった。
そんなこんなで一年間があっという間に過ぎた。
そして、ある日…崎島に転機が訪れる。

それは任務中にちょっとしたミスで崎島は弐式を装着したまま数十m上空から川に落ちてしまった時だ。

一瞬で風の流れが上へと上がり何やら空気の一部分を掴んだかと思ったらあっという間に川へ落ちた。
深い川の下へ沈んでいく中、意識が遠のきそうな中、崎島はいっそこのまま死のうかなんて軽く考える。
よくよく考えてみたら自分の『復讐』自体空気と同じ空っぽだった。
今までずっと追いかけてきた兄の背中を失い、『復讐』の二文字に無理矢理兄の背中の幻影を纏わせ追いかけていただけで、
結局中身なんて何もなかった。

崎島は水面下で自分の手先を見た。
夜というだけあって外は冷たい空気とそれによって綺麗な銀の月がチラチラと見える。
そして、一瞬何も見えなくなったかと思うと、

逞しい一本の腕が伸びる。
目を見開く。
筋肉質の手は水面下に最も近い指先を確かに掴んだ。そして、次の瞬間確かにその男に、崎島は引っ張られた。
押し上げられる身体、見えた背中。そして、崎島は川の水面上にのし上がった。
[ザパァン!]
「っは!!」
崎島はなんとか空気を吸うと水が浅い方へ行き、立ち上がった。
水にびしょ濡れの身体、そしてBE。崎島は手を見た、そこには何事もなかったかのような白い手。
でも確かに其れは存在した。崎島はそして歩き出す。強く握られた手、見えぬがまだそこに存在していた、
自分の正義を貫いていたその男の背中。

そして…崎島は自分の正義を見つけ貫こうと決意する。
またその背中を追い続けようと、崎島は歩き出す。
************************************************

150 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/10/01(日) 17:35:29
崎島が気絶後、まだ響く心臓音。

そして…それは姿を現す。

〈LvUP!VersionICHINSHIKI,Installation100%...Transformation...3,2,1!〉
[ヴン…!ドバババッ!]
突如その電撃は崎島の意志に関係なしに発動されるBE。
しかも崎島自体が変身してたのではなかった。
その電撃は外側に発射されなんと壱式の装甲がまるで別の人間がそれを着ているかのごとくそこにそびえ立つ。
今までにない威圧感、殺気、そして巨大な全長。
そして…その指が静かに動き出し拳を強く握り、空っぽのはずの装甲は倒れた崎島を見ると言葉を話した。
          ・・              
『……ッハ!頼りねぇ兄貴だな…おい…もうわりぃが限界だ、てめぇはひっこんどけ。』

そう嘲笑すると崎島を装甲はけっ飛ばした、軽々と吹っ飛ばされる崎島。壁に激突する。
しかしそんなのにも目もくれず、その装甲は地面を見た。
そこにぽっかりと空いた穴、そして装甲の機械の目から見えるのは地面の下の特殊な無数の生命反応。
『……この下か…布津野の野郎は…』
そう言うとふと横を見ると榛原が血まみれになっているのが見えた。
暫くじっと装甲が首を捻り榛原を見ると急に気付いたかのように手をぽんっ!と叩いた。
『ああ!瓜夜を助けた野郎か!』
そう言う黒い装甲の男、榛原に近づくと髪の毛を強引にわしづかみにする。暫くジーッと見るとニヤリと笑った(ような気がした。)
『…あん時の能力は凄かったぜ…あのヒョロイのにゃ見えなかったかもしれねぇが俺には見えた。
なかなか器用じゃねぇか、いくらA-Classとはいえなかなかいねぇよ…あんな手品出来るのはな!
…だがお前は今はそこにいられちゃ邪魔だ。』
そう言うと黒い装甲は榛原を持ち上げ崎島と同じ方向に投げ飛ばす。かなりがさつな黒い装甲。
そして…暫く地面をじっと見ると急に笑い出した。
『クックック…!笑えるな…布津野。あん時死んどきゃよかったもんを…。
最後の悪あがきって奴か…ええ!?』
そう言うと地面に力強く手をつく黒い装甲。

『…だが…感謝するぜ。おかげで俺もここまで進化できた…。』

そう言う黒い装甲。確かによくよくみて見れば装甲がいつもと変わっていた。
長くなった角、そして装甲の隙間に生えた尖った棘。それは阿久津の姿に似てるような気もする。

そして次の瞬間病院内の電気が布津野の部屋の地面に集まる。

[バチン!バヂバヂバヂバヂバヂバヂバヂバヂバヂバヂバヂバヂバヂバヂバヂバヂッ!!]

電撃音が響き渡る、地面一面が青白く光り始めるそしてニヤリと笑うと立ち上がり飛び上がった。
****************************************************

151 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/10/01(日) 17:37:22
>【AMATERASU施設最深部・IWAYADO】
白川が渾身の一撃をかました次の瞬間、急激に天井が熱されていく。
どんな者でもこれなら即座に気付くだろう、布津野の部屋は確かに特殊な金属で出来ているが金属は金属、
ある一定の温度を通り越すと溶解されていく。
それと同時にいつの間にかあらゆる壁をつたりIWAYADOの地面を強力な電磁石にした。
少しずつ銀の高熱の雨を滴り落とす天井。無重力だが金属は電磁石となった地面へと凄いスピードで張り付いていく。

そして次の瞬間、地面の強力な磁力に耐えられなくなった銀の天井がいっぺんに崩れていった。

152 :東屋 実咲 ◆AHL7KHofQw :2006/10/02(月) 21:49:32
誰もいなくなった部屋で東屋は佇んでいた。
佇むことしか出来なかった。
心臓の一部と融合した布津野の細胞が暴走を始め、東屋の人格を食い始めたのだ。
本人らが気がついたときにはもう遅く、東屋実咲とゆう人格はたった今死んだ。
しかし、肉体は死を迎えず、植物のごとく佇む。
まるで何かを待っているかのように佇む。




[東屋実咲 再起不能]

153 :東屋だったもの:2006/10/02(月) 21:54:15
ウ〜リ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!
死体が起きあがり色々食っている
かなりグロテスクだ

154 :布津野 珠美 ◆0ol//9//Sw :2006/10/02(月) 21:57:17
>147>151
全身を持って一本の剣と化した白川の蹴りは天子の胸に突き刺さる。
ルルドの息の金色の粒子が飛び散り、灼熱と化した足が天使の内部からその身を焼いていった。
『わ・・我が・・ああ・・・このていどでぇええ!』
爆炎に包まれてながらも、天使は死ななかった。
残った左腕で白川の首を掴み、引き抜いていく。
掴んだ首を握り潰そうとするその腕を何かが貫いた。
それは銀の雨。
爆炎と灼熱に溶けた内壁が強力な電磁石と化した床へと引き寄せられたのだ。
その磁力によるスピードと熱により天使の腕を貫いたのだ。
降って来るのは銀の雨ではなく、天井すらも引き寄せられていく。

一瞬のうちに事態を察した天使は、白川の首を占める力を緩め、穏やかな眼差しで見詰める。
『白川よ。汝はこれから過酷な事実と対面するだろう。妹を求め、彷徨い生きよ。』
白川の頭の中だけに響くその声と共に、白川を投げ飛ばした。
直後、天使の光輪が床に走り圧倒的な効力と熱量で床を溶岩に変える。

磁力は熱に弱い。
高熱に晒されると磁界を保てなくなり、その効力を失うのだ。

磁力は掻き消されたが、IWAYADOの崩壊は決定的であり、最早止められるものではなかった。
このままではIWAYADO否、AMATERASU施設内にいるもの誰一人として生き残れないだろう。
『ごがあああああ!!!』
それを悟ったか、右半身を失い、胸に穴を開け焼ける天使が吠える。
残った左手をかざし、光を放つ。
光は崩れゆく天井を消滅させ、シェルターを貫いた。幾層もの岩盤を砕いて地上までの大きな穴を開けた。
その光はルルドの息の塊。
熱を帯びずシェルター内を満たすと、全てのものの傷を癒していった。

地下数キロから地上へ達する坑道を作った天使は力尽き、落ちていく。
この一撃でAMATERASUの機能が停止し、IWAYADO内の無重力状態も解除されたのだ。
天子は布津野を片手で抱き、共に溶岩と化した床へと沈んでいく。
「・・・残念だわ・・・。私の目指した進化も・・・ここまでね・・・。
後は生き残ったあなたたちに任せるわ・・・。
すぐにあなたたちは知る事になるでしょう・・・。私がなぜ進化に拘ったのか・・・。
あらゆる犠牲をいとわず、人類と言う種を継続させなければいかなかったのか・・真の敵はすぐにあなたたちに元へ・・・
人類という種を・・・絶やさないで・・・・。」
布津野は言葉を残し、天使と共に溶岩へと沈んでいき、静寂が戻った。

『お願い・・・赤木を・・・』
条咲だけの頭に響いた最後の布津野の言葉は途切れ、最後まで聞き取る事は出来なかった。

155 :榛原 ◆fAnDqHclsQ :2006/10/03(火) 00:37:07
「イザナギよ、新たなる人類の誕生の瞬間を・・・見せてあげるわ・・・」

なにを言うとるんや!?この女は、おんどれは負けたんやぞ!?
ま、まさか、そないなはずない!嘘や!そやけど布津野は体を液状化し穴へと姿を消す。

「間に合わんかったんか!?」
ダメや、とうとう布津野は自分の目的を完了しおった。
終わりや、崎島くんも力を使い果たし取る、
失敗作らしい阿久津のお嬢ちゃんは気絶、東屋のお嬢ちゃんもダメやろ。
姐ちゃんも戦闘向きやない、ワイなんて指一つ動かせん、
もっともワイなんて居ても居なくても同じなんやろうけどな。

「……チクショウ、ちくしょう!…」

 ヴン…!ドバババッ!

なんや雷が落ちたような音が響き渡る。顔を上げると先島くんのBEがある、
「ま、まだいけるかボーズ?」
その言葉に全く反応せんBEを見てワイは気付く、崎島くんがそこにいるのに。
だれや?だれがこのBEを着てるんや!?謎のBEは手を叩くなりワイの髪の毛を掴み
気に食わん笑みを浮かべる、

『…あん時の能力は凄かったぜ…あのヒョロイのにゃ見えなかったかもしれねぇが俺には見えた。
なかなか器用じゃねぇか、いくらA-Classとはいえなかなかいねぇよ…あんな手品出来るのはな!
…だがお前は今はそこにいられちゃ邪魔だ。』
ワイはBEに口元だけ笑いを浮かべてみせる。
「……ハッ、まさかこないな種があるとは思っておらへんかったわ、
 まあええ、元から『博打』や、布津野を倒せ、
 あともう一つ、年上にはちゃんと名前で呼ぶのが礼儀やで『餓鬼』」
ワイの言葉に苛立ちを覚えたのか力いっぱいに投げ飛ばす、

「ぐはぁ!!」
床にたたきつけられ吐血する、あかん、もう危ない、
ほんまに危ない、出血量から言うても、もう助からんレベルや。
死にとうない、それだけがワイの心を満たしていく。


156 :榛原 ◆fAnDqHclsQ :2006/10/03(火) 00:40:07
するとふと目前が光りで溢れる、目を焼くような眩い光りにあたると傷がいえていく、
「ル……ルルドの息?…そうか、布津野、お前は……」
おそらく天使とやらの全身全霊を使って布津野はワイ達を救ったんやろう。
布津野ははなからワイ達を敵を思っておらへんかったんや、
ワイ達を追い詰めたんが布津野なら…ワイ達を救ったんもまた布津野やゆうことや、

「フフッ…ハハハハハ!ハーハハハハハ!!」
笑いが止まらん、なぜか?布津野の目的や想いが今頃になって理解できたからや、
あいつはあいつなりに考えてたんやろうな、それも深く深く、重く受け止めて、
そやけど、馬鹿なやっちゃで……なんでお前は一人でやろうとしたんや?
布津野…その真の本質を、なんでワイ達にも伝えなかったんや?少しは楽になったかもしれへんのに、
ワイは溶岩の中へと消えていく布津野をそしてほかの奴等へと視線を移していく、

「不器用でお前の一方的な種への愛、それを受け取るほどの度量も、心も、
 人類にもワイみたいなEXEMにもどうやらなかったゆうことや…」

そして背を向け袖をまくる、一個欠けた玉、
布津野に預けたまんまのやつや、多分消えてなくなってるやろう、
繋がるわけがないそやけどワイは言葉として出しておった、

「お前の考えは肯定できん……おそらく今までのことから、
 あるとしたらお前は地獄に行くんやろうな、そやけど、
 もしもワイを仲間と思っとるんなら、なんかあったとき渡した玉で呼んでみいや、
 もしかしたら、飛んでいくかもしれへんな……」


157 :赤木 ◆WHN5o4DexM :2006/10/03(火) 13:27:20
>154
布津野は、死んだ。溶岩の中へその身を落として。
赤木は黒衣を脱ぎ捨て、その現場を眺めるように佇む。
その現場にいる者達の感傷をかき消すかのようにタップダンスの音が聞こえる。
そして生き残った者たちの前にいるのは、赤い顔をしたピエロ。
黒衣を脱ぎ捨てた男の顔は、ペイントされた顔とおどけたサイケな衣装に身を包み
その場には不似合いな格好としか思えなかった。


「パチパチパチパチパチ!!」

ピエロはまるでショーが終わったあとの挨拶かのように拍手をしながら満面の笑みを浮かべている。
崩壊しているはずのこの部屋の時が一時的に止まっているのだろうか。
あまりにも静かな世界。そして違和感のある空気。

「素晴らしいショーでしたねぇ・・・お客さん喜んでいただけましたかね?」

笑いながらジャグリングを始めるピエロ。
しかし、少しずつ時は動き出しこの部屋と病院全体の崩壊が始まっていることを告げる。
ピエロは生存者たちに問いかけるように顔を覗き込みながら微笑む。

「・・・ニンゲンはやはり、オモシロイ。 だから、もうちょっとだけ
チャンスをヤロウ。デモ、いずれニンゲンハ・・・ワレワレのものに、なる」


それだけ言うと、ピエロは部屋から消え去った。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

>154
「珠美、珠美・・・」

死んだ布津野を呼ぶ声がする。
目を開けたその先には、彼がいた。失くしてしまった、何度叫んでも再び
会うことの出来なかったあの人が。

その姿は赤木にそっくりだった。でも、違う。
赤木のような冷酷さも、邪悪さもない。
そう、赤木に殺された「彼」が布津野の目の前にいる。

「もう、戦わなくていい。いっしょに、行こう。
君はもう充分、戦ったじゃないか・・・だから。」

彼が微笑み、布津野の手を引く。

そこに広がる世界は・・・

158 :条咲綾子 ◆2TlaRARhhA :2006/10/03(火) 20:22:58
天使の構成に条咲は唖然とするしかなかった。
脳内に流れる映像。
条咲はその映像を表情も崩さず見る。
そして出産は完全に終わった。
>出産を終えた布津野は小さくしぼみ、無重力の部屋を漂う。
>最早何の力も感じさせぬ、抜け殻も同然の姿であった。
そして、一人の男が声を掛けてくる。

>「条咲さん・・・貴方までここに。その、彼女は・・・!?」

「白川くん・・・!?」

驚いた表情で白川を見る条咲。
まさか本当に来るとは思わなかったのだ。
白川は阿久津に近づく。
黙ってその表情を見る条咲。
そして白川は言った。

>「間違いない・・・俺の、妹だ。生きてた・・・俺の妹が。
>たった一人の、妹が・・・」

しかし条咲は感動の再会を喜べなかった。
何故なら阿久津はTSUKUYOMIに・・・。

子供のような姿から、見る間に青年の体型となった天使。
>最初に眼を向けたのは布津野。
>そしてIWAYADOへときた白川達。
穏やかながら鋭いオーラを纏うそれは、
条咲をおびえさせる。
そして、次の瞬間。
>その穏やかな表情はすぐに崩れる。

>「キャシャアアアアーーーーーーー!!」

>宙を見詰め、突然雄たけびをあげ右手をふった。
雄叫びだけでかなりの攻撃力だった。
条咲は思わず顔を歪める。
まるで悪魔の神様のようなその存在。
条咲は思わず頭をくらつかせ目を少し閉じる。
おぞましい。
しかしだ。
条咲は目を開くと銃を一発発射する。
当たる銃弾。

そして次の瞬間
天使の右手は変形した。
自分の力で自分を傷つけたのだ。

ルルドの息で治療する天使。
そして次の瞬間崩壊は始まった。
再生していく手はさらに姿を変えていき
そして天使の内部から一人の男が出てくるのがわかった。
動揺する布津野。
条咲は寂しそうに笑うと銃をしまった。

159 :条咲綾子 ◆2TlaRARhhA :2006/10/03(火) 20:24:29

これで今回の任務は終わった・・・

>「ごがあああああ!!!」
>半身が毟り取られたような状態で叫ぶと衝撃波が生まれ、墨田も、白川も、条咲も、部屋にいる全ての者が壁に
>叩きつけられた。
下手すればこれで天使はさらに強くなる。
しかし最早条咲にはどちらでもよかったのだ。
天使が死のうが生きようが。
そして白川は反撃のけりへと向かう。

>「うぉぉぉぉおおおおりぃぁぁぁぁ―――!!!!!」

そして、その両足は天使にあたった。

>『わ・・我が・・ああ・・・このていどでぇええ!』

しかし
>爆炎に包まれてながらも、天使は死ななかった。
そして反撃を開始する天使。

「白川くん!」

そう叫ぶと銃を構える。
しかし天使の上に銀の雨が貫く。

「・・・!?」

天井を見る条咲。
それは熱しられた天井、
そして地面を見てみれば電気の帯びた磁石と化した地面。
もしやこれはと条咲は白川に向かって叫んだ。

「白川くん!天井が落ちるわ!!逃げ・・・!」

しかし言葉は途中で終わった。
投げ出される白川。
そして
>天使の光輪が床に走り圧倒的な効力と熱量で床を溶岩に変える。
条咲は変身した。
そして白川の元に行くと、
無重力の中穴の上へ向かう。
脆くなりつつ崩壊を辞めた天井。

あの天使は

あの天使は・・・

「助ける気なのね・・・」

そう呟く条咲。
穴の上へ出る条咲。

160 :条咲綾子 ◆2TlaRARhhA :2006/10/03(火) 20:25:39
>『ごがあああああ!!!』
>右半身を失い、胸に穴を開け焼ける天使が吠える。
>残った左手をかざし、光を放つ。
>光は崩れゆく天井を消滅させ、シェルターを貫いた。
>幾層もの岩盤を砕いて地上までの大きな穴を開けた。
それはルルドの息だった。
変身が解除される条咲。
しかし癒された条咲は布津野の部屋にただずむと、
穴の中から布津野を見た。

>「・・・残念だわ・・・。私の目指した進化も・・・ここまでね・・・。
省略
>人類という種を・・・絶やさないで・・・・。」

>『お願い・・・赤木を・・・』

聞こえてくる布津野の声。
しかし条咲は何も答えなかった。
崩壊が始まる病院。
しかし暫くじっと穴の下を見る。
そして天井に張り付いたそれを見た。
転がった崎島。
そして・・・

「早いお目覚めね・・・」

そういうと黒い装甲を睨み付けた。
あれは崎島ではない。
条咲は少しいらつきを何故か隠せない様子だった。
そして銃を構える。

「・・・すぐにそこから降りなさい。私と一緒に来るのよ。
貴方はTSUKUYOMIの大事なの一本・・・Proto-Edgeなのだから。」

そう言うと条咲は答えを待った。
答える黒い装甲。
そして・・・黒い装甲が消えると、
ピエロが現れた。

>「パチパチパチパチパチ!!」

すると突如時が止まる。

>「素晴らしいショーでしたねぇ・・・お客さん喜んでいただけましたかね?」

>笑いながらジャグリングを始めるピエロ。
>少しずつ時は動き出しこの部屋と病院全体の崩壊が始まっていることを告げる。
>ピエロは生存者たちに問いかけるように顔を覗き込みながら微笑む。

>「・・・ニンゲンはやはり、オモシロイ。 だから、もうちょっとだけ
>チャンスをヤロウ。デモ、いずれニンゲンハ・・・ワレワレのものに、なる」

静かに目を瞑る条咲。
ピエロは消えた。
条咲は少し哀しそうな表情をすると、
ここにいる人間の顔を見た後、
崎島を背負い黙って歩き出した。

161 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/10/04(水) 17:28:57
>154
>全身を持って一本の剣と化した白川の蹴りは天子の胸に突き刺さる。
ルルドの息の金色の粒子が飛び散り、灼熱と化した足が天使の内部からその身を焼いていった。
『わ・・我が・・ああ・・・このていどでぇええ!』
爆炎に包まれてながらも、天使は死ななかった。
残った左腕で白川の首を掴み、引き抜いていく。

決まった・・・そう思った瞬間だ。
俺の首を強烈な力が襲う。
「くっ・・・うわぁぁぁぁっ!!!」

だが、俺の絶望を救う雨が空から落ちてくる。
銀色の雨。天使の力は弱まり、俺の首から離れていく。
其の時、天使の声が聞こえた気がした。いや、確かに聞こえた。

次に聞こえてきたのは、布津野の声だった。
ここにいる者へ聞こえる声。
>「・・・残念だわ・・・。私の目指した進化も・・・ここまでね・・・。
後は生き残ったあなたたちに任せるわ・・・。
すぐにあなたたちは知る事になるでしょう・・・。私がなぜ進化に拘ったのか・・・。
あらゆる犠牲をいとわず、人類と言う種を継続させなければいかなかったのか・・真の敵はすぐにあなたたちに元へ・・・
人類という種を・・・絶やさないで・・・・。」


「布津野・・・お前はいったい何を・・・何を伝えたかったんだ・・・」

俺が問う間もなく、彼女は溶岩の中へ消え去って行った。
彼女もまた、何者かに意思に踊らされた1人ということなのか・・・


162 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/10/04(水) 17:37:39
>157
ピエロが現れ俺たちに言った。

>「・・・ニンゲンはやはり、オモシロイ。 だから、もうちょっとだけ
チャンスをヤロウ。デモ、いずれニンゲンハ・・・ワレワレのものに、なる」

ふざけるな・・・俺は奴の顔面を殴り飛ばそうとする。
だが奴は既に消えていた。あの男、いったい何者なのか・・・!?

>160
(病院前 明け方)
崎島を背負って歩き出す条咲さんを背に、俺は阿久津と呼ばれる少女を背負っていた。

「条咲さん・・・すいません。俺は、彼女を・・・妹を助けたい。
たとえ、彼女がTSUKUYOMIの生物兵器だとしても・・・ね。
すべては、親父から聞いた。俺がもう、組織にいる理由はない。
・・・これからは、貴方達とは敵になるだろう。」

バイクに乗り、俺は少女を後ろに乗せる。
気絶しているだけだ・・・大丈夫だ。今、安定剤を飲ませて眠っている。
博士や親父が、きっと何とかしてくれる。
だが、もうTSUKUYOMIにいる理由などない。

俺は戦う。すべての敵と。
それが仲間だったものであろうとも。

朝日が迫る空を跡に、俺はアクセルを吹かす。


163 :榛原 ◆fAnDqHclsQ :2006/10/04(水) 23:24:15
消えていく布津野をワイは見届け、潮時が迫っとるのを感じ
自分の部屋へと戻ろうとするとカッカッっとタップダンスが聞こえてくる、
ふざけたピエロが目前にくる、憎たらしい笑いを浮かべた道化を見て唾を地面に吐く、
しかし唾は地面に落ちずに止まってもうた、ワイ達以外の事象が止まっとるとでもいうんか?
「……なんや、これで希望を抱いてみんなそれぞれの生活に戻って
 お終いお終いやないんかいな……」

「素晴らしいショーでしたねぇ・・・お客さん喜んでいただけましたかね?」
楽しいわけあるかアホンダラ!ワイなんて死ぬかと思ったで、
これで楽しんでおったらワイは真性のマゾヒストやないか、

―パラパラパラッ

不吉な音にあわせてワイの頭に埃がかかりここがもう長く持たんことを告げとる、
しかしそないなことは全く気にならないように笑い続ける道化、
その不気味な笑いとともにワイ達に不吉な言葉を放つ、
「・・・ニンゲンはやはり、オモシロイ。 だから、もうちょっとだけ
チャンスをヤロウ。デモ、いずれニンゲンハ・・・ワレワレのものに、なる」

「どういう意味や……?」
ワイの言葉を無視して消えゆく道化、ふざけたやっちゃで!
人間を我々のものにする?ハッ!
冗談も程ほどにせえへんと舞台自体から退場させられてまうでこの腐れ道化、

―ガラガラッ!

時間は活動を再開し壁やら天井やらが壊れ、コンクリートが地面に落ち始める、
そろそろとんずらさせてもらうとするかいな、ワイはダッシュで自分の部屋へと急ぎトランクを取ってくる、
病院を脱したときはもう音を立てながら病院が崩れたギリギリのラインやった、
他の生き残った奴等へとワイは視線を移す、崎島くんは無事みたいやな、

他にも新しいBEらしき兄ちゃんとかいるけど、まあワイには関係ない奴や、
他の奴等も他人も他人、だれについていくとも思わんわ、
それに、ワイはここにいる諸々みたいにあの道化の言葉に感化されたり、
熱くなったりするような奴やない、要するにここでさよならや、
繋がりは絶たれたっちゅうわけやな。


164 :榛原 ◆fAnDqHclsQ :2006/10/04(水) 23:25:14
「さぁて、やっと帰れるわ、」
瞳の家が思い出される、はよ行かんと瞳にも忘れられてしまうで、
瞳の家で阿久津のお嬢ちゃんを思い出す、
「あぁ!?そうやったなぁ、阿久津もあの家に住んでるんやったか。」
ワイはバイクに跨る男が阿久津お嬢ちゃんを抱えてるんを見つける、

「おーい、そこの兄ちゃん、その子が目覚ましたら瞳の家に帰るように言ってくれへんか?
 なんかあんたも阿久津お嬢ちゃんとなんかあるみたいやから二人で来てくれても構わへん」
ワイの顔を見て明らかに警戒する、そない顔せんでもええのに、そんなにこの格好は変なんか?

「そない顔せんといてや、頼んだでぇ兄ちゃん」
エンジンを吹かし去ってくバイクを見ながら呟いてしまったわ、
「これで良かったんやろうか?」
本当は阿久津のお嬢ちゃんは瞳の家にはもう住んでてもらいたくない、

ワイが言えることやないけど、あの子は危険や、
孤児院のみんなに危険を及ぼす可能性も重々ある、
「そやけどなぁ、瞳が心配する、あいつは捨てることを知らん馬鹿や、
 きっと家族一人が欠けたら探しだすはずや、そないな苦労かけたくない……それだけや。」

そしてワイも瞳の家の方角へと歩き出す、これからは孤児院で腰を下ろして暮らす、
この時は荒廃したビル群も何もかもが家への素晴らしい道に見えた、

そやけど、今歩いている道は新たな戦いに通じる道でしかなかったんや。


165 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/10/05(木) 18:40:44
>164
朝日の昇る空、一人の男が俺を呼び止める。
この男は一体・・・俺は怪訝な目で見る。
それを知ってか知らずか、男は人懐っこそうな表情で俺に言う。

>「おーい、そこの兄ちゃん、その子が目覚ましたら瞳の家に帰るように言ってくれへんか? なんかあんたも阿久津お嬢ちゃんとなんかあるみたいやから二人で来てくれても構わへん」

・・・どうやら、敵意はないらしい。むしろ、好感さえ持てる。
俺は警戒した顔を緩め、男に振り向く。

「分かっている・・・この子がいるべき場所はその家なんだろう。
だったら、もうこんな争いには巻き込まれずに平穏に暮らせれれば・・・それが一番だ。」

>「そない顔せんといてや、頼んだでぇ兄ちゃん」

男の言葉に俺は無言で手を振り上げ応える。
朝日が目に眩しい。

(白川剛三研究所)

「残念だが、わしが出来ることはこれで精一杯だ。」

親父に少女を完全な人間に戻せるように頼んだ。
だが、それは叶わなかった。彼女の、EXeMとしての能力を抑えることには
成功した。だが、それは完全ではない。

「この娘が、普通の人間として生きていくのは非常に困難だろう。
現時点での細胞崩壊と、ウイルスによる凶暴化は抑えることが出来た・・・だが。」

人間としては、生きられない。それは彼女が生きていく限り、ずっと変わらない。
俺は目を閉じ、俯く。だが、それでも・・・いいのだ。そう思うしかなかった。

「宋、行くのか?」

親父の言葉に俺は頷く。まだ眠ったままの少女を乗せ、俺は研究所を後にする。
目指すのは、あの男の言っていた「瞳の家」。


166 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/10/05(木) 18:45:51
―瞳の家―

どうやら孤児院らしい。
俺はバイクから少女を降ろし、瞳の家に向かう。無垢な笑顔を浮かべた子供たちが少女の顔を見るなり歓喜の声を上げる。
子供達に、持ち合わせの飴や菓子を配る。こんな事くらいしか出来ないが、それでもいいだろう。
戦いで疲れれていた俺に、子供達の笑顔はどんな薬よりも効いた気がした。

「愛されているんだな・・・この子達に。・・・妹は。」

俺は子供たちに微笑みながら、この孤児院の家主を尋ねた。
名前は「瞳」。俺は今までの事情をウイルスやあの病院での出来事を隠し話した。

「この子は・・・この家にはいるべきです。だから、お願いします。
・・・こんな時代です。だけど、きっと救ってくれる人が現れる。
だから希望を捨てず生きて下さい・・・!!
この子が、平穏に生きれるように・・・どうか。ここでもう1度。」

俺は頭を下げ、部屋を出る。
その時だ。廊下にいた男・・・あれは、あの病院で俺に声をかけた男。

「ちょっと・・・来い。お前に聞きたいことが、ある。」

俺は男を呼び止め、施設を出た。
夕日の迫る瞳の家の前。俺は男に問う。


「俺は・・・分からなくなった。EXeMが本当に倒すべきじゃなく・・・
布津野の言葉の意味が。お前は、布津野の仲間だったんだろう?
なら、教えてくれ。EXeMとは何なのか・・・布津野が見つけようとした答えは何なのか。」


167 :黒い装甲 ◆.wQUI50w5o :2006/10/05(木) 18:45:56
分厚い装甲の下で男は愉快そうだった。
装甲から見た地面はサーモグラフィーのようになっており、物質の温度、地面の更に下にいる人間の様子なども詳しく分かる。
まさに男にとってここまで来れば高見の見物だった。
地面に足の裏をくっつけ愉快そうに赤ん坊の様子を見る。
『クックック…これぞ正義の味方様の醍醐味だぜ。銀の雨と雪崩に貫かれ苦しんで死ねや。』
そう邪悪な笑みを漏らす黒い装甲。その姿はとても正義のヒーローにみえなかった。
寧ろこの男の方こそ修羅なのでは?と疑問さえ浮かぶ。そんな愉快そうな男の姿。
しかし次の瞬間その愉快そうな姿は困惑の色へと変わる。
突如IWAYADOの地面の温度が上昇したのだ。
お陰で磁力が効かなくなり雪崩どころか銀の雨さえもやんでしまう。
『…悪あがきする気か…?あの野郎。』
そう言うと拳を握る。
しかしそれは悪あがきでは無かった。
赤ん坊の生命反応が一瞬弱まったかと思うと、次の瞬間その赤ん坊は白い光を天井に放った。
『うおっ!!』
慌ててその光を避ける黒い装甲。しかし指先に当たってしまう。
しかし指先にダメージなど全くなかった。寧ろ指先の僅かな傷がなくなり新品同様の状態になっている。
即ちこれは『ルルドの息』の塊という訳だ。
下を見てみれば条咲が穴から出てきてるのが分かる。
病院が小刻みに震えている。外まで繋がる赤ん坊が作った大きな穴。即ちそれは…。
男は指先を撫でると言った。
『…くだらねぇな。最後の最後で善人面か?
どんなことやろうが悪は悪だろうが。まーいいけどよ…。何にしろお前が負けっていう事実は変わらねーんだし。』
するとその声が聞こえたのだろう。条咲が睨みつけてくる。そして銃を出し黒い装甲に向けてきた。そして一言女は言う。

>「早いお目覚めね・・・」

『…おかげさまでな。…その銃口は下げた方がいいんじゃねーの?
俺には効かねぇってこた十分知ってるだろ?』
そう言うと黒い装甲は条咲を装甲の下から笑う。しかし内心は殺気で煮えくりかえってるのが十分伝わってくる。
しかし条咲は銃を降ろさず睨んだままだ。
>「・・・すぐにそこから降りなさい。私と一緒に来るのよ。
>貴方はTSUKUYOMIの大事なの一本・・・Proto-Edgeなのだから。」
そう条咲は言う。しかし男は即座に答えた。
『ッハ!誰が戻るかよ。やっとあの糞兄貴から逃れられるんだ。
俺は自由!おめぇ等は糞だ!』
そう言うと黒い装甲は足の裏の磁力を解除し地面へ着地した。
『…俺が何も知らねぇと思ったら大間違いだぜ。嬢ちゃん。
TSUKUYOMIが黒なんて事とっくのとうに俺が人間じゃなくなった時から知ってんだ。
…今からでもTSUKUYOMI本社に殴り込みてぇ気分なんだよ…てめぇ等糞TSUKUYOMIによ!アァ!?』
そう言うと男は条咲を睨み付けた。
凄まじい殺気は針のように条咲をつっつく。
崩れてゆく銀の塊。男はそんな崩壊が始まった病院の中、暫く条咲を睨み続けるその姿は、私怨も混ざってるような気がする。
しかし男は次の瞬間ニッと笑った。
『まぁ…今は無理だろうけどな…。』
そう言うと男は少し含み笑いをすると突如大笑いし咲に背を向けた。そしてふさがれた出口へ歩き出す。
『まー!こんなボロ病院でにらみ合いしたって何も変わらねーよ!
とりあえず俺に少し自由を楽しませろや!
なんせ数年ぶりだ!数年ぶりに…俺は…帰ってきたんだ!

崎島 大和という一人の人間にな!

もう俺はただのそこにいる糞坊主の武器じゃねぇ!自分の意志を持ち動くことができる!自分の正義を貫く事ができるんだ!
でも安心しやがれ!シャバの空気ちょっくら堪能したら直ぐ殴りにきてやらぁ!そん時がお前らの最後だ!
条咲、てめぇの…そして…総帥様々のな!』
そう叫ぶと立ち止まり、振り向きキッと一カ所を睨む。そして次の瞬間男は霧状になって消えていった。
*******************************************************

168 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/10/05(木) 18:48:45

止まらない循環

霧の中の手

そして…

「大和!?」
[ガバッ!]
僕は起き上がりました。
見てみればここはベッドの上です。
肩まであった髪の毛が綺麗に切られてる上、傷も綺麗に治っています。
しかしその前に僕は大急ぎで周りを見回しました、だって大和が…僕の兄がいたような気がしたから。
…でもそこには誰もいませんでした。僕はため息をつくと僕は頭を掻き再度布団に寝ました。
「…居るわけ無いか…。」
僕はそう言うと天井を見つめます。
そう…居るわけ無いじゃないですか…兄は…大和は死んだ…。
僕は腕を目の所に置くと暫く黙り込みました。
窓から日の光が差し込んできてます。
まるで布津野との対決は夢だったかのようにのどかな日の光が

169 :HB:ゼノン:2006/10/05(木) 22:46:41
・・・・・やつの起動確認・・・・・・
ジェノサイドモード起動・・・・・・

170 :サイバー00:2006/10/06(金) 00:06:21
俺以外のサイボーグは・・・・必要ない
抹殺する・・・
>169
まずは貴様からだ・・・
グシャッ!!
ふっ・・・もろすぎる
待ってろよ白川ぁ!!

171 :榛原 ◆fAnDqHclsQ :2006/10/06(金) 19:18:14
昼の日差しで白く光っとる孤児院、
「……本来の予定どおり帰ってきたっちゅうわけか」
扉をコンコンッとノックする、瞳はどないな顔で出迎えてくれんのやろうか?
笑って歓迎してくれるんかそれとも無責任なワイに失望してるんか、
怖い気持ちでいっぱいや、

「まあ、どっちにしろ渡すもんは渡さんとあかんからな」
手に持ったトランクを見る、中身は単純明快、生きてくために必要な金や、
それも今の政情で見ると半端ない金額が入っとる、もちろん…汚い金や……強盗に殺しに、
汚れられるだけ汚れて手にした金や、まあ、ワイみたいなドブネズミにはお似合いの生き方っちゅうやつや、

「はーい」
声と共に扉が開く、そこには瞳がいた、一年前と同じ…いや、少し痩せた、
そやけど、それがこの女が一年間の間になんも変わってないことを教えてくれた、
「なんや、また無茶しよってるみたいやな瞳、」
瞳は呆然とワイを見てる、忘れてしまったんやろうか?

「透……いままでどこいってたの!あんなに急にいなくなるなんて!
 いつもいつも突然なんだから、だいたい孤児院立てようっていったのあなたでしょ!?
 とりあえず今から昼食だから、早く入って、」
瞳は弾けたようにワイに捲くし立てる、それにしても、
透か…名前で呼ばれたんはほんまに久しぶりやなぁ。

ん?ちょっと待て、こないな軽い雰囲気でいいんか?
「い、いや、立てよう言うたんはワイやけど、というかもっと怒るとこあるんちゃうんか!?
 ほら、一年間居なくなってたんやで!?そないあっさり風味でいいんかいな!?」
「帰って来たんだからいいじゃない、でも昼食の洗い物はやってもらいます!」
「……へ?あ、はい分かりました」

……なんか、タフやな、今まで会うの怖がっとったワイが馬鹿みたいや。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

ワイは昼飯をガキ達とみんなで食うことにした、というかさせられたんやけどな。
食堂を見渡すと子供達はワイが居たころの二倍以上になっとることが分かる、
「こらまた随分と増えたもんや、」
素直に思った感想を瞳に言う、ワイの言葉に瞳は嬉しそうに色んな子供のことを話す、
苦労も半端ないはずやろうけどな、

「なあオジサンだれ?」
「……お兄さんやろ?」
「ねぇなんでここにいるの?」
子供達はじゃんじゃんワイに話しかけてきてもうメシどころやなかったわ、
子供っちゅうのはほんまに好奇心旺盛でええな、
ワイなんかもう知りたくないことが一杯やで。

「もしかしてオジサン、昔に瞳お姉ちゃんを捨てて出て行ったっていう悪い男なの?」
「ブフッ!?人聞きの悪いこと抜かすな!そもそも瞳とデキてないわ!」
もう半場ワイへの質問会で食卓は進む、相当多いはずの食事が
どんどん子供達への腹ん中に納まっていく、全部を残さず食べ子供達は食堂を出て行く。
そしてこれまでの質問攻めとこれからこの膨大な量の食器を洗うという責務で、
すでにワイはドロップアウト寸前、

泣きながら一心不乱に食器を洗い拭き続け終わる頃はもう日が落ちかけとった、
「毎日、毎食これをやっとるんかみんなは……冗談はよしこさんやで……」
タコ部屋の一角でワイはグロッキー状態で座り込む、
そやけどこのまま『落ち』たらあかん、トランクを渡さなあかん。
ゾンビみたいに俯きながら部屋を出て院長室を目指す。


172 :榛原 ◆fAnDqHclsQ :2006/10/06(金) 19:29:41
「ちょっと・・・来い。お前に聞きたいことが、ある。」
顔を上げるとそこにはさっきの兄ちゃんがおった。
「……おう、来たんか、って、どこ行くんや!?」
付いてこいといって歩き出す兄ちゃんの後をワイは追う、
孤児院の扉を開ける男、夕日が眩しいばかりや。
そないなこと思っておると男は真剣な顔でワイを見る、

「なんや、なんかあったんかいな?」
「俺は・・・分からなくなった。EXeMが本当に倒すべきじゃなく・・・
布津野の言葉の意味が。お前は、布津野の仲間だったんだろう?
なら、教えてくれ。EXeMとは何なのか・・・布津野が見つけようとした答えは何なのか。」

なんや、結構重くてヘヴィなことを聞いてきよった。
ワイは煙草を一本取り出しふかしサングラスをかけ男を通り過ぎ夕日を見つめる、

「……EXEMが何なのか、そないな学者でも答えに詰まってまうような事を、
 ワイに言われてもなぁ、ワイはただの一匹のEXEMやで、」
ワイの底意地の悪い問いかけに男が苦味を含んだ表情になっとることは容易に想像できる。

「まあ……出来る限りワイの頭で整理した事なら言うたるわ、
 EXEMは人の一種の未来への道やないかと思う、
 逃れ難い『何か』に対しての、一種の対策、ワイは今ではそう思うわ、
 布津野も、一刻も早う進化を目指さねばならんかった理由っちゅうもんがあった、
 そうは思えへんか?そう、逃れ難い『何か』っちゅう奴への抵抗として。」
ワイは自分の中で整理した単語を言葉に出してく、まあ整理っちゅうても不明点多すぎの
聞けたもんやない言葉やけどな。

そしてワイは兄ちゃんに背を向いたまま煙草を足で踏み消す、
ここからはもう、ワイの戯言や、考えでもなんでもないただ思ったことをぶちまけるだけや。
「人間でも畜生は畜生や、なら逆は考えられへんかいな?
 EXEMにも優しい奴は居るって、考えないんか?なぁ兄ちゃん。
 あんた、本当にEXEM知る気あんのかいな?」

そしてワイは兄ちゃんの方に振り向きしっかりと目を見つめる。
「ええか?もしもEXEMが何なのか知りたいゆうなら、人に聞くなや!
 布津野が、布津野の答えがなんやっちゅんじゃあアホンダラァ!!」
そのまま兄ちゃんの胸倉を掴む、なんでかってこの兄ちゃんがあまりにも勝手すぎるからや。

「あんたは卑怯者や!EXEMが何か知りたい?そうやないやろ!
 アンタのゆう知りたいはただEXEM解剖して構造知りたいだけ違うんか!?
 なら、なら今すぐワイを殺せ!殺して思う存分EXEMを知ったらええ、」

ワイはナイフを一本取り出し兄ちゃんに握らせる。

「どした?ほら、EXEM殺すのいかん法なんてないんや、
 それとも何か?布津野のEXEMに対しての論説を聞きたいんかいな?
 …………お前達BEに無茶苦茶にされたAMATERASUの職員はなぁ。
 優しい奴が多かった…………優しかったんやぁぁああ!!!」

自然と涙が溢れる、確かにあそこはワイの家ではなかった、
それにあいつらも死ぬっちゅう覚悟は出来てたはずや。
でも、でもあいつ等は……

 み ん な 優 し か っ た ん や 

173 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/10/07(土) 14:40:54
>172
夕日の光が、目を突き刺す。
瞳の家では子供の朗らかな声が、こちらにまで聞こえる。
穏やかな夕方に、今までのことが嘘のようにさえ思えてしまう。

男は煙草を燻らせながら、夕日を見つめている。

>「……EXEMが何なのか、そないな学者でも答えに詰まってまうような事を、
 ワイに言われてもなぁ、ワイはただの一匹のEXEMやで、」

・・・俺は頷く。EXeM・・・この男も同じだ。
だが。俺は黙って男の言葉に耳を傾ける。

>「まあ……出来る限りワイの頭で整理した事なら言うたるわ、
 EXEMは人の一種の未来への道やないかと思う、
 逃れ難い『何か』に対しての、一種の対策、ワイは今ではそう思うわ、
 布津野も、一刻も早う進化を目指さねばならんかった理由っちゅうもんがあった、
 そうは思えへんか?そう、逃れ難い『何か』っちゅう奴への抵抗として。」

俺は同じく夕日を眺めながら、男に返す。

「・・・その何かが、恐らくはTSUKUYOMIだ。
病院での出来事で俺は確信した・・・全ての原因は、あの組織にある。」

男は俺の言葉を流しながら、煙草を足で消している。

>「人間でも畜生は畜生や、なら逆は考えられへんかいな?
 EXEMにも優しい奴は居るって、考えないんか?なぁ兄ちゃん。
 あんた、本当にEXEM知る気あんのかいな?」

俺は真剣な眼差しで男をただ見つめている。
その目には、一点の曇りもない。
男は俺の胸倉を掴み、感情を露にする。目には・・・光が見える。

>「ええか?もしもEXEMが何なのか知りたいゆうなら、人に聞くなや!
 布津野が、布津野の答えがなんやっちゅんじゃあアホンダラァ!!」

俺はただ、男の目を見ているだけだ。
今は受け止めるしかない。そして、この男にEXeMの「闇」を知る為にもだ。



174 :白川宋 ◆dMMbM6zhZs :2006/10/07(土) 14:55:49
矢継ぎ早に男は、ナイフを取り出し俺に握らせながら叫ぶ。

>「あんたは卑怯者や!EXEMが何か知りたい?そうやないやろ!
 アンタのゆう知りたいはただEXEM解剖して構造知りたいだけ違うんか!?
 なら、なら今すぐワイを殺せ!殺して思う存分EXEMを知ったらええ、」

俺は、ハッとした。この男には、心がある。人間となんら変わりのない熱い想いがある。
EXeMの中にも、人の心を持った奴はいる。俺は確信した。何をすべきか、を。

「卑怯者か・・・そうかもしれないな。ずっと、自分の家族の仇に手を貸していたんだからな・・・騙されていたとしても。
だが、俺はEXeMを研究の材料なんかに考えちゃいない・・!!それは、違う。
・・・俺は今、気付いた。EXeMの中にも、心はある。・・・だが。」

俺は夕日を背に、男にナイフを返す。
ここから話すことは俺の過去だ。

「・・・俺はかつて、EXeMに家族を皆殺しにされた。それ以来、ずっと奴らを憎んで生きてきた。
復讐の為に、生きていた。だが、それは全てこの国に・・・仕組まれたことだった。
しかし、EXeMウイルスによる凶暴化は事実だ・・・現に何人もの・・いや。
何万人もの人間が、奴らに殺された。・・・俺は、今でも奴らが、お前らが憎い。」


俺は憎しみとも悲しみともつかない目で男を見る。
だが、男は泣いているように思えた。

>「どした?ほら、EXEM殺すのいかん法なんてないんや、
 それとも何か?布津野のEXEMに対しての論説を聞きたいんかいな?
 …………お前達BEに無茶苦茶にされたAMATERASUの職員はなぁ。
 優しい奴が多かった…………優しかったんやぁぁああ!!!」


俺は男の肩を叩き、ナイフを折り曲げる。改造されてしまった俺の体は少しでも力の加減を間違えればこうなる。
もう2度と人間には戻れない。

「お前の仲間を殺したのは・・・俺ではない。それだけは信じてくれ・・!!
TSUKYOMIの特殊部隊が、実験材料として・・・誘拐し・・虐殺したんだ。

・・・俺は、人を襲うEXeMは許さない。だが・・・お前の言う「心」を持ったEXeMは守る。
必ず・・・TSUKUYOMIから守ってみせる。それだけは・・・信じて欲しい。
俺も、もう人間じゃぁない。だから・・・分かるんだ。人でない、辛さは。」



175 :名無しになりきれ:2006/10/10(火) 17:28:05
「死の街に蘇る悪魔の群よ‥‥
お前たちが棲むべき場所へ還るがいい──
俺の名は
BALCK EDGE!!」


次回「憎しみを愛に!!正義の変換率!?」をご期待ください!!

176 :名無しになりきれ:2006/10/14(土) 02:29:07
第一部 完

177 :名無しになりきれ:2006/10/14(土) 15:37:38
翔華(しょうか)コンツェルンはTUKUYOMIの隠れ蓑的企業だった
TUKUYOMIの真の目的それは世界制覇だったのだ

178 :名無しになりきれ:2006/10/19(木) 14:31:07
さて真の敵TUKUYOMIの正体とは?

179 :名無しになりきれ:2006/10/21(土) 13:20:38
さて第2部だが・・・ウルフが大活躍らしい・・・

180 :名無しになりきれ:2006/10/21(土) 16:06:28
さて第2部だが・・・猫キャラが増えるらしい

181 :名無しになりきれ:2006/10/22(日) 00:11:20
[アメリカ ペンタゴン B5F]
「素晴らしい素晴らしいデータが取れたぞ!!!」
布津野らの戦い見て男は狂喜乱舞していた。
「素晴らしい素晴らしいィィィィィィィ!!!
 彼だ!彼らこそ我々の敵に相応しい存在だ!!!」
と笑いながらボタンを押すと部屋の明かりがついた。
そこに並べられていたのはBEとは別物の鎧、肩に「B(ブラッド)G(ガンズ)」烙印が押されている。
それを見た男のテンションが更に高ぶる。
「我々アメリカが世界を制すのだ!ふははははは」
「どこが笑えるんだいホワイトピッグ?
 説明してくれよ」
と狂気の男の背後に椅子に縛られた赤髪の青年が尋ねる。
「何ってすべてだよ!すべて我々の思うままに!
 それにな!!!もっと面白いことがあるんだ」
男が別のボタンを押すと先ほどまで布津野らの戦いを移していたモニターの画像が変わり
カプセルに入れられた東屋の姿があった。
「彼女は君の失敗作を使いこなしていたそうだ。
 確かあれだったね?あのベルトは遺伝子の情報を読み取り
 100%の能力が出せない者を殺すように設計されていた、いや、そうなったのか」
「つまり何だ?」
「彼女は最強の兵士になるということだよ。
 彼女のクローンをつくり、BGの軍隊を作りあげる!!!
 どうだね?自分らの手を汚さずして侵略が出来る!
 最高じゃないかね?」
と狂気の男はまた笑い始めた。

[BLACK×EDGE第二部 狂気の星条旗 〜紅き駒人〜]

182 :ウルフガイ:2006/11/03(金) 01:35:39
いくぜ!!俺たちの戦いはこれからだ!!

183 :名無しになりきれ:2006/11/08(水) 11:21:30
打ち切りかよ

184 :名無しになりきれ:2006/11/08(水) 14:28:57
兄貴!!

185 :名無しになりきれ:2006/11/28(火) 22:33:15
返事がない…
兄貴はしかばねのようだ…

186 :名無しになりきれ:2006/12/11(月) 13:03:09
ツクヨミが滅びてから300年後


最終決戦に使われた核の影響により文明は衰退し
自然に発生した謎のウィルスの蔓延によりほとんどEXeM因子を持つ生物しか生き残らなかった

また生き残ったEXeM人間は獣人と呼ばれ生を謳歌しており、旧人類は希少種族として保護対象となっていた

けも耳ファンタジー ブラックエッジ2 公開?


187 :名無しになりきれ:2006/12/11(月) 13:10:18
初っ端からレ○プシーン

ぽろりもあるよ・・・内蔵ぽろりだがな!!

188 :名無しになりきれ:2006/12/11(月) 19:09:23
レップーケン

189 :名無しになりきれ:2006/12/21(木) 20:42:03
黒い刃が闇を切り裂く・・・・

190 :ギース・ハワード@ネコミミ:2006/12/21(木) 20:51:03
ハンッ!
カモ〜ン

191 :イオ ◆jlIWGsUZ1. :2006/12/22(金) 14:21:44
・・・

・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・歌が聞こえる・・・

・・・どこか懐かしくて・・・そして・・・とても悲しい歌が・・・

・・私はこの歌を・・・知っていただろうか・・・

・・・わからない・・・

・・何も・・・

・・・・

・・



廃墟の一室で私は目を覚ました。
私が目を覚ましたのは一つ。
声で探さなくてもわかる・・・敵が来たんだ。
私は立ち上がり、下腹部のある物の存在を確認した。
それは銃ではなく、一つのベルトであった。
だが、銃よりも強い・・・私の味方だ・・・
「・・・変身」
ベルトは私の声に反応するかのように紫光を放つ。
黒い皮布が始めに私の体を包み、その上に金属の鎧を装着させる。
甲冑が装着されたのを確認し、ベルトから刀が姿を現し、私はそれを手に取った。
光が収まったとき、壁越しで何かがいることがわかった。
私は刀を構え、深く息をする。
肺に溜まった空気を爆発させるように吐き出し、声を発する。
「キェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェエェ!!!」
発生した音を刀は即座に集め、私はそれを振るう。
「ピキョぇいいイイェエィァァアァァァィイイイイイイイ!!!」
壁は私の放った音と斬撃によって崩れ落ちた。

192 :名無しになりきれ:2006/12/22(金) 14:30:14
あっ。リリだ

193 :ギース・ハワード@ネコミミ ◆z4SnZzmydk :2006/12/22(金) 19:53:13
ジャエイケン!!
(その近くで壁を破壊している)

194 :崎島 大和 ◆.wQUI50w5o :2006/12/22(金) 20:22:05

――布津野殺害数ヶ月後。
一時期EXeM感染者数は激減、
が、そう時間がたたないうちにTOKYOのEXeM感染者数は数ヶ月で2,3倍増。
それと同時に一般市民を含む被害者数も3倍増。

その結果を見た都は都外の被害者数、及び感染者の増加を恐れ、

一般市民がまだ残っているTOKYOの全面閉鎖を強制的に決定。


TOKYOは完璧なEXeM都市と化した。


+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
――廃墟ビル B3階

TOKYOが閉鎖されEXeM増加が悲報とされてる中、
唯一この男は狂喜していた。

「クゥ〜…ヤッベェ…気持ち良い〜…」

周りにEXeMの肉片を散らばらせ、まるで子供のように喜ぶ男。

男の名は崎島 大和。

とあるBE装着者に育てられ、自由の身を手に入れたこの男は、今、これほどにもない快楽を得ている。
「…クックッ……濃いな…濃いぜ………ヤベェ…」
そう言うと手についた肉片を弄ぶかのように弄る男。
EXeM都市化したTOKYOは人間という弱者がいなくなったお陰でEXeM同士の食うか食われるかの弱肉強食戦争が行われている。
そうなれば自然と生物たちも強い濃い者達へと進化していく。

布津野が死んだというのにTOKYOは、正しく布津野の理想の都と化していた。

首を左右に動かし骨をならす大和、すると廃墟に設置していたPCに手を付ける。

[ヴン……]


195 :崎島 大和 ◆.wQUI50w5o :2006/12/22(金) 20:23:07

起動されるパソコン、そしてそこにはTSUKUYOMIの極秘情報が現れる。
大和はこうして毎日EXeMの情報を手に入っているのだ。
暫くマウスを動かしてクリックしたりしてるとふと一つの情報が目に入った。

【BE装着者 崎島瓜夜失踪】

「……。」
大和は暫くそのアドレスを見つめる。…が、すぐに別のリンク先に飛んだ。
関係ない、それが大和の導き出した答えだった。

過去を振り返っても何も起こらない。

「……さ、次のビル逝くかぁ…ヘッへ…」
そう言うと男は次の居場所を頭脳にインプットするとパソコンを叩き恐し上階に上がった。

インプットされた場所はイオが居る廃墟だ。

196 :名無しになりきれ:2006/12/22(金) 21:55:13
だから300年だってバカ

197 :名無しになりきれ:2006/12/22(金) 22:37:13
>>196
同姓同名ってことで許してやれ

198 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/12/23(土) 01:04:24
すみません…>>194-195は無しの方向でお願いします。
指摘、フォローありがとうございました。
+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+
―――TSUKUYOMIが滅んでから三百年。

街は随分変わった。
…まぁ…300年も立つんだ…ここまで変わるのも無理は無いかもしれない。
[ヴァァアン……ヴァン…ヴァン……]
ふと耳元に紅い蜂が一匹来る。僕はそれに気付くと笑顔で答える。
「そっか…わかった…お疲れ様。」
すると蜂はそれを理解し遠くへ飛んでいった。
それをのんびり見ると僕は帽子を深く被った。

さて…

「仕事しなきゃ…」

[ヴァン…]

そしてその一言で僕は一瞬で蜂の巣と貸した。
[ボタボタッ!…]
甘い蜂蜜が地面にしたたり落ちる。
そして次の瞬間巣から蜂が一片に出て行くのと同時に巣となっていた僕の身も巨大な蜂となって猛スピードで空へ飛んでいった。

TSUKUYOMIが滅んでから三百年。
そして、戦闘によりEXeM感染生物となって三百年とちょっと。
僕、崎島 瓜夜はまだここでEXeMと戦い続けていた。

BEはもう…無いけど…ね。
+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−
暫く空を飛び続けると一つの廃墟ビルが姿を現れた。
今回の仕事場はここだ。僕は五階の窓枠からビル内に入ると、また人間化した。
[プギャッ…!ギャギャッ!]
「…ふぅ…やっとついた…。」
>「キェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェエェ!!!」
「って!うわわ!!」
僕は慌てて耳を押さえた。凄い声!何!?EXeM!?
僕は武器である小型注射器を取り出すと指に挟んだ。
手裏剣の代わりに今の武器はこの注射器だ。この中に入ってるのは改良に改良を重ねた凶暴性を抑えるEXeM対抗ウイルスと、

動物用の安楽死の薬。

…三百年たった今でもEXeMを人間に戻す薬は存在しない。
僕は五階から出ると階段をかけ下りる、けたたましい鳴き声が再度響く。

199 :カルビ・ナ・ブラーナ ◆f//z0qjGXo :2006/12/23(土) 23:02:07
>191
響き渡る音と斬撃によって崩れ落ちた壁は盛大に埃を巻き上げ、その無効に巨大なシルエットを浮かび上がらせた。
土煙のカーテンを突き破るように現れたのは、赤黒くぬめり気のある巨体。
それでいて膨らみ脈動するその肉体は強力な力を秘めた筋肉の固まりだと見て取れるだろう。
「壁越しにぶち込んでやろうと思ったのに、先手を取られちまったか。げひゃひゃひゃ。」
耳を押さえ、しかめっ面をしながら下卑た笑い声を上げる獣人の名をカルビ・ナ・ブラーナという。

ここら辺りを徘徊する獣人として知られている名だ。
徘徊する、すなわち、徘徊できる。
この地域ではそれなりの強さを持つものという事だ。
弱いものは徘徊すらできない弱肉強食名世界。

「俺の中の何かが俺に言うんだよ。お前を食えば俺は次に行けるってなぁ〜!」
足元に散らばる瓦礫を蹴飛ばしながらイオに迫るカルビ。
それほど速いわけではないが、圧倒的な質量はまるで壁が迫ってくるような圧迫感を与えるだろう。
握り締めた腕はよりいっそう膨張し、その力故に空を裂きながらイオに撃ちだされる。

>198
イオを獲物として襲い掛かるかルビは崎島の存在にまったく気付いていない。

200 :ギース・ハワード@ネコミミ:2006/12/24(日) 00:23:55
ハァハァハッ!
こわっぱどもが!
(その様子をワイン片手に見物している)

201 :イオ ◆jlIWGsUZ1. :2006/12/24(日) 01:05:22
>「俺の中の何かが俺に言うんだよ。お前を食えば俺は次に行けるってなぁ〜!」
やはり、そうだったのか・・・
私はそう思い、刀を構え直した。
一時逃げようと考えたが敵が巨体すぎるせいで通路が制限されている。
逃げようとすれば、多分、あの巨大な拳か、いや、それとも体当たりでミンチになるのだろう。
それに・・・
>ハァハァハッ!
>こわっぱどもが!
仲間なのかは知らないが・・・あいつもきっと私が狙いなんだ。
騎士道だが武士道気取って一対一でやらせようとしている・・・気に入らない・・・
>空を裂きながらイオに撃ちだされる。
そう思った瞬間、私の身は、衝撃と激しい痛みと共に壁に叩きつけられた。
気を逸らした隙に攻撃をうけたのだ。
「あ・・・ぐぅ・・・」
偶然なのか判らないが、腕一本で私の命は助かったようだ。
たまたまガードできたのか、それとも向こうの狙いなのか
それはわからないが・・・私はまだ生きている・・・
・・・そして・・・この男に・・・殺されるのだろうか・・・
そう死を連想させるワードを不本意にも思い浮かべてしまった・・・
・・・そのワードが出た直後だ・・・黒い影がアイツの隣に佇んでいるのが見える。
私はそれを確認したと同時に狂ったように叫びだす
「あ・・・あぁ・・・い・・・嫌だァァァァァァアァァァァァアアァァァァァァ!!!」
言葉として発声出来ていない音は、防御不能の攻撃となり、この廃墟にいる者に襲いかかる。
「ウわアァアァァァッァアァァァァァァァァ!!!」
敵が怯んだ一瞬、私は飛び上がり刀を振るうが、天井に突き刺さってしまった。
両手で振るうことが出来ていれば壁を切り裂き敵の首を掻っ切ることが出来たはずなのに、
左腕を力なくぶら下げ、右腕で刀を掴み、私は天井にぶら下がっている。
駄目だ。このままじゃ次の一撃を喰らう。
錯乱している私でも、この状況の危険さがどれだけ危ないか判っている。

202 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/12/24(日) 18:00:22
部屋に居たEXeMは僕に背中を見せた状態でそこにそびえ立っていた。
筋肉質の巨体は品のない笑いを浮かべる。

>「壁越しにぶち込んでやろうと思ったのに、先手を取られちまったか。げひゃひゃひゃ。」

…こいつが…さっきの鳴き声の主?

取りあえず僕はポッケに入ったガムを少し噛んだので耳を塞ぎ、
懐から筋肉麻痺の効果がある毒の入った注射器を取り出すと、様子を見る。
>「俺の中の何かが俺に言うんだよ。お前を食えば俺は次に行けるってなぁ〜!」
そういうと巨人は僕とは反対方向に動き出す。
…どうやらもう一匹居る?しかも敵対しているようだ。
僕はもう一本筋肉麻痺の注射器を取り出した。最近はEXeM同士の食うか食われるかの戦いが頻繁に起こっていた。
だから敵対してるからといって自分みたいな生き残りの可能性は非常に低い。下手したら二匹一片に相手をしなければならない。

が、

だがこれはチャンスだ。

…どうやら両方僕には気付いてない。
どちらかが攻めに入り守備が甘くなったところを狙って毒を打ち込めば確実に仕留められる。
僕はこくりと頷くとすぐ動けるように待機する。
瓦礫を乱暴に蹴飛ばしながら反対方向にじわじわと歩くEXeM、そして、次の瞬間巨大なEXeMはもう一人の敵に向かって拳を挙げる。
その瞬間に僕は素早く斜め横に飛び込み薬を投げ込…もうとしたその時だ。

>ハァハァハッ!
>こわっぱどもが!

巨人とは違う声が響いた。別のEXeM…!?一瞬集中力が途切れかける…がなんとかこの時は持ちこたえた。
が…、腕を後ろへ反らす。その時に僕の視界の端に入る一本の刃。
僕は目を見開いた。軌道がそれる注射器。

[プスッ…ドガァッ!]

響く鈍い音。女が殴られるのとほぼ同時に注射器は肉に刺さった。
が、当たり所は大きく外れた。足に刺すつもりが腰元に刺さったのだ。
巨人に気付かれ巨人は咄嗟に僕に殴りかかる…僕は間一髪のところで後方に飛び避けた。気付かれた。最悪の展開だ。

203 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/12/24(日) 18:02:04
間一髪で避けた後、僕は取りあえず巨人を睨んだ。その間に懐から次の注射器を取り出す。
最悪の展開、が、まだ気付かれただけ…殺そうと思えば殺せるはず。
ただ…。
僕は横目でチラリと女を見た。さっき視界に入った黒い刃…。

…epee noire.黒い剣。

獣人専用BE…NEの武器だ。
人間が保護生物となった今獣人専用BEが存在していた。
……仲間…と信じて良いのだろうか。この女を。
少々横目でじっと女を見る。すると、

一瞬女と目があったような気がした。

表情が変わる女。
>「あ・・・あぁ・・・い・・・嫌だァァァァァァアァァァァァアアァァァァァァ!!!」
「っ!」
とっさに耳を塞ぐ、が、遅かった。ガムで若干威力を弱めたが…僕は女の声の威力をもろに受けた。
ぐらりと地面に座り込む。
「っ…!!」
右耳から若干血が流れる。そして次の瞬間女は絶叫して黒い刃を振るい挙げた。
>「ウわアァアァァァッァアァァァァァァァァ!!!」
飛び上がる女、しかし女の刃はEXeMに振るわれることはなかった。
[ガッ!]
天井に刃が突き刺さる。天井が低すぎたのだ。
女は宙づり状態になった。このままじゃこの巨人EXeMの攻撃をもろに受けてしまう。
僕は人間化を解除し一瞬で巨大な蜂と化すとほぼ反射的に彼女の身に体当たりする。
[ドン!]
地面に落ちる女。僕はすぐ彼女の元で人間化すると女に言った。
「安心してください!僕は味方です!取りあえず一端身を隠しましょう!走って!」
そう言うと彼女を立ち上がらせようとする。

204 :カルビ・ナ・ブラーナ ◆f//z0qjGXo :2006/12/24(日) 22:59:36
>201>202>203
拳がめり込む感触。
己の力が他者を蹂躙する、快感にも似たこの感触がカルビが何よりも好きだった。
更に体重を乗せ、より深くこの感触を味わおうとする時に、腰の辺りに鋭い痛みが走る。
「なんだぁ〜?」
不意打ちと快感を味わう事を邪魔されたという両方の怒りに血走らせた目を後ろに向けると、人間がいた。
人間は保護するという暗黙の了解が出来上がっているが、今のカルビには関係ない。
何者であろうが自分に牙を向く敵なのだ。

即座に横薙ぎの拳を振るうが、いつもの力強さがまったくなく躱されてしまう。
何が起こったか理解する前に、響き渡る叫び声に泡を吹いて片膝を付いた。
音自体はすぐに鳴り止み、苦痛からは解放されたものの力が入らない。
三半規管と筋肉の双方にダメージを受け立ち上がる事すら覚束ないのだ。
「く、うぅ・・・糞があ・・・顔は覚えたぞ!」
目の前に間抜けにぶら下がる獲物と、それを助ける人間、もとい蜂。どちらもひ弱そうだ。
だが、あの音は長時間聞かされてはとても耐えられないし、何より崎島に打たれた注射の影響が大きい。
しばらくの逡巡ののち、泡を吹き散らしながら決断の叫びを響かせた。

震えの来る手から鎌を出し、腰の辺りの肉を抉り取る。
更に口を大きく広げ・・・いや、口だけでなく、顎から縦に胸まで亀裂が入り大きく開かれる。
カルビの口は見た目以上に広いのだ。
大きく開かれた口から凄まじい勢いで肉の塊がイオと崎島に向かって放出された。
これはもちろんカルビの内臓である。
注射の刺さった部分の肉、薬品が浸透したかもしれない内臓を全て体外へと捨てたのだ。
放出の勢いは凄まじく、その反動を受けたカルビも壁を突き破り、建物の外へと飛ばされた。

カルビが部屋から姿を消してほんの少し後、*ドスン*という鈍い音が鳴り響く。
五階から見れば、地上に小さくシミを作ったカルビの姿を見ることができるだろう。

205 :カルビ・ナ・ブラーナ ◆f//z0qjGXo :2006/12/24(日) 23:46:34
すいません、下から三行目、「放出の勢いは凄まじく〜」の下に追加

崎島の筋肉麻痺注射の影響で、その勢いを支える事ができなかったのだ。
「ここ五階だったああぁぁぁー。」
ドップラー効果を効かせた間抜けな叫びだけが室内に残る。

206 :イオ ◆jlIWGsUZ1. :2006/12/25(月) 15:54:30
一撃を覚悟した瞬間、目の前が真っ暗になった。
「・・・っ!」
目を開けたときに始めに視線に入ったのは大きな蜂だった。
そして、その蜂は姿を青年の姿に変わる。
私はその様子を見ながら後退りした。
人間の姿に戻った男は私に近づくやいなやこう言った。
>「安心してください!僕は味方です!取りあえず一端身を隠しましょう!走って!」
男は手を引き、私を立たせようとする。
しかし、私はその手を振り払った。
「味方?ふざけたこと言わないでよ!
 どうせ・・・どうせ・・・あんただってそこにいる奴と変わらないんでしょ」
この突然現れ助けようとする人間を・・・私はとても信じられなかった。
記憶喪失のせいで人間不信になっているのだろう。
「私は誰も信じない!何一つ!すべて!信じない!」
そういってさっきの体当たりで落ちてきた得物を拾い、この男に切りかかろうとした瞬間
>大きく開かれた口から凄まじい勢いで肉の塊がイオと崎島に向かって放出された。
>「ここ五階だったああぁぁぁー。」
高速で飛んできた何かが右手に当たり、刀を叩き落とされた。
そして、反応する間もなく腹に当たる。
「おぶっ・・・!!!」
私は倒れ・・・ようとするところで運悪く顔面にあたった。
その一撃で私は気を失った
私が、あれがあの巨漢の内臓だと知るのはかなり後のことになるようだ。
気を失った私はその場に力なく倒れ、NEも輝きながら塵のように消えていった。

207 :イオ ◆jlIWGsUZ1. :2006/12/27(水) 12:31:45
気がついたとき。私は扉も窓もない白い部屋にいた。
電灯もないのに何故白と判断できたのかはわからない。
私は辺りを見回しながら立ち上がった。
家具も何もない只の部屋・・・いや・・・テレビが一台私の目の前にあった。
「なんで・・・テレビだけ・・・」
私はそういいながら何も写していないテレビに近づくと私の存在に気付いたのか
電源は入り映像を写した。
激しい音を立て砂嵐を見せているが、次の瞬間、ある男の姿を映し出す。
顔は不気味な仮面を被っていて誰なのか判らない。
「やぁ実験体第三号・・・いや、今はイオを呼んであげよう」
私はこの男に少しぎょっとしたが、その感情の次に吐き気を催す殺意を覚えた。
「おや・・・どうやらご機嫌斜めのようだ・・・まぁそんなことは私は気にしないがね
 この部屋は君を観察するために真っ白に作ったものだ・・・気に入っていただけたかな?
 まぁこれは仮想記憶の世界だから関係ないがね・・・
 ところで・・・君は自分の存在が誰かの真似だと知っているかな?
 知らないだろうな・・・まぁ詳しいことは後でしるだろうな・・・君のために刺客を送った。
 君と同じ存在だ・・・存分に楽しむことだ・・・HAHAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!」
男の高笑いと共に私の視界はぼやけながら暗くなってくる。

「ウワァァァァァァァ!!!」
私はベットの上で飛び起きた。
・・・ベット?私はあの廃墟で気を失ったはずじゃ・・・
辺りを見回す。
壁は崩れてはいるが・・・ホテルの一室のようだ。
私の頭がこの急展開に追いつけないようで私はしばらく呆けていた。

208 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/12/27(水) 15:44:55
立たせようとした少女は僕の手を振り払った。
>「味方?ふざけたこと言わないでよ!
> どうせ・・・どうせ・・・あんただってそこにいる奴と変わらないんでしょ」
「…違います。落ち着いて…信じてください…!何も貴方に僕は危害を加えない…!」
そう言うと僕は横にいるEXeMを見ます。注射が効いてきたせいか泡を吹いて顔を動かしています。
>「く、うぅ・・・糞があ・・・顔は覚えたぞ!」
そう言うEXeM。…僕の薬が効いたせいか少々動きが鈍い…
…それでもここでこのEXeMが襲いかかって少女と僕が無事でいられる保証はない。

…しょうがない。

僕は静かに睡眠薬が入った注射器を忍ばせます。こうなったら…眠らせて運ぶしか…。
が、先に動き出したのは彼女の方でした。
>「私は誰も信じない!何一つ!すべて!信じない!」
そう言うと少女は地面に落ちた刃を拾い僕に向かって持ち上げてきました。
一瞬やばいと思って蜂化しようとします。その時、僕の視界に飛んでいく赤いもの…!
そしてそれは彼女の顔と手に当たりました。
>「ここ五階だったああぁぁぁー。」
[ごっ!]
>「おぶっ・・・!!!」
「……ちょ!」
僕は地面に倒れる直前に少女を抱えました。
気絶してる…?いや!それより!
僕は横を見ました。
するとそこには先ほどいたEXeMは居ず、散らばった内蔵があるだけの状態。
…僕は彼女を優しく寝かせると彼女の顔面に当たったと思われる内蔵を拾い他の散らばった内蔵を見ました。
……一つ一つ見てみるとそれは先ほど僕が麻痺薬を投与した部位が散らばっている。

……散らばってる部位からして生きてる可能性は高い。

僕はそう察すると内蔵の一部を小型カプセルに入れました。
そして…僕は寝てしまった少女を見ます。

「……。」
*********************************************
――某ホテル廃墟

…とりあえず持ってきてしまった。
僕はボロベッドに置かれた少女を見てため息をつくと
再度EXeMの内蔵と彼女のNEを横にノートPCで作業に打ち込みます。
外には僕の数千匹の仲間が見張りのため飛び狂ってます。


209 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/12/27(水) 15:46:34
…恐らく今夜はあのEXeMは襲いにこないはず…
あれだけの内蔵をぶちまけたから回復にも時間掛かるだろうし…ここの場所を知るのにも時間が掛かるはず。
だからこそ今のうちに奴について調べておかないと…。

暫く淡々とキーボードを打ち込みます。
僅かな蜂の羽音とキーボードの叩く音が響き渡るだけの静かな室内。
……
>「ウワァァァァァァァ!!!」
「んが!!」
思わず目の前のキーボードで打ってた文字を消してしまいます。
僕は振り返りました。…どうやらお姫様が起き上がったようです。
「気が…つきましたか?」
そう言うと僕は彼女の腕を見ました。彼女の腕は綺麗さっぱしなおっています。
「…どうやら僕の蜂の毒も効いたようですね。よかった…
EXeM専用の薬じゃないから効くかどうかよく分かんなかったから効かなかったらどうしようかと思いました。」
そう言い得意な営業スマイルを決めると僕はメモに書き込みます。

-EXeMにも効き目あり…と。


210 :名無しになりきれ:2006/12/27(水) 16:34:34
「師団長!これはどういうことですか!」
若い獣人の士官がドアを開ける。
「フフフ・・・なんのことかな」
「ふざけないでください!何故オズを出撃させたのですか!!!」
「フハハッ・・・なんだ。そのことか・・・君も知っているだろう?
 K32ポイントの吸血鬼の話ぐらい」
「・・・あの・・・」
「そうあの吸血鬼だ!一週間前に送った部隊もソイツにやられたそうだ
 だがね・・・映像が手に入ったんだよ・・・その吸血鬼のね」
「・・・はぁ・・・」
「驚くことに・・・彼女だったんだ・・・その吸血鬼が」
「・・・!!!」
「それを見た彼女は驚くところか、血相を変えて自分の部隊をそこへ行かせろと私に話してね
 彼女は虫型の獣人だ・・・あんな芸当はできないよ・・・」
「だから・・・」
「行かせたよ・・・大丈夫さ彼女の部隊なら・・・
 それに吸血鬼を手懐けられれば・・・この戦争に有利に働くだろ?」

211 :名無しになりきれ:2006/12/27(水) 16:54:44
300年の時間を費やしても人は変われなかった。

名も無き戦争

この新世界の指導者の座を巡った地球上最も醜い戦争

オルタヴィレ共和国軍とアスロ帝国軍、この二つの軍が激化する戦闘の中で力を強めていった。

それは・・・およそ30年前の出来事

しかし、戦争はまだ続いていた・・・長きに渡って均衡状態が続いてはいるが両者は戦闘をやめるつもりはなかった。

そんな折、同時期に両軍に少女がNEと共に入隊した。

212 :名無しになりきれ:2006/12/27(水) 16:58:15
03と02が接近しているか・・・
ふふふ・・・いい展開だ・・・
そうは思わないかレイ?
この計画には彼女達の血が必要となるからな
ククク・・・ハァハハハハハッハハアハハハハッハハ!!!

213 :カルビ・ナ・ブラーナ ◆f//z0qjGXo :2006/12/27(水) 22:58:16
イオと崎島の気配が消えてからしばらく経ち、一人の女が現れた。
中肉中背。垂れ目で緑の複眼。白い髪に触角を生やしている。
こつこつと足音を響かせ、カルビを覗き込むようにしゃがんで声をかける。
「みっともないわね。」
「ああ・・・・」
「感想は?」
「邪魔が入った。次は殺せる。」
「その様で?」
「・・・確かに、な。だから・・・養分が必要だ!」
地面に叩きつけられ動けないかに見えたカルビが突如として起き上がり、オズに襲い掛かる。
だがオズは予想していたかのようにその攻撃を軽々と躱して、カルビの頭をはたいた。
「お馬鹿!内臓全部捨てたくせに食べてどうするのよ!」
「ぐ!?ぎゃはははははっ!そりゃそうだ。」
「まったく、あんたは馬鹿力だけでどうしようもなく頭悪いんだから。」
襲い掛かったときの殺気もなかったようにカルビは大声で笑う。
反面オズははたいた時に手についてしまった粘液を、不快そうに振って落とそうとしていた。

鱗粉を使って操り人形にしようとしたのだが、カルビの全身をおおう粘液に鱗粉が吸収されてしまってそれができなかった。
カルビ自身が頭も悪い事もあって、簡単に手駒として利用できたのではあるが、忌々しいことには変わりがない。

「へっへっへっへ、そんなに怒るなよ。簡単に殺しちゃつまらないんだろう?
こう見えても俺は頭脳派でな。奴らの居場所はわかってるんだ。」
オズの気持ちも知らず、下卑た笑いとともに話しかける。
放出した内臓の匂いが染み付いたからそれを追えば居場所がわかる、という事を。
既にイオと崎島に対する対策もできている事も。

そしてカルビは自分の内臓の匂いを辿って走り始める。
走っている間にも内臓は再生してきている。
崎島の想像より遥かにその再生速度は早かったのだ。

程離れた廃墟の一室にたどり着いた。
そこにはClass-B EXeMがカルビの内臓を網焼きにして食べていた。
「う・・・う・・・うがあああああ!」
弱肉強食の世界。落ちていた肉は天の贈り物のようなものだ。
あの部屋に散らばった内臓は殆どが持ち去られていた。食料として、だ。
自分の完璧なマーキング術がこのような形で欠点を突きつけられてしまい暴れ狂うかルビ。
イオと崎島に付いた匂いを嗅ぎ当てるのはまだしばらくかかりそうだ。

そんな様子を空中からオズが呆れた溜息とともに見ていた。

214 :イオ ◆jlIWGsUZ1. :2006/12/30(土) 10:18:49
ツクヨミが滅びてから300年後


最終決戦に使われた核の影響により文明は衰退し
自然に発生した謎のウィルスの蔓延によりほとんどEXeM因子を持つ生物しか生き残らなかった

また生き残ったEXeM人間は獣人と呼ばれ生を謳歌しており、旧人類は希少種族として保護対象となっていた

しかし、獣人となっても人間は変われなかった。

2306大戦

この新世界の指導者の座を巡った地球上最も醜い戦争起こってしまった。

激化する戦闘の中で二国が力を強めていった。

一つは旧イギリスに本部を置くオルタヴィレ共和国

もう一つは旧日本にあるアスロ帝国

この二国の領地が世界を二分した折、2人の女兵士が同時期に両軍に入隊した。


BLACK×EDGE 2nd 哀幻無我

215 :イオ ◆jlIWGsUZ1. :2006/12/30(土) 17:08:20
>「気が…つきましたか?」
私はぎょっとした目で少年を見て、とっさに下腹部を左腕で摩る。
無い!私の武器が無くなっている!!!
>「…どうやら僕の蜂の毒も効いたようですね。よかった…
EXeM専用の薬じゃないから効くかどうかよく分かんなかったから効かなかったらどうしようかと思いました。」
「毒!?・・・」
私はキッと男を睨んだあと、襟元を掴み、そのまま押し倒して馬乗りの体制になった。
「この糞野朗!!!お前はそうやって何人殺ってきた!!!」
彼が蜂毒療法をやったことを私は勘違いしてしまったようだ。
渾身の力で作り笑いを殴り潰し、私は続けた。
「お前に言いたいことは山ほどあるんだ!何で上半身が裸なのかってこと!
 解毒剤をよこせ!NEはどこに隠した!どこの所属だ!私は誰だ!私は私はぁ何者なんだ!!!」
”!”のタイミングで殴り続けたが私はこの行為が急に空しくなって止めた。
彼をそっちのけでまずはベットの布を裂き、胸に巻いたあと
部屋の隅に行き、体を丸め私は泣き始めた。
私の泣き声は驚くほど静かだったので幸いにも能力は発動しなかった。
きっと発動していたら、この一帯にいる敵にばれるだろう。
彼の慰めを聞かず、私は一頻り泣いた。



日が傾いたころ、ようやく私は泣き止むことが出来た。
いや、泣いている場合じゃなかったからだ。
異常に発達した耳が敵の存在を確認したからだ。
私は立ち上がり彼に言った。
「スン・・・クスン・・・敵が・・・来た。私のNEを返してくれ」
行動とは裏腹に感情はまだ収まりきれていないのか、涙声のままだ。
「頼む!返してくれ!返してください!!!」

216 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/12/30(土) 22:43:28

>「毒!?・・・」

「え!ちょ!!」
あっという間に馬乗り状態になり僕は襟元を思いっ切り掴まれました。
>「この糞野朗!!!お前はそうやって何人殺ってきた!!!」
「ぐぉ!苦し…苦しい…ちょ!離して…ください……何もしてないですって」
そう言って作り笑いすると少女に殴られます。
「ぐご!」
>「お前に言いたいことは山ほどあるんだ!何で上半身が裸なのかってこと!
> 解毒剤をよこせ!NEはどこに隠した!どこの所属だ!私は誰だ!私は私はぁ何者なんだ!!!」
「ってちょ…!……!?」
反論するよりも殴られて意識が飛ぶよりも先に彼女の最後の問いにつっかかりました。
そして途端に彼女は殴るのを辞め、泣きそうな顔で上半身を隠すと、途端に部屋の角に丸まり泣き始めます。
僕は上半身だけ置き上げると彼女を見ました。
「………何を泣いてるんですか…?」
僕は問いかけます。しかし彼女は問いに答えません。

「……何がそんなに悲しいんですか?」

「……生きてるんだから…それでいいんじゃないですか…」

僕はさらに彼女に投げかけます。
しかし彼女は以前振り向きもしませんでした。
人間を失ってから早数百年。その時間の間に僕はどうやら何かを腐らせてしまったようです。
僕はそう言ってから黙り込んで彼女の泣き声に聞き入りました。

217 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2006/12/30(土) 22:44:45

*******************************************
彼女が泣き始めて少し立ち、
僕は彼女そっちのけでパソコンに打ち込み始めてました。

取りあえずあのEXeMの対抗ワクチンを作らなきゃ…。

僕はその一心で必死に頭に数式を描きます。
あのEXeMがここを割り出す為に掛かる時間は遅くても三日ちょい。
いや…最近のEXeMはやたら頭がよくなってるからもっと早いかも…。
とにもかくにも時は一刻を争ってました。何度も何度も頭の中で練っては書きを繰り返します。
…すると、突如彼女が立ち上がります。

>「スン・・・クスン・・・敵が・・・来た。私のNEを返してくれ」

「…え?」
僕は聞き返しました。彼女の突然の発言に驚きます。
すると彼女はさらに大きな声を出しました。

>「頼む!返してくれ!返してください!!!」

「あ、はい!」
そう言うと僕はメンテナンスを完了したNEを投げました。彼女はそれを受け取ると腰に付けます。
その間に僕は窓から外を見ました。
敵…?他のEXeMか何かか?…こんな時に…面ど・・・!?
そして、僕は、敵の正体を見て。唖然としました。
「嘘……。」
いや、いくらなんでも早すぎる…なんで…

カルビ・ナ・ブラーナがここに!?

僕は彼女の手を思いっ切りひっぱるとノートパソコンを取りました。
途端に大量の蜂が僕に警告します。
カルビ・ナ・ブラーナ…最近人間保護の団体サイトでも危険視されているEXeM。
…今戦うには相手が悪すぎる。
「早く非常階段から逃げましょう!いくらなんでも相手が…!」
と、僕は彼女をひっぱり非常階段へ走ろうとしたら途端に少女は立ち止まります。
「…!?どうしたんです…か…?」
僕は彼女を見ました。
「勝ち目なんて……ありませんよ?第一貴方の腕は僕の薬が効いてるだけでまだ完治した訳じゃないし…!」

218 :名無しになりきれ:2006/12/30(土) 23:25:49
>>217
SF(黒刃)スレ避難雑談所
http://etc5.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1157618422/

219 :イオ ◆jlIWGsUZ1. :2006/12/31(日) 18:43:12
「勝ち目?私にはそんなもの用意されていなかった。」
私は彼の腕を振り払いこう言った。
「今の私たちに逃げ道が残されていると思っているのか?
 あると思うならあなたはそうとうめでたい人だ。・・・変身!」
紫光を浴び、私は戦闘形態に切り替える。
「敵はあのデカブツだけだと思っているのか?
 違う・・・もっと別の奴がすでのここに侵入している」
そう言って私は刀を構え、息を深く吸った。
そして、壁に一閃を振るう。
「ピギェエエイアェイアァァァァァァイイイィイイィィ!!!」
崩れ落ちた壁の向こうにはあのデカブツとは違うタイプの敵がそこにいた。
NEではなく量産型のBEをつけたソイツはこちらに敵意を向けている。肩に帝国軍のエンブレムが入っているのも確認できた。

・・・ん?帝国・・・私はあのエンブレムを見るのは初めてなのに・・・

その些細な疑問に私の刃は一瞬動きを止めたが、私はそのことを考えることを止めた。
「ここはもう戦場・・・考えることは逃げることよりも生き残ること」
そう彼に吐き捨て私は敵に斬りかかった。

220 :イオ ◆jlIWGsUZ1. :2007/01/04(木) 14:30:53
帝国兵の骸を片手に血塗れの私はそこにいた。
他の生物を殺すということに慣れてしまっているのか、
私は喜怒哀楽すべてに属さない不気味さを感じさせる顔をしていた。
NEとBEの差は絶望的なくらい大きなものであった。
たった二太刀で勝負は決した。
装着者の死を確認したのかBEは霧状になって解除され、私は腰についてあるBEを奪った。

「・・・」
あの不気味な顔で彼を見た。
まるで汚いものでも見るかのような目だ。
その眼差しに私の心は大した反応はしない。
「戦争なんだ・・・当然の結果でしょ」
私は彼を直視できず、視線を背けながらそう言った。
どうせこの世は弱肉強食・・・戦わなければいけない・・・
「使いなよ・・・無いよりはマシだと思うし、量産型なら誰でも使える」
そういって私はさきほど盗ったBEを彼に向かって投げ捨て、屋上へ向かい始めた。

221 :カルビ・ナ・ブラーナ ◆f//z0qjGXo :2007/01/04(木) 21:09:46
昼と夜のほんの僅かなの境目。
全てを紅く染め、影を伸ばす夕日に照らされながらカルビが一つの廃屋へと足を踏み入れる。
今までの廃屋とは違い、飛び交う蜂の存在が確信を与えていた。
ここに獲物はいる、と。
放出した内臓は既に完全再生し、体中に点在する円錐状の突起からはいつにも増して粘液が流れ出ている。
そう、崎島が警戒用に放った蜂を絡めとってしまうほどの粘液を。

ゆっくりと階上を見上げ、そこに戦いの空気を感じ取っていた。
ヒリヒリと頬の焼け付くような感覚。
その感覚を楽しむようにニヤリと笑い、跳躍!
跳躍の衝撃により地面は爆発したように小さくクレーターを作り、カルビは一気に屋上へと舞う。
「はぁーはっはっは!自分の内臓を焼かれて食われるところを見たことあるか?
俺は見た!ついさっき!五回程っな!・・・て、誰だ?」
この廃墟にたどり着くまでにカルビは五箇所、自分の内蔵のにおいを辿って関係ない場所へと無駄足を踏んでいた。

啖呵を切って登場した屋上には獲物であるイオと崎島の姿はなく、帝国軍の制服に身を包んだ数人の獣人が待ち伏せをしていた。
カルビのとって計算外の獣人たちだったが、帝国軍の獣人たちにとってもカルビは計算外の来訪だった。
「っち!イレギュラーか。排除しろ!」
「あん?」
反応が早かったのは訓練された部隊である帝国軍獣人たち。
隊長の指示の元一斉にカルビに向かって銃弾を浴びせる。
状況把握ができず、前段ろくな防御もできずに食らったカルビは肉片を飛び散らせながら吹き飛んだ。


222 :オズ ◆PJ6fdvYy1U :2007/01/04(木) 22:05:44
「この馬鹿共がぁ!!!」
カルビらが戦闘を始めた瞬間、彼らの頭の上からオズが一喝する。
「カルビ・・・紹介が遅れたわぁ・・・この子たちは私の部下」
そうカルビにいったあと、オズは自分の部下らを睨みつけ
「いつ私が発砲命令を出した!!!撃った者は前に出ろ!!!」
そう怒鳴りつけると同時にカルビに向かって発砲した者が前に出てきた。
それを確認したオズは羽をしまい屋上に降りた。
そして、自分の命令を無視した部下の口に自分の拳を叩き込んでいった。
一通り殴り終えると、オズはまた羽を出して飛んだ。
そして、殴った部下達を睨みつけ
「死ね!」
と命令を下した。その言葉に忠実にしたがうかのように
ある者は飛び降り
ある者は手首を斬り
ある者はこめかみに銃をつきつけて自殺した。
これが彼女のやり方なのだ。使えない駒は己が手を汚さすして処分する。

処分が終わり、彼女は部下達に命令を下す。
「全員屋上から離れ、下から攻めろ、吸血鬼は私が殺る
 お前らはサポートの男をやれ!」
【Sir!YesSir!!!】
「カルビ、あなたも下から攻めなさい。大丈夫、死体はあげるから」
そういってオズは不敵に微笑んだ。

223 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2007/01/05(金) 17:20:54

>「勝ち目?私にはそんなもの用意されていなかった。」

>「今の私たちに逃げ道が残されていると思っているのか?
> あると思うならあなたはそうとうめでたい人だ。・・・変身!」

紫光が光り輝く。僕は何も言えなかった。
少女はNEを纏うと言う。
>「敵はあのデカブツだけだと思っているのか?
> 違う・・・もっと別の奴がすでのここに侵入している」
「違うヤツ?それって一体…」
しかし少女は答えなかった、けたたましい叫び声。
>崩れ落ちた壁の向こうにはあのデカブツとは違うタイプの敵がそこにいた。
そしてその腕には帝国軍のエンブレム、僕は攻撃しようとした手を止める。
彼らは人間だ。殺す事なんて…。しかし、彼女は呟く。
>「ここはもう戦場・・・考えることは逃げることよりも生き残ること」
はっとし僕は彼女を見る。そして次の瞬間彼女は一片に帝国兵を殺していった。
僕は一瞬自分の昔を見ているような錯覚に陥った。
血は飛び散り彼女にかかる。僕には掛からなかった。
少しの沈黙が走る。
そして彼女は僕を見る。
僕は…びくっと肩を動かすと二三歩下がった。どんな表情をしてたのか自分でも分からない。
ただ……彼女は平然と言った。

>「戦争なんだ・・・当然の結果でしょ」

彼女は僕の目線を会わせず言う。その姿になんとなくだけど哀愁が込められていたような気がした。
彼女は先ほど取ったBEを僕に投げる。
>「使いなよ・・・無いよりはマシだと思うし、量産型なら誰でも使える」
そういうと彼女は屋上へ駆けていった。僕はBEを受け止め立ち止まったままだった。
少女の消えていく背中を見つめながら…。
そして僕はBEをじっと観た。

TSUKUYOMI…額に傷の女…空気の女…崎島大和…Proto-Edge…。


224 :崎島 瓜夜 ◆.wQUI50w5o :2007/01/05(金) 17:44:42
色んな物をいっぺんに思い出し僕は一瞬吐き気さえ覚えBEを落とした。
彼女のあの姿を見たせいなのか…いや…違う…嫌がってるのだ。
過去僕と一緒に居たこれを見ると…醜いものばっかを思い出す。
僕は暫く頭痛が酷い額に手をあてる。
そして近づいてくる足音を聞きはっとし急いでポッケから薬剤銃と注射器を出した。
すると時間がたたないうちにEXeM達が品のない笑いでやってき、一片に襲い狂ってくるEXeM達…。
先ほど言った少女の言葉を一瞬思い出す。

>「ここはもう戦場・・・考えることは逃げることよりも生き残ること」

僕は一つ吠えるとけたたましい銃声と肉の飛び散る音を響かせた。
悲鳴が響く、数分も立たず僕は敵を殲滅させる。
そして僕は頭を抑えるとふらふらと足を動かし下の階へ走った。

生き残る…?

「だったら尚更逃げるべきじゃないですか…なのに…」

なんで彼女は戦うんだ?なんで彼女はNEを持った?
僕は下の階にいくと薬剤銃を構えた。

「カルビ・ナ・ブラーナ!!」

そう叫ぶと僕は頭目かげて体力をじょじょに奪っていく猛毒入りの薬が入った薬剤銃を撃った。
…僕の蜂が教えてくれた情報。それは女が一人屋上へいったという事とこいつがここにいるって事。
…屋上はあの少女に任せれば大丈夫だろう。ならば僕は下に居る男を倒すのみ。
僕は銃を撃った後、即座に注射器を握りました

225 :カルビ・ナ・ブラーナ ◆f//z0qjGXo :2007/01/05(金) 22:32:21
「げははは、いいのか?死体は操り人形にできないんだろう?
俺はいいんだぜぇ?おかげで銃弾に勝る外皮を手に入れたからな。」
オズが部下に死を命じ、部下がそれを実行しているときに、笑いながら起き上がるカルビ。
銃で受けた既に傷は再生し、傷一つ残っていない。

その言葉を聞いてもオズは眉一つ動かさない。
手駒などいくらでもいるのだ。それを惜しいと思う感情すらない。
だが一つ重要な事を気付いていなかった。
オズの鱗粉による人体操作。
そんなことカルビは知るはずも知りえる知能もなかったはずだということを。

事が済んだ後、カルビはオズに従い強襲部隊とともに階下へと降り、玄関から上っている。
隊員達は訓練された動きですばやく階段を上っていくが、カルビは玄関ホールに座り込む。
そして数分後。
崎島と接触。
銃を撃たれるもまったくの無防備にニヤニヤと笑っていた。
自信があったのだ。今の自分の外皮は銃弾を軽く弾くほどの強度がある、と。
だが、その余裕が命取りだった。
「無駄無駄無駄ああああぎゃあああ!!」
弾は外皮に唯一覆われていない眼球を撃ち抜いたのだ。
撃ち抜かれた右目を押さえながら叫び声をあげるが、それでも倒れはしなかった。
「ぐひゃひゃひゃ、運がいい野郎だ。
だがこんな豆鉄砲一つじゃ俺は倒せねえぞ?それにな、もうお前の毒はきかねえんだよ!このD-エボリューションの力でな!」
潰れた右目を弾ごと抉り出し捨てると、掌から鎌を出して突きつけて宣言する。

カルビの持つNE『D−エボリューション』は装着者に強い学習能力を持たせる。
強力な生命力、再生能力と、NEの力によってカルビは銃弾を弾く外皮を、そして崎島の麻痺薬への抗体を手に入れている。

もはや小さな注射器しか持たない崎島に負ける事はないという勝利宣言とともに、その機能を高らかに説明。
話している間に右目の再生も完了し、それと同時に襲い掛かる。
鎌を振りかざし斬りつける!
それと同時に握られた鎌だけでなく、腕から生えた数本の鎖鎌が触手の様にそれぞれ別の間合い、別の軌道で崎島に襲い掛かった!

恐るべき能力と攻撃を見せるカルビだが、自身も気づいていない事があった。
それは、崎島の麻痺薬に対する抗体ができているのであって、今撃ち込まれたくするに対してはまったくの無防備。
徐々に体力が奪われていく事を自覚するのはもう少し先なのだが・・・。

226 :名無しになりきれ:2007/01/06(土) 01:32:50
クローン技術か・・・

227 :名無しになりきれ:2007/01/06(土) 20:00:19
クローンだっていいじゃない

228 :イオ ◆jlIWGsUZ1. :2007/01/09(火) 08:20:15
階段を駆け上る間、私の中である対をなす感情が徐々に高まってきた。

一つは殺意
一段一段上がるたびに沸々と湧き上がり、私の体を焼く
私はその感情を感じるたびになんともいえない高揚感と吐き気を感じていた。

そして、それを感じた瞬間、どうしようもない悲しみが私に襲い掛かる。
その悲しみは私の高揚感を殺ぎ、残った吐き気を増させる。
何段か上ったとき、その吐き気に耐えられずに私は吐いてしまった。
しかし、吐き出しても楽になるわけでもなく、逆に苦しさを感じた。
その苦しさを知った私はそれに逃げるように階段を駆け上がり、殺意にすがった。

私は屋上のドアを蹴破り、屋上へと出た。
「遅かったわね」
「ッ!!!」
私は屋上で始めて視野に捉えたものに驚愕した。
自分がそこに居たのだ。
しかし、あちらの反応は私とは違い、冷静にこちらの様子を見ている。
彼女は不敵に微笑みながら、腰についているベルトに手をかけていた。
「・・・あなた・・・笑っているわね」
彼女の一言で、更に私は驚く
しかし、彼女はそれを気にも留めず続けた。
「散り際の笑みとしてはあまりにも不気味ね・・・まるで、殺し合いを望んでいるような目・・・
 まぁ・・・私からしてみれば・・・丁度いいわね・・・・・・変身!」
「変身ッ!」
私は彼女の後を追いかけるように変身した。
二つの紫光が屋上を照らす。

229 :カルビ・ナ・ブラーナ ◆f//z0qjGXo :2007/01/10(水) 20:35:41
別々の軌道を描き崎島に襲い掛かる数本の鎖鎌。
逃げ場はないかのように思われたが、崎島はそれを全て躱しきった。
それだけでなくカルビの懐に入り込んでいたのだ。

300年・・・。
300年にわたり蓄積された戦闘経験。
その経験に裏打ちされた崎島のシミュレーションは神業の域に達しているといっていい。
作られてからまだ一年と経っていないカルビの及ぶところではないのだ。

崎島はカルビの懐に入ると、手に持った注射器をその腹に突き立てる!
だが、軟体生物特有の柔軟性を持ち銃弾をも跳ね返すまでになった外皮。
更に全身を粘液で覆われており、注射の針がカルビの体内に入る事はなかった。

一瞬の交差を経て崎島は悟る。
今の自分では目の前の敵を殺しきる事ができない、と。
仮に毒を注入できたとしても、それは更なるパワーアップさせるえさに過ぎない、と。
そう悟ってからは、崎島は守勢に回る。
そんな思惑も知らず、カルビはとにかく全身あらゆるところから鎖鎌を放ち攻撃をするがことごとく躱されてしまう。
そして数分後。
「お・・・おかしい・・・まさかてめえ・・・!?」
打ち込まれた毒は確実にカルビの体力を奪い、消耗させていく。
気付いた時には崎島は蜂の姿となり、玄関から飛び去っていってしまった。
「くそお!きたねえぞ!さっきの毒とは違うじゃねえか!!」
あとには口汚く罵るカルビだけが残された。

体力を奪い、チャンスとも言えた状態で飛び去った崎島の判断は正しかったといえるだろう。
事実既にカルビの体内では体力を奪う猛毒に対する抗体ができており、これ以上体力を奪われる事はなくなっていたのだから。
とはいえ、既に奪われた体力が回復するわけではない。
よろよろと外へでて、オズの命令で飛び降りて死んだ帝国兵を貪り始める。

貪り急襲しながら屋上を見ると鱗粉がそこを覆い、薄く紫電がオズとイオの戦闘を告げていた。

230 :名無しになりきれ:2007/01/15(月) 10:59:13
わたしたちは人間だ!!

231 :カルビ・ナ・ブラーナ ◆f//z0qjGXo :2007/01/15(月) 22:28:24
兵士を丸まる一人食べ終わった後、鎌を両手からそれぞれ一本ずつ出して外壁へと向かう。
【養分補給】ができたからといって、失った体力がすぐに回復するわけではない。
跳躍を持って一気に屋上へ行かず、鎌を鉤爪の様にしてよじ登っていった。

僅かの間を置いて屋上へと到達するカルビ。
そっと顔を出し覗くがよく見えない。
オズの鱗粉によって濃霧のように視界を遮っているからだ。
(・・・この鱗粉で音を乱反射させるのか音の方向性を掴むかはしらねえが、相性的にもうケリついていてもおかしくない、が・・・?)
確かにおかしくはない。
だが、まだ決着はついていないという確信はあった。
オズの異様なまでのイオに対する執着。
本来直接戦うタイプでないのにも関わらず兵を下がらせ1対1を望んだほどだ。
簡単には殺しはすまい。

案の定鱗粉の霧の中、イオの姿を確認する事ができた。
鱗粉のためか、幻覚に陥っているのか、それとも別の理由かはわからないがまだこちらに気付いているそぶりは見せていない。
カルビはいっぺんの躊躇いもなく屋上に躍り出て、何かを投げつける動作をした。

投げつけられたもの。
それはカルビの粘液を更に練り合わせたもの。
飛びながらその形状を皮膜状に変化させイオに迫る。
「げはははは!これで糞厄介な音は出せねえだろう!」
狙い通り強力な粘液が顔面に命中したなら音を出す事はおろか、呼吸すら難しくなるだろう。

232 :イオ ◆jlIWGsUZ1. :2007/01/18(木) 20:57:17
「幻覚に抱かれる気分はどう?」
上空で私を見下しながら彼女は言った。
私は何も返せない。
いや、私は今目の前の幻覚に何遍も殺されている最中だった。

彼女と私の戦闘経験の差は絶望的なものだった。
彼女は私と剣を何回か交えた後、急に飽きたかのように鉄扇を広げ
屋上を銀色の霧で包んだ。
やっかいなことにこの霧は目暗ましではなく、私を極限まで無力化するものだと知るのはずっとあとにわかることになる。
そうとは知らず、私は声をあげ彼女を探した。
しかし、これがこの状態を生み出すきっかけだった。
霧が作り出した不愉快な音は私の耳を狂わせ、それを聞くたびにまた声を発する。
その無様な螺旋は私を壊すのに数分もかけなかった。

「まずは・・・脚でもいただこうかしら」

そう彼女の声が聞こえたとき、私の足は千切れ飛んだ。

「あぁぁぁぁぁぁ」
「あら?いい声で鳴くのね?もう一本いただきちゃいしょうか?」
「いがぁぁぁぁぁあぁ」

もちろん私の足はまったくの無傷だ。
私は彼女の声が作った幻想に踊らされただけだ。
ただそれだけのことなのに、私はどうしようも出来ず彼女の声に操られる。
ある程度傷を負わされて、殺されて現実に戻り、また殺される
この螺旋の中、私の意志は段々と薄くなっていった。
もちろん、あの大男がいることも、粘膜を投げつけたこともわからず
私は顔にそれをぶつけられ、そのまま倒れた。

233 :カルビ・ナ・ブラーナ ◆f//z0qjGXo :2007/01/19(金) 22:53:10
「ぎゃははは!ざまあみろおぶべええ!」
イオに粘液を命中させたのを見て大声で笑うが、その笑いは長くは続かなかった。
「貴様、なんの真似だ!!」
怒気のこもった冷たい声とともにオズがその後頭部を鉄扇で叩きつけたからだ。
床に頭をめり込ませるカルビの姿でその威力を押して知るべし。

普通の獣人なら頭が潰れ絶命している一撃だが、カルビはめり込んだ頭を引き抜いて薄ら笑いを浮かべながら弁明を始めた。
「まあいいじゃねえかよ。十分痛めつけたし、そろそろ殺しても問題ねえだろ?」
媚びている様に下からオズを見上げる。
そんなカルビの顔をオズは蹴りつけ、粘液煮からめとられ倒れているイオの元へと宙を舞う。
完全に気絶していると判断したのか、屋上を包む鱗粉の霧が徐々に薄らいでいく。
「さっきまではただ殺してやりてえとばかり考えていたけどよぉ、いざその段になると旨いかどうかが気になるんだよなあ。」
背中越しにイオを見下ろすカルビの言葉にオズの柳眉が不愉快そうにつりあがる。

**もう用はないし殺そう**

オズの手に閉じられた鉄扇「呪解夢」が開く。
次の瞬間、オズの叫びが屋上に鳴り響いた。
オズが攻撃を仕掛けるより先にカルビがオズの羽を毟り取ったのだ。

「わりぃなぁああ!死体より生きているまま食った方が旨そうだからよおお!げひゃははは!」
羽を毟り、頭を掴み二、三度床に叩きつけ投げつける。
羽はなく、傷ついた身体で屋上から落とされれば死ぬだろう。
だが勝利を確信したカルビの目に信じられない光景が映る。
投げ捨てられたオズが空中で身体を捻り鉄線を投げつけたのだ。
落下し屋上から姿を消したが、鉄扇はカルビの頭を縦に真っ二つにした。
「や・・・やべえ・・・」
狼狽の声には二重の意味が込められている。

一つは頭が縦に切り裂かれた事。
これで死ぬ事はないが、外皮と粘液で守られていた内部がむき出しになったという事だ。
薄れたとはいえ、まだ鱗粉が充満している。
もう一つは、地面から*ドサッ*という落下音ではなく、空気がはじけたような音とともに殺気が立ち上っている事だ。
羽はなくとも風を操り落下を防いだのだろう。
「き〜〜〜〜さ〜〜〜〜ま〜〜〜〜!!!!!」
怨念と殺気に満ちた声が上がってくるのに気付き、カルビはとっさにイオを小脇に抱えてビルの反対側に飛び降りた。
オズも傷ついている。羽根の再生にも時間がかかるだろう。
だが、ぐずぐずしていては帝国軍がやってくるかもしれない。
今なら逃げ切れる、と判断したからだ。

後ろも振り返らず一目散に駆け抜け、迷路状の下水道網へと身を滑らせた。

234 :イオ ◆jlIWGsUZ1. :2007/01/21(日) 01:37:08
「!!!」
息苦しさで私は目が覚めた。
何かが口と鼻を塞いでいるのか!?
私は顔を引っかく様に塞いでいる何かを取ろうと必死でもがく
酷く粘性のあるそれは鼻の近くの部分だけ取れて千切れた。

窒息寸前の私はめいいっぱい深呼吸したが、酷い悪臭に咳き込んだ。
「(ここはどこなんだ・・・)」
頭をあげ状況を確認し始める。
「(・・・下水施設か?・・・水の流れる音も聞こえる)」
もっと情報が欲しい私は立ち上がり歩き回ろうとしたが、鎖に脚をとられ転んだ。
「(クソ!足枷か・・・刀は盗られてるな)」
腹を立て壁を思い切り叩いた。
悔しい!無力な自分の存在が恨めしい。

235 :カルビ・ナ・ブラーナ ◆f//z0qjGXo :2007/01/23(火) 21:36:14
イオが壁を思い切り叩いてから一分と経たないうちに部屋の扉が開く。
開いた扉を塞ぐ壁のような巨躯。
全身をぬめらせる粘液。
そして下卑た笑み。
そこに立っていたのは間違いなく襲撃者、カルビだった。

「おいおい、古い建物だからあんまり暴れると壊れちまうぞ?
そんなに構えるなよ。取って食っちまうつもりではあるが今じゃねえ。俺の頭の中でそういう声がしてたんでなあぁ。」
トントンと己のこめかみをつつきながらおどけるその姿は意味不明ではあったが、ただの凶暴性ではない。かすかながらも知性を宿しているようにも見える。
片手に持っていたイオの刀を投げ渡すと同時に足枷も外れる。
だが出口はカルビの背後の一箇所のみ。

「いろいろ知りてえって顔だな。まあ落ち着け。知っている限りは話してやる。」
カルビは語り始める。
ここは地下3000メートルの地下施設。300年前、まだ人間が地上の覇権を握っていたときに作られたものだ、と。
地上には獣人の都市があり、垂れ流される下水が更に流れ込む最下層だと。
そしてカルビはここで作られ事。
だが、何者によって何の為に作られたのかはわからない。

「そしてなぜこんな事をお前に話すか、だ。
俺の頭の中で延々と響くんだよぉ。こうしろこうしろってなぁ。しつこいくらいに響くんだ。
頭の中に他の奴がいるんじゃねえかと思ったが、いなかったんだ。オズとか言うお前の双子に頭カチ割られたが中には誰もいなかったからな。
それ以降声はしねえ。もしかしたら割られたときに外に飛び出ちまったのかもしれねえな。
糞しつこい声だったが、なくなっちまうと俺は何をすればいいかわからなくなった。
だから声の最後の指示に従う事にしたのさ。
お前はまだ食うに値しない。もっと強くなってから食えってな。
強さってのは単に戦闘能力じゃねえ。知り、理解する事も一つの強さだ。」

長い台詞に一息入れ、イオに指をさす。

「そこで、だ。この上に何があると思う?3000メートル上がれば地上だ。そこには都市がある。もちろんここと地上の都市の間にもいろんなものがある。
上がる事によってお前が何者かもわかるし、強くもなれる。強くなったら俺はお前が食えるわけだ。
だからお前はここから出て登れ。俺に殺される前に登るんだ。
いひひひ・・・うまそうな肉があると我慢できなくなるから早く早く俺から逃げて登るんだぜええ??」
徐々に言動が怪しく、表情や目の光から知性が掻き消えていく。
それが完全に消えたとき、カルビは突然イオに襲い掛かる。
隙だらけで動きも早くはない。すばやく動けば脇を抜け部屋を出られるだろう。
だが、ぐずぐずしていればその巨躯の圧力に押され潰されてしまう。

236 :イオ ◆jlIWGsUZ1. :2007/01/24(水) 00:12:01
正直、カルビの話を私はあまり理解できなかった。
そりゃそうだ。自分を殺そうとしている相手を結果的に助け、強くしてやろうとする大馬鹿者がいると思うのか?
その疑問が私の動きを一瞬鈍らせた。
カルビの巨体が目の前まで迫っていた。
反撃?無理だ!こいつに斬撃は効かない。

『・・・・こっち・・・・』
「(え・・・)」
気がつくと私は先ほどいた部屋から出ていた。
何が起こったのかわからない。ただ、子供の声が聞こえて気がついたら・・・
少しばかりこの異変に動揺したが、今はそんな余裕も無い。
私は口の周りにある粘膜に刀で切れ目をいれ、そこから引っぺがした。

ちょっと痛かった。

「カルビ・ナ・ブラーナ!!!
 お前のその挑戦、受けてたちます。しかし、私は食べられるつもりは一切ないです。」
立ち上がろうとしているカルビに向かって私はそういって、思いっきり空気を吸い込む。

「きぃ嗚呼アァァァァァァァアァァアアアァァアッァッァッァ!!!」

けたたましい叫び声と共に生死を賭けた鬼ごっこが始まる。

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